【開幕投手達の1カ月】菅野智之は復調! 菊池雄星が5連勝!

Satoshi Katsuta

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先発投手にとっては、栄誉のひとつでもある開幕投手。監督をはじめとした首脳陣からは、ローテーションの柱として期待されており、その成績がチームの順位に直結することも多い。さて、今シーズン開幕投手を任された12人の投手たちは1カ月でどのような成績を残しているのだろうか。

◎巨人・菅野智之は2連敗から立て直し3連勝

セントラル・リーグから見ていこう。順当な顔ぶれとなったセ・リーグの開幕投手だが、ここまで横浜DeNAベイスターズの石田健大を除き全員が5試合に登板している。そのなかで唯一、4勝をマークしているのが、阪神タイガースのランディ・メッセンジャーだ。

4年連続5度目の開幕投手となったメッセンジャー。開幕戦は読売ジャイアンツの菅野智之との投げ合いだった。序盤に味方打線が菅野を打ち崩し、4点の援護をもらうと安定した投球を見せ、7回1失点で白星をマークした。3戦目に暴言を吐き途中退場となったものの、その他の試合では全てクオリティー・スタートを達成。さすがの投球でチームを引っ張っている。

そのメッセンジャーと投げ合った菅野は、2戦連続で5失点を喫し心配されていた。しかし、それ以降の3戦で立て直し3連勝。さすがは日本のエースと言ったところだろうか。チームも波に乗っており、勢いを持続させていきたい。

来日2年目で大役を任された東京ヤクルトスワローズのデービッド・ブキャナン。ここまで2勝1敗と勝ち星が伸びないものの、防御率は1点台をキープしている。戦列を離れている小川泰弘が戻ってくるまでエースとしてチームを支えたい。

横浜DeNAベイスターズの石田健大は2連敗スタートとなり暗雲立ちこめた。その後日程の関係で一度抹消されたが、既に復帰し好投を見せている。チームが好調なだけに勢いに乗りたいところ。

心配なのが広島東洋カープの野村祐輔、中日ドラゴンズの小笠原慎之介だ。ここまで両投手ともに防御率5点台とエースらしい投球を見せることができていない。野村は背中の筋挫傷で登録をを抹消されており、復帰後に戦力となりたいところだ。小笠原は高卒3年目とこれからの中日を背負っていくことが期待されている。4月30日にはチームメートの松坂大輔が、12年ぶりに日本で勝利を挙げた。大先輩から学びを得て重圧に負けずローテーションを守りたいところだ。

【2018年開幕投手ここまでの成績】
<セントラル・リーグ>
広島:野村祐輔
5試合/2勝1敗/29回/9奪三振/防御率5.59

阪神:ランディ・メッセンジャー
5試合/4勝1敗/29.2回/28奪三振/防御率1.82

DeNA:石田健大
4試合/1勝2敗/23回/27奪三振/防御率3.13

巨人:菅野智之
5試合/3勝2敗/39回/32奪三振/防御率2.77

中日:小笠原慎之介
5試合/1勝2敗/32.2回/27奪三振/防御率5.79

ヤクルト:デービッド・ブキャナン
5試合/2勝1敗/35回/24奪三振/防御率1.80

◎西武・菊池雄星が5戦5勝の球団記録

開幕から絶好調の埼玉西武ライオンズ。その投手陣を引っ張るのが菊池雄星だ。開幕戦から5連勝を飾り、登板は全て白星。球団史上初となる開幕投手からの5戦5勝をマークしている。強力打線が注目されるが、この菊池と多和田真三郎のふたりで10戦10勝。貯金10を稼ぎ出している事実を忘れてはいけない。

その他に好投を続けているのが、オリックス・バファローズの西勇輝、千葉ロッテマリーンズの涌井秀章だ。西は2勝3敗、涌井は2勝2敗と貯金こそないが、安定した投球を見せている。防御率もともに2点台と順調な1カ月を過ごしたと言えるだろう。白星は打線の調子、相手投手に左右される部分が多い。自身の投球を続けていれば自ずと結果はついてくるだろう。

東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大は35奪三振で現時点において菊池とともに奪三振はトップ。しかし、2度の6失点があるなど出入りが激しい。悪いときに悪いなりの投球を見せ結果に結びつけたいところ。チームが低迷しているだけに、則本にかかる期待は大きい。

福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大は、2試合に登板した後に右ヒジの違和感で登録を抹消されている。中継ぎ陣の離脱も多いだけに復帰が待たれている。

北海道日本ハムファイターズの新外国人選手であるブライアン・ロドリゲス。開幕戦で3回途中8失点でノックアウトされるとそのまま登録抹消となった。4月30日に再登録され2度目の登板を果たしたが、3回4失点とまたしても結果を残すことはできなかった。

セ・パ両リーグの開幕投手を見ると順調と言えるのはメッセンジャー、ブキャナン、菊池、西、涌井そして復調した菅野の6人だろうか。しかし、まだシーズンは120試合近く残っている。ここから、交流戦、夏場と超えなくてはならない山場は多い。開幕投手たちがベストパフォーマンスでチームを引っ張ってくれることに期待したい。

【2018年開幕投手ここまでの成績】
<パシフィック・リーグ>

ソフトバンク:千賀滉大
2試合/0勝1敗/10.2回/15奪三振/防御率5.06

西武:菊池雄星
5試合/5勝0敗/35回/35奪三振/防御率3.34

楽天:則本昂大
5試合/2勝2敗/36.1回/35奪三振/防御率3.96

オリックス:西勇輝
5試合/2勝3敗/35回/31奪三振/防御率2.06

日本ハム:ブライアン・ロドリゲス
2試合/0勝2敗/5.1回/3奪三振/防御率20.25

ロッテ:涌井秀章
5試合/2勝2敗/34.2回/26奪三振/防御率2.60


※数字は2018年4月30日終了時点

Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。