欧州サッカーの2023/24シーズン開幕に向けて、各クラブがツアーやプレシーズンマッチを行なっている。ここでは日本で行われる川崎フロンターレ vs FCバイエルン・ミュンヘンをピックアップ。調整が目的の試合ではあるものの、あえて勝敗を予想してみる。
■超名門に挑む川崎F
「スカパー!ブンデスリーガジャパンツアー2023 Audi Football Summit」と銘打たれて行われる川崎F vs バイエルン。練習見学や選手との交流も含まれた「満喫プラン」という観戦チケットが500,000円に設定されるなど、興行としての意味合いも強い試合だ。
川崎Fにとってはシーズン真っ只中、J1リーグの中断期間に行われる試合となる。この試合から4日後に天皇杯のラウンド16を控えているため、フルメンバーを90分間起用し続けることは想像し難い。一方で、天皇杯から中3日でJ1第22節ガンバ大阪もあるため、リーグ戦1週間前にあたるこのバイエルン戦である程度、主力にプレータイムを与えることも考えられる。
過去の例を参考にしてみよう。鬼木達監督体制において、今回のようにヨーロッパの強豪と対戦したケースは以下の2試合だ。試合結果と、スターティングイレブンを列挙する。
▼2022年07月20日
川崎F 1-2 パリ・サンジェルマン
- チョン ソンリョン
- 佐々木 旭
- ジェジエウ
- 車屋 紳太郎
- 登里 享平
- 橘田 健人
- 遠野 大弥
- チャナティップ
- 家長 昭博
- マルシーニョ
- レアンドロ ダミアン
▼2019年07月19日
川崎F 1-0 チェルシー
- チョン ソンリョン
- 守田 英正
- ジェジエウ
- 谷口 彰悟
- 登里 享平
- 田中 碧
- 下田 北斗
- 家長 昭博
- 齋藤 学
- 阿部 浩之
- 小林 悠
前後のスケジュールなど、単純な比較はできないが、少なくともほぼフルに近いメンバーをぶつけるのが鬼木監督のここまでのスタイル。また、経験豊富なベテランを中心に、ハーフタイムで大きく選手を入れ替えることも共通している。バイエルン戦も、前半は主力を起用すると予想していいだろう。
川崎Fは現在、リーグ戦で7位につける。昨シーズンに2位と、チャンピオンに肉薄したチームからすると物足りない成績にも映るが、現在は直近3試合で2勝1分け。その中には首位を走る横浜F・マリノスからの勝利、2位のヴィッセル神戸との引き分けも含まれる。状態はかなりいいと言って問題ないだろう。
実力差があることは間違いない。ただ、好調なレギュラークラスが出てくるとなると、前半はコンディションの差を考慮して川崎Fを優位と見てもいいのではないだろうか。参考になるのは、7月23日に行われた横浜FMとマンチェスター・シティの試合。ほぼフルメンバーで臨んだ横浜FMは、昨シーズンに3冠を達成した王者を相手に前半を2-2で折り返した。
アーリング・ハーランド、ロドリらを投入した後半は、マンチェスター・シティが力の差を見せつけ、最終的には3-5で横浜FMが敗れた。川崎Fも同様に、前半はリードもしくは拮抗した展開を演じ、メンバーを落とした後半に流れを持っていかれる試合が想定できる。
■ドイツ王者は過密日程
バイエルンの状況も見ていこう。バイエルンはブンデスリーガで11連覇中とドイツ最強のチーム。マヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラーという2人の主力がメンバーから外れたものの、ほとんどの選手が来日メンバーに名を連ねた。世界でもトップクラスの選手が集まり、選手個々のクオリティーでは川崎Fを大きく引き離す。
ボランチで世界最高の選手の1人に数えられるヨズア・キミッヒ、10番を背負うリロイ・ザネ、弱冠20歳でドイツの至宝とも呼ばれるジャマル・ムシアラらが注目選手。川崎Fの施設を訪れ、「謎の練習生」としてトレーニングを行ったセルジュ・ニャブリもスター選手の1人だ。
バイエルンは26日、国立競技場でマンチェスター・シティと親善試合を実施。この試合は同会場の最多入場者記録を更新する65,049人が集まるなど、大きな注目を集めた。結果は1-2でバイエルンの黒星。トーマス・トゥヘル監督は前半にベストメンバーを送り出し、ハーフタイムで11人全員を交代させ、ほぼすべての選手にプレータイムを与えた。まだまだ試運転といった段階だろうか。
川崎Fとの試合は中2日で迎えることになる。高温多湿という日本の気候に慣れたことは大きなポジティブ要素。ただし、出場時間が短かったとしても、この日程では疲労が抜けきらない可能性が高い。コンディションという点では、やはり川崎Fに分があると見るのが妥当だろう。
なお、バイエルンのプレシーズンマッチは川崎F戦が3試合目。この後はシンガポールでのリバプール戦、ドイツに戻ってモナコとの対戦を経て、最初の公式戦となるスーパーカップのライプツィヒ戦を迎える。マンチェスター・シティ戦の起用法を見ると、現状はゲームレベルの強度に慣らすことを優先しているように見える。プレシーズン後半は90分戦えるかの確認、戦術の確認というタスクもあるため、この川崎F戦では一段と調整レベルを上げて、主力組に長いプレータイムを与える可能性も高そうだ。
■バイエルンの勝利を予想
プレシーズンマッチはコンディショニングや戦術のトライ、若手選手のアピールといった側面が強く、勝敗は最大の目的ではない。あえて勝敗を予想するなら、勝者はバイエルンになると考える。最大のポイントは両者の実力差だ。
ただし、ここまで見てきたように、コンディションはシーズン中の川崎Fにある。これまでの起用法から主力級を投入する可能性も高そうで、前半は拮抗した展開になるのではないだろうか。試合が動くのはメンバーを入れ替えた後半と予想。チーム全体の総合力で上回るバイエルンが、ここで一気に突き放す展開となるか。
すでに触れたとおり、横浜FMはマンチェスター・シティに敗れた。横浜FMと川崎F、マンチェスター・シティとバイエルンは実力差が近いため、この構図をそのまま当てはめても的外れではないはず。欧州の一線級で戦うチーム、選手たちの凄みを存分に味わえる試合になるだろう。
注目の一戦は7月29日19時にキックオフだ。
■放送予定
- ABEMA(ライブ配信)
- BS11/BS11+(ディレイ放送/アーカイブ配信)
- スポーツライブ+(ディレイ放送/アーカイブ配信)
- スカパー!番組配信(ディレイ放送/アーカイブ配信)
- SPOOX(ディレイ放送/アーカイブ配信)
- スカパー!SOCCERアプリ(ディレイ放送/アーカイブ配信)
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