フランツ・ベッケンバウアーの功績:W杯やバロンドールなどドイツのレジェンドが獲得したタイトル

Ben Miller

坂東実藍 Miran Bando

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78歳で死去したフランツ・ベッケンバウアーは、歴代最高のサッカー選手のひとりであり、ドイツの史上最高選手として記憶される開拓者だった。

2024年1月8日(日本時間9日)、家族は声明でベッケンバウアーが前日、家族に囲まれながら穏やかに亡くなったことを発表した。

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ベッケンバウアーは選手として、そして監督として、3つの国でタイトルを獲得。バロンドールを2回受賞し、指揮官としてもFIFAワールドカップを制した。「リベロ」というポジションは、彼がつくったものとして永遠に記憶されるだろう。

『スポーティングニュース』では、ベッケンバウアーが60年にわたるスポーツ界での並外れたキャリアで勝ち取ったトロフィーを振り返る。

A photo of Bayern and Germany football legend Franz Beckenbauer
(Getty Images)

フランツ・ベッケンバウアーが選手時代に獲得したタイトル

ベッケンバウアーは選手として18の主要トロフィーを獲得した。そのうち16がクラブでのタイトル。1959年に加入し、1964年にシニアデビューを飾ったドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンでのタイトルが12となっている。

バイエルンはベッケンバウアー在籍時、UEFAチャンピオンズリーグの前身チャンピオンズカップで3連覇を達成している。その1年目は、国内ブンデスリーガで3連覇を成し遂げたシーズンだ。これがベッケンバウアーにとってバイエルンでの最後のブンデスリーガ優勝だった。

バイエルン時代の最初の主要トロフィーは、1966年のDFBポカール。同じ年のワールドカップでベッケンバウアーは初めて決勝に進出したが、西ドイツはウェンブリー・スタジアムでイングランドに2-4で敗れている。

A photo of Bayern and Germany football legend Franz Beckenbauer
(Getty Images)

獲得トロフィーのうちの3つは、通算5シーズン在籍したアメリカのニューヨーク・コスモス時代のものだ。

二度にわたるコスモス在籍の間に、ベッケンバウアーはドイツに帰国し、1982年にハンブルガーSVでブンデスリーガ優勝を果たしている。

また、ベッケンバウアーは1964-1965シーズンにバイエルンでドイツ2部優勝も経験。1976年にインターコンチネンタルカップも制している。1980年から2004年まで開催された、欧州と南米のクラブが頂点を競った大会だ。

A photo of Bayern and Germany football legend Franz Beckenbauer
(Getty Images)

バイエルン・ミュンヘン

タイトル シーズン
ブンデスリーガ 1968/69, 1971/72, 1972/73, 1973/74
DFBポカール 1965/66, 1966/67, 1968/69, 1970/71
チャンピオンズカップ 1973/74, 1974/75, 1975/76
カップウィナーズカップ 1966/67

ニューヨーク・コスモス

タイトル シーズン
北米サッカーリーグ 1977, 1978, 1980

ハンブルガーSV

タイトル シーズン
ブンデスリーガ 1981/82
A photo of Bayern and Germany football legend Franz Beckenbauer
(Getty Images)

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フランツ・ベッケンバウアーのドイツ代表選手としての成績

ドイツ代表のキャプテンとして50試合を戦ったベッケンバウアーは、主将デビューを飾った翌年、代表で手にした2つの主要タイトルのひとつを勝ち取った。1972年のEURO(欧州選手権)だ。

当時の西ドイツ代表は、続く1976年大会でも決勝に勝ち進んだが、PK戦の末にチェコスロバキアに敗れた。その翌年、ベッケンバウアーは代表から引退している。

ベッケンバウアーにけん引され、西ドイツは母国開催だった1974年ワールドカップで優勝した。

Franz Beckenbauer 1990
Getty Images

フランツ・ベッケンバウアーが監督として獲得したタイトル

ベッケンバウアーは監督として4つの主要トロフィーを獲得した。その最初が、西ドイツ代表の指揮官として臨んだ1990年のワールドカップイタリア大会だ。

その翌年となる1991年、ベッケンバウアーはマルセイユを率いてフランスでリーグ優勝を果たし、新たな国でのタイトルを手に入れた。

その後、バイエルンでもタイトルを獲得し、1996年にUEFAカップを制覇。バイエルンの指揮官としてはこれがラストイヤーとなったが、1994年から2009年までクラブの会長を務め、2006年のワールドカップ招致に尽力するなど、サッカー界において大きな影響を持ち続けた。

A photo of Bayern and Germany football legend Franz Beckenbauer
(Getty Images)

西ドイツ代表

タイトル
ワールドカップ 1990

マルセイユ

タイトル シーズン
リーグアン 1990/91

バイエルン

タイトル シーズン
ブンデスリーガ 1993/94
UEFAカップ 1995/96
Franz Beckenbauer and Bobby Charlton
Getty Images

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フランツ・ベッケンバウアーが受賞したバロンドール

ベッケンバウアーはディフェンダーとして初めてサッカー界最大の個人賞を受賞した人物だ。1972年1976年に受賞しており、ディフェンダーで複数回受賞したのはベッケンバウアーしかいない。

このことが、ディフェンダーが他に勝るには特別なレベルの功績が必要とされることを示唆しているなら、ベッケンバウアーはサッカーを変えるようなスタイルでそれを成し遂げたということだ。

ベッケンバウアーはリベロという役割で、主に5バックの最も深い位置の大胆なディフェンダーとなり、先見の明あるパスや、冷静さとコントロール、テクニックを兼ね備えた魅力的なプレイで試合のペースを定めた。

ベッケンバウアー以外でバロンドールを受賞したディフェンダーは、1996年のマティアス・ザマーと2006年のファビオ・カンナバーロだけだ。

※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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Ben Miller has been writing about sport for 25 years, following all levels of football as well as boxing, MMA, athletics and tennis. He’s seen five promotions, three relegations, one World Cup winner and home games in at least three different stadiums as a result of his lifelong devotion to Brighton & Hove Albion. His main aim each week is to cover at least one game or event that does not require a last-minute rewrite.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。