【独占コラム】古巣コンサドーレ札幌の相変わらずの問題点(ジェイ・ボスロイド)

Jay Bothroyd

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サッカー元イングランド代表のフォワード(FW)で、Jリーグのジュビロ磐田と北海道コンサドーレ札幌でもプレーしたジェイ・ボスロイド氏が、最近のJリーグについて『スポーティングニュース』に独占コラムを寄稿した。4月29~30日の週末に行われるJ1第10節を前に、前年王者横浜F・マリノス、古巣北海道コンサドーレ札幌といったチームの現状を分析する。

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今季の得点王はロペスになると予想

前節で首位の神戸を下した、Jリーグ現王者の横浜F・マリノスは今週末、今度はアウェイで絶好調の名古屋グランパスと対戦する。

ヴィッセル神戸はまだ首位に立っていて、私は彼らがこのまま首位を維持すると予想している。彼らは2022年シーズンから大きな成長を見せており、エネルギーに満ちたプレーをしている。それに加え、アンドレス・イニエスタの完全復帰も待っている。

しかしマリノスは、ノエビアスタジアム神戸で0-2の劣勢から3-2での逆転勝利を収め、日本の強豪クラブであることを示した。ケビン・マスカット監督のチームは、最後まで諦めずに戦い続け、昨年のチャンピオンになった実力を残さず発揮した。

私の元チームメイトのアンデルソン・ロペスは、今季の得点王になると予想する。ここ3試合で5得点を挙げるなど、今季は9試合で7得点と絶好調だ。

多くのチャンスを作れるチームにそういう選手がいれば、必ずゴールは生まれる。マリノスのいいところは、起点がクロスでもスルーパスでも、チャンスはすべてペナルティーエリア内で生まれているところだ。先週末のロペスの2ゴールも、そうだった。

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アンデルソン・ロペスが特別な選手である理由

ロペスが典型的なストライカーでないことを考えると、彼の得点力は驚異的だ。札幌で一緒にプレーしていた時は、ドリブルもフィニッシュも上手いし、フィジカルも強いので、低い位置から持ち上がるタイプの選手だった。

マリノスには、ロペスを追い越していくウィングの選手がいて、ロペスは後から入っていく。私と一緒にプレーしたときもそうだった。私は9番で、彼はいい位置から得点を取れるポジションに入っていく。また、チーム全体への貢献度も高い。直接のアシストこそ少ないものの、多くのプレーに絡んでくる。自己犠牲の精神を持つ彼の、典型的なプレーだ。

マリノスと対戦したとき、相手がマリノスを恐れるのは、ロペスの存在があるからだ。

いろいろなタイプの監督を知るのは日本サッカー界にとって重要

また、マスカット監督はナンセンスなことに耐えられない男だ。オーストラリア代表だった現役時代もアグレッシブで、いまもその姿勢やスタイルは変わらず、チームにいい影響を与えている。彼らは自分たちを信じる結束力の強い集団なのだ。

サイドラインで声を張り上げる姿に、最初はカルチャーショックを受ける選手たちもいただろうが、いろいろなタイプの監督を知るのは、日本サッカー界にとって重要なことだ。

ジュビロ磐田に入団した当初の私は、まさにそのような感じだった。チームメートに多くを要求し、大声を出し、毎週いいパフォーマンスを発揮するようプレッシャーをかけた。札幌に行ったときも状況は同じだった。彼らは下位に沈み、苦しんでいた。

大声を出して多くを要求しすぎたために、選手を泣かせてしまったこともあった。だが、最後には結果とパフォーマンスがついてきて、選手たちにも信念が生まれたので、もう声を張り上げる必要はなくなった。

マスカット監督が毎日トレーニングで大声を出しているとは思わない。しかし、神戸戦で0-2の劣勢に立たされたときなど、十分なパフォーマンスを発揮できていないと、彼の怒りを感じることになるだろう。彼は、このような状況で選手たちを活気づける方法を知っているはずだ。優秀な監督なら、誰もがそうであるように。

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札幌の相変わらずの問題点

残念ながら、私の古巣である北海道コンサドーレ札幌には、そのようなリーダーシップが欠けているということが、日増しに明らかになってきている。アビスパ福岡戦の2-2での引き分けは、運が悪かった部分もあるかもしれないが、毎節2、3失点して、試合に勝とうなんて無理な話だ。

私はそこに苛立っている。ディフェンダーはコミュニケーション不足で、誰も舵を取ろうとしない。今季、札幌より多く失点しているのは、最下位の横浜FCだけだ。

福岡戦では札幌がポゼッションで圧倒していたが、それは数字上での話だ。ボールを保持していたのは、キーパーとディフェンダーのあたりがほとんどだった。そこでは得点は生まれない。

ハーフウェイライン付近でボールをキープしていれば、相手のディフェンスの裏にボールを入れたり、ワイドに展開したり、スルーパスを出したりすることができる。自陣クォーターでボールを回しているだけだと、敵陣に攻め込むのに、70メートル以上のパスを出さなければならない。だから相手チームは気にしない。札幌がどんなチームか知っているから、ボールを持たせてくれるのだ。

もう4年も同じことを繰り返している。札幌はルヴァンカップのサガン鳥栖戦に4-1で勝利したことで盛り上がっているが、あのカップ戦は全く意味のない大会だ。準々決勝、準決勝までは、出場機会に恵まれない選手や若手選手のためのものだ。グループステージまでは何の意味もない。私もそこに興味はない。

私が加入したときの札幌は下位にいたが、得点を挙げ、毎試合1失点以内に抑えることができたので、10位まで順位を上げることができた。チームを築き上げるための基盤があった。ディフェンスの選手たちは、守備が好きだったし、ギリギリのところで身体を投げ出してくれた。それからテクニックのある選手にパスをして、攻撃を任せる。成功するには、得点だけではなく守備もできなくてはいけないのだ。

石川直樹、河合竜二、そして、キム・ミンテがいた。守備の仕事が好きなディフェンダーたちだ。いまのミハイロ・ペトロヴィッチ監督の札幌には、その姿勢が見られない。

翻訳:早坂卓真

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Jay Bothroyd

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Jay Bothroyd is a columnist for The Sporting News, offering his expert take on the world of football. Jay enjoyed an illustrious career in England as a striker with the likes of Wolves, Cardiff City and QPR, and spent time with Perugia in Italy. He moved to Asia in 2014, where he enjoyed a goal-filled spell in the J. League with Jubilo Iwata and Hokkaido Consadole Sapporo. He has played for his country at both junior and senior level, making his full international debut for the Three Lions against France in 2010. As well as writing for TSN, Jay is an established TV pundit in the U.K.