明治安田生命J1リーグは8月5日から8月6日にかけて第22節を行う。ここでは、浦和レッズvs横浜F・マリノスの試合をピックアップし、オッズをもとに勝敗を考察してみる。
■両試合の下馬評をチェック
まずはこの試合の下馬評をチェックしよう。『遊雅堂』が発表しているオッズによると、浦和vs横浜FMは僅差でホームチーム優位の数字となっている。浦和の勝利は2.30倍。一方の横浜FM勝利は2.75倍、ドローの場合は3.75倍というオッズだ。
なお、このカードは今節の9試合の中で、両チームのオッズの差が2番目に小さい対戦となる。それだけ両者の力関係が拮抗しているということだろう。ちなみにオッズ差が最も小さい対戦カードはサガン鳥栖（2.50倍）vsアビスパ福岡（2.87倍）の九州ダービーだ。
以下では両チームの状況を整理して、オッズの背景を考えてみる。
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■予測困難な上位対決
まずはホームの浦和について見ていく。
ここまでリーグ21試合を戦い、10勝7分4敗。勝点37で4位につけている。特筆すべきは失点数の少なさ。総失点数17は首位の神戸と並んで、リーグトップの数字を残している。ただし、総得点数27は上位6チームで最も少ない。
J1は約3週間の中断があったため、直近の試合は7月16日の第21節セレッソ大阪戦。8分にレオ・セアラに先制ゴールを与えると、25分にもカウンターからジョルディ・クルークスに独走を許し、スーパーゴールで0-2に。このまま最後までスコアは動かず、黒星を喫した。なお、これで5月から続いていた公式戦の無敗記録は14で途切れることになった。
記録こそ途切れたが、リーグ直近5試合で2勝2分け1敗と上々の数字を残している。この間、関根貴大が3ゴール、ホセ・カンテが2ゴールで得点面を牽引した。
浦和の特徴として挙げられるのはホームでの強さ。埼玉スタジアム2002、浦和駒場スタジアムで行われた試合に限ると、成績は6勝3分1敗となる。勝率は60パーセントとなり、平均勝点2.10はリーグでも2番目に高い。アウェイの成績が4勝4分3敗、平均勝点が1.45というのと比べると、いかにホームゲームを得意としているかがわかる。
また、浦和は今シーズン夏の移籍市場で積極的な動きを見せた。日本代表元10番の中島翔哉、バルセロナから安部裕葵、タイ代表MFのエカニット・パンヤを新たに獲得。攻撃陣へのテコ入れを行った。7月28日付けのJリーグの発表では、安部とベルギー挑戦から復帰したDF宮本優太の2人だけが登録済み。安部はコンディション調整に時間が必要と見られるが、後半戦に向けて楽しみな陣容を揃えた。
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■白星から遠ざかっている横浜FM
対する横浜FMは13勝4分4敗で勝点43。1差の2位で首位の神戸を追っている。総得点数44はリーグトップの成績。総失点数24はトップ6のチームで最多だが、それを補って余りある攻撃力を持つチームだと言える。
順位では大いに連覇が狙えるところにつけているが、直近の成績は必ずしもいいとは言えない。公式戦の直近3試合は1分2敗で勝ち星なし。7月8日の第20節名古屋グランパス戦は前半で2点を奪いながらも追いつかれ、勝点3を逃した。
12日の天皇杯3回戦ではJ2のFC町田ゼルビアに1-4に衝撃的な敗戦。大幅なターンオーバーが裏目に出た形だった。続く15日の第21節川崎フロンターレ戦は「BIG神奈川ダービー」と銘打った注力試合。近年J1のシャーレを二分するライバルに、試合終了間近に劇的なゴールを許し、0-1で敗れた。
その後の中断期間は、ヨーロッパのクラブと2試合のフレンドリーマッチを行った。スコットランド王者のセルティックには6-4で久しぶりの勝利。3冠を達成したマンチェスター・シティには3-5の敗戦。多くのゴールが生まれ、エンターテイメントとしては素晴らしい2試合だったのではないだろうか。チームとしても、世界レベルを体感したことが後半戦の起爆剤となる可能性がある。
今回の移籍市場ではパリオリンピック世代のMF、藤田譲瑠チマがシント=トロイデンVV（ベルギー）が移籍。DF加藤聖をV・ファーレン長崎から、おそらく藤田の穴埋めとして韓国代表経験を持つMFナム・テヒをアル・ドゥハイルSC（カタール）から獲得した。
最後に、浦和同様ホーム/アウェイの成績も見ていく。横浜FMのアウェイ戦績は6勝2分3敗。勝率は5割を超え、平均勝点でもリーグ2位の1.82と、アウェイを特別に苦手としていないチームということがわかる。なお、ホームでの平均勝点は2.30とリーグトップで、どこでも安定して強さを発揮できるのはまさにチャンピオンチームといったところだ。
■浦和優位と予想
シーズンの成績や戦力では大きな差はなく、予想は非常に困難だ。ただ、直近の成績やホームでの強さから、やや浦和にアドバンテージがあるというのが今回の見立てで、僅差のオッズとも合致する。またこの試合はJリーグ最高の攻撃力を持つ横浜FMと、最高の守備力を持つ浦和のホコタテ対決でもある。オッズ同様、ここでは浦和優位と予想してみたが、どのような結末を迎えるのだろうか。
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