新編成の日本、ベトナム相手に不安残す引き分け|サッカーW杯アジア最終予選

神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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3月29日、FIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)カタール2022アジア最終予選のベトナム代表戦が、埼玉県の埼玉スタジアム2002で行われ、日本代表"SAMURAI BLUE"は、1-1で引き分けた。先発メンバーを大幅に変えて臨んだ試合で前半に1点を奪われた日本は、後半に主将・DF吉田麻也が同点弾を押し込むも、追加点を奪えぬまま試合終了となり、不安を残す結果となった。

24日のオーストラリア代表戦に勝利し、すでにカタール行きを決めている森保ジャパンは、帰国後にコロナ陽性者も1名が出たものの、ほかの選手は全員陰性で、この日を迎えた。コンディション調整名目でDF板倉滉、MF遠藤航が離脱したが、追加招集せず、これまで出場機会が乏しかった選手を積極的に先発起用し、「総合力を示す」としていた。

予想通り、先発メンバーにはオーストラリア戦で一躍中心人物となったMF三笘薫や、MF久保建英、MF旗手怜央、FWには上田綺世が並んだが、GKには39歳の川島永嗣が選ばれ、ネット上では賛否両論となった。

三苫は度々決定機をつくり、上田も敵陣に切り込んでプレッシャーをかけたが、ベトナムは前半19分、左CKからグエン・コン・フォンのクロスを受けたグエン・タイン・ビンがヘディングシュートを放つと、川島の手をかすめてゴールネットを揺らすことに。その後も久保が徹底的にマークされるなど、ベトナムの守備に日本が翻弄されたまま前半終了となった。

立て直しを図る日本は、後半スタートとともに旗手をMF伊東純也に入れ替え、攻撃のリズムをあげる。後半5分には久保が後方に戻したボールをMF柴崎岳が拾い、左足でゴールを狙うも相手GKチャン・グエン・マインに阻止された。

日本はいい流れを失わず、後半9分、三苫からつないだ原口元気のシュートは相手GKに弾かれても、好位置につけたキャプテン吉田がこぼれ球を押し込んで同点弾を決めた。

後半16分には、柴崎からMF田中碧、久保からMF南野拓実、原口からMF守田英正に変更。MF陣を入れ替えた日本は度々ゴールを狙うが、後半25分、上田のシュートが南野に当たってこぼれたところを、田中が見逃さずに左足で蹴り込み、相手ゴールに突き刺した。

ところが、南野のハンドが疑われると、オンフィールドレビューでの映像チェックでそれが確認され、田中のゴールは取り消しとなった。日本はここから複数シュートを放つも、いずれも追加点につながらない。アディショナルタイムは6分となったが、両チーム得点は得られず、1-1の引き分けで試合終了。

試合後、吉田は勝って終わりたかったが、メンバー変更による「チグハグ感が出ることも予想していた」とし、6月の国際Aマッチに向けて課題が見えたと話した。しかし、オーストラリア戦と打って変わってアディショナルタイムでシュートチャンスをつくれないなど、グループB最下位のベトナム相手の消化試合で新戦力の総合力を示すどころか、決定力不足を露呈してしまった。森保一監督はその点を認識し、「勝つ力をつけることが課題」と振り返ったが、W杯本大会への不安を残す試合となった。

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神宮泰暁 Yasuaki Shingu

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日本編集部所属。ボクシング・格闘技担当編集者。