【3点解説】圧倒的な西武打線でも届かない記録とは?

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北海道日本ハムファイターズとの開幕戦を11-2と大勝し、そこから8連勝をマークした埼玉西武ライオンズ。「山賊打線」はもちろんのこと、投手陣も菊池雄星、多和田真三郎らが結果を残し、ゴールデンウィークを終えた現時点で首位をキープしている。そのなかでも目につくのは、やはり圧倒的な攻撃力だろう。

★ポイント1:リーグトップの212得点

36試合終了時点で西武の「山賊打線」が奪った得点は「212」。これは12球団トップの数字だ。また、パシフィック・リーグで見ると2位の福岡ソフトバンクホークス(154得点)に58点差。さらには、最下位の東北楽天ゴールデンイーグルス(111得点)のおよそ倍でもある。

これは1試合平均にすると5.9得点となり、昨シーズンの平均得点4.8を1点以上も底上げした格好だ。また、143試合換算すると842得点となるが、これは2003年の福岡ダイエーホークス(822得点)を上回るパシフィック・リーグ記録となる。

★ポイント2:意外にも本塁打数はリーグ3位

圧倒的な攻撃力と聞くと本塁打攻勢が頭に浮かぶ。今シーズンの西武を見ても、山川穂高がリーグトップの12本塁打、浅村栄斗が同じく4位タイの9本塁打と一発を放つ選手はいる。しかし、チーム全体で見ると37本塁打となっており、リーグ3位。けっして一発頼みの打線ではないことが分かるだろう。

最多安打タイの秋山翔吾をはじめ、安打ランキングベスト10に6人の選手が名を連ねるほど多くの安打を放ち、打線の繋がりで得点を奪っているのだ。

★ポイント3:史上最多得点は1950年松竹の「908」

これだけ圧倒的な得点力を誇る「山賊打線」ではあるが、シーズンにおける最多得点のプロ野球記録には届かない。2017年終了時点でのプロ野球記録は、2リーグ制元年でもある1950年に松竹ロビンズによって記録された908得点だ。

この年の松竹は137試合で98勝35敗4分の成績を残し、セントラル・リーグを制覇する。98勝は現在でもセ・リーグの最多勝利記錄でもある。そのチームを支えたのが、二冠王である小鶴誠を中心とした「水爆打線」だった。2018年の現在とボールや戦術などの時代背景が違うとはいえ、指名打者制も採用されておらず、投手が打席に入っている中でのこの数字は圧倒的だ。

特に小鶴は打率.355、51本塁打、161打点の成績を残し本塁打、打点の二冠王を獲得。リーグMVPも受賞する大活躍だった。この161打点も2017年終了時点においてプロ野球記録となっている。

5月8日、9日のソフトバンク戦で2試合連続完封負けを喫するなど、やや調子の下降が見られる山賊打線。プロ野球界では「打線は水もの」とよく言われるが、ここからどのような攻撃を見せてくれるのだろうか。チーム得点のリーグ記録、そしてプロ野球更新に期待したい。その先には10年ぶりのリーグ制覇、そして日本一があるはずだ。