ワールドカップ優勝国に『販売禁止ビール』…カタールの決定を受けてバドワイザー社が発表した苦肉の策

Jacob Camenker

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2022年のFIFAワールドカップ・カタールに出場している国々は、すでに多くを懸けて競っている。だが、大会開幕を前に、バドワイザー社はさらなるボーナスを加えた。

当初、大会期間中に同社がスタジアムで販売する予定だったビールが、ワールドカップの優勝国に提供されることになったのだ。開幕前日の11月19日、バドワイザー社が発表している。

バドワイザー社の決定は、ワールドカップ期間中のスタジアムにおけるビール販売をカタールが土壇場で禁止したことを受けてのものだ。

カタールにはアルコール販売と公共の場での飲酒に関する厳格な法律がある。それでも、FIFAとカタールは当初、大会でバドワイザー社のビールを販売することで合意していたようだった。

しかし、ホスト国が大会前夜にそれを覆した。各スタジアムでほとんどのファンにビールの代わりに販売されるのは、バドワイザー社のノンアルコールビール『Bud Zero』だ。

アルコール飲料を購入できるのは、ホスピタリティ・プログラムを購入したファンのみとなる。最低でも950ドル(約13万2000円/1ドル=139円換算、以下同)がかかり、『The Times』はスイートなら2万2600ドル(約314万1400円)と報じた。

FIFAの決定に対し、バドワイザー社は当初、シンプルに「まあ、これは困惑だ…」とツイートした。その後、投稿は削除されている。

だが、同社のオーナーであるABインベブは、優勝国がビールというボーナスを得るという、より良い解決策に至ったようだ。

ただそれでも、バドワイザー社にとって理想的な状況ではない。カタール政府との取引をまとめることができなかったFIFAに、同社は満足できないだろう。ワールドカップの主要なビールスポンサーとして、バドワイザー社は4年間で最大7500万ドル(約104億2500万円)を支払っていると見られる。

にもかかわらず、『The Guardian』によると、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、この状況が「我々をより一層親密にした」と説明している。

各スタジアムにおけるビール販売禁止について、FIFAは声明で「大会主催者はABインベブの理解と、2022年FIFAカタール・ワールドカップですべての人に飲食を提供するための我々の共同の取り組みへの継続的支援に感謝します」と発表した。

FIFAが関係修復を目指すうえで、バドワイザー社がFIFAに支払った7500万ドルが返金されるのかは、現時点では不明だ。

いずれにしても、バドワイザー社の決定は、ワールドカップ優勝チームにとって、賞金4200万ドル(約58億3800万円)に加わるインセンティブとなった。

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Jacob Camenker

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Jacob Camenker first joined The Sporting News as a fantasy football intern in 2018 after his graduation from UMass. He became a full-time employee with TSN in 2021 and now serves as a senior content producer with a particular focus on the NFL. Jacob worked at NBC Sports Boston as a content producer from 2019 to 2021. He is an avid fan of the NFL Draft and ranked 10th in FantasyPros’ Mock Draft Accuracy metric in both 2021 and 2022.