サッカーの最多得点差試合の記録:フランスの14点差勝利は歴代何位?

Brad Cox

坂東実藍 Miran Bando

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2023年11月18日(日本時間19日)に行われたEURO2024予選のジブラルタル戦で、フランスが同国代表記録となる14-0の大勝を達成した。

前半18分に退場者を出し、10人となったジブラルタルを相手に、フランスはキリアン・エムバペがハットトリックを達成している。

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フランス代表デビューを飾ったティーンエージャーのウォーレン・ザイール・エメリも得点をあげ、2018年のワールドカップで優勝したフランスは、歴史に残る大勝を飾った。

グループBの首位ですでにEURO2024予選突破を決めていたフランスだが、ジブラルタル戦でもアクセルを緩めることはしなかった。来年の本大会で優勝候補の一角と見られている理由を示すパフォーマンスだった。

このフランスの大勝は、男子サッカーの歴史における大量得点差試合のランキングでどれほどの順位になるのだろうか。『スポーティングニュース』が、一方的な大差に終わった過去の試合を振り返る。

サッカーの最多得点差試合は?

31-0:オーストラリア対アメリカ領サモア(2001年)

2002年ワールドカップ予選、試練の時に耐えることになる運命と思われた一戦で、記録的なパフォーマンスが実現した。当時代表入りして間もなかったアーチー・トンプソンが、驚異的な13ゴールという得点記録を達成。オーストラリアがアメリカ領サモアに31-0と圧勝した。

4年前のワールドカップ予選で出場権を逃し、雪辱を期していたオーストラリアにとって、この試合は重要な一戦となった。一方、限られたリソースと経験で初めてのワールドカップ予選に臨んだアメリカ領サモアは、パスポートン問題で普段のチームの大半が出場できなかった。

この結果は、オセアニア地域における変更につながった。こういった一方的な試合になるのを透けるため、2006年ワールドカップ予選で予選ラウンドが導入されたのだ。オーストラリアはアジアサッカー連盟に加盟し、似たような水準のチームと競えるようになった。

30-0:タヒチ対クック諸島(1971年)

2位は1971年にタヒチが無失点を保ちつつ30得点をあげ、クック諸島に快勝した一戦だ。

特筆すべきは、両国がFIFAに加盟する前に行われた試合だったことだ。その後の2試合では、クック諸島がある程度の向上を見せ、16-1、15-1というスコアだった。

22-0:オーストラリア対トンガ(2001年)

信じられないことに、オーストラリア代表は2001年ワールドカップ予選の3日間で、2試合合計54ゴールを達成している。

オーストラリアがトンガに22-0で勝利したこの試合は、FIFAの集計で国際大会における最多の得失点差記録となった。そしてその2日後にオーストラリアはアメリカ領サモアと対戦。その結果は、前述のとおりだ。

21-0:北朝鮮対グアム(2005年)

北朝鮮はグアムをやすやすと下し、歴史に名を残した。

2005年の東アジアサッカー選手権で、北朝鮮はKim Kwang Hyokが7ゴールと圧倒。さらにそのほかの4選手もハットトリックを達成している。

20-0:クウェート対ブータン(2000年)

クウェートはアジアカップ予選でブータンを相手に見事なパフォーマンスを披露している。7選手がゴールを決め、バシャール・アブドゥッラーが8得点、Jasem Al-Huwaidが7得点をあげた。後半終盤にはゴールキーパーもPKを決めている。

14-0:フランス対ジブラルタル(2023年)

EURO2024予選でフランスは10人になったジブラルタルを圧倒し、フランス史上最多得点差の大勝を達成した。ドイツでの本大会への切符をすでに手に入れていたが、フランスは容赦しなかった。

フランスはエムバペが40ヤード(約37メートル)の見事なロングシュートを決めるなどハットトリックを達成。17歳のザイール・エメリが1914年以来の若さで代表デビューをゴールで飾った。前半にフランスは7選手が得点を記録している。

ジブラルタルが序盤にオウンゴールを献上し、レッドカードで退場者を出したにもかかわらず、フランスは容赦なく攻め、39本のシュートを記録した。

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男子サッカーの国際試合における歴代最多得点差試合

試合
オーストラリア 31-0 アメリカ領サモア 2001
タヒチ 30-0 クック諸島 1971
オーストラリア 22-0 トンガ 2001
北朝鮮 21-0 グアム 2005
クウェート 20-0 ブータン 2000
フランス 14-0 ジブラルタル 2023
ドイツ 13-0 サンマリノ 2006
オランダ 11-0 サンマリノ 2011
ニュージーランド 10-0 タヒチ 2004

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サッカーの最多得点差試合は?

オーストラリアがアメリカ領サモアに31点差で勝利した一戦でさえ、サッカーの最多得点差試合の公式記録には遠く及ばない。

2002年10月31日、マダガスカル1部リーグの試合で、ASアデマがSOレミルヌに149-0で勝利した。この試合が、サッカーの公式戦における最多得点差試合の公式記録と見なされている。そして149ゴールはいずれもオウンゴールだった。

ただ、これは前例がないほどに不運が重なり合った結果ではない。レミルヌは不公平と感じた前の試合の判定に対する抗議の一環として、意図的にライバルのアデマに敗れたのだ。これによりレミルヌの監督と4選手は停止処分を科され、チームのシーズン成績は没収された。それだけではない。4年後にはクラブそのものが解散。マダガスカルサッカー連盟全体が再構成された。

原文:Biggest wins in men's international football: Where does France 14-0 Gibraltar rank in all-time list?(抄訳)
翻訳:坂東実藍

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Brad is a content producer for The Sporting News and has previously worked for the likes of Squawka and The Athletic. His career highlight to date is reporting from the 2022 UEFA Champions League Final in Paris.

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フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。