高卒1年目で独立Lからプロ入りした新星・伊藤翔は、菊池の後継者となれるか

Satoshi Katsuta

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新人ながら10年ぶりの優勝に貢献

西武ライオンズの10年ぶりとなるパ・リーグ制覇に貢献した新人がいる。

ドラフト3位で入団した伊藤翔は、新人ながら3勝を挙げ、防御率は2.73と上々の活躍を残した。

春季キャンプでは一軍候補のメンバーが入るA班に抜擢され、その後のオープン戦でも5試合に登板。7.2回を投げ失ったのはわずかに1点だった。一軍デビューとなった4月11日のロッテ戦では、1回を無失点に抑える好投を披露している。また、自身にとってシーズン最終登板となった10月4日のロッテ戦では初めて先発のマウンドに上がると、6回途中3失点で先発初白星。来シーズン以降は、先発としての起用も考えられそうだ。

 

【伊藤翔・今シーズン成績】

16試合/3勝0敗/26.1回/奪三振13/与四球9/防御率2.73

 

プロで活躍する夢を見据えて、高卒で独立リーグ入り

プロとして絶好のスタートを切った伊藤。しかし、この世界にすんなりと入れたわけではない。

伊藤は横芝敬愛高時代の2016年にプロ志望届を提出するも、どの球団からも指名は得られなかった。大学進学や社会人チームへの入部の選択肢もあった中、選んだのは四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスへの入団だった。

徳島では高卒1年目ながらフル回転。16試合で8勝4敗・防御率2.18の結果を残し、リーグ優勝に大きく貢献した。同リーグでのチャンピオンシップ、独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップでも好投し、MVPに輝いた。

そうした活躍が認められ、翌年のドラフトで西武への入団に至っている。伊藤が進学していたら、あるいは社会人のチームに入部していたら、ドラフト解禁はまだ先のことだった。高卒で独立リーグの門を叩いたからこそ、高卒1年目でプロ入りの夢を叶えることができたのだ。

 

伊藤は菊池雄星の後継者になれるか

西武では、エース・菊池雄星がポスティングによるMLB移籍の意志を表明した。新たなエース候補の登場が待たれる中、伊藤はその一人として大きな期待がかかっている。

だが、チームには十亀剣・今井達也・高橋光成といった過去のドラフト1位投手や、そして即戦力候補の2018年ドラフト1位・松本航(日体大)ら有望なライバルがひしめている。また、新外国人選手の獲得もあるかもしれない。

はたして伊藤は先発ローテーション争いに勝ち残ることができるだろうか。その投球に注目したい。

※数字は2018年シーズン終了時点


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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。