4年に一度開催されるラグビーワールドカップ。2023年大会はフランスを舞台に、9月8日から10月28日にかけて行われる。今大会への切符をつかんだ20チームの中には、男子日本代表・BRAVE BLOSSOMSも含まれている。
ここでは海外ブックメーカーのオッズを参考にしながら優勝国を予想。まずは優勝国のオッズを紹介し、その後に各国の状況を掘り下げていきたい。
■優勝オッズを確認
まずは優勝国予想のオッズを見ていこう。『遊雅堂』が発表しているオッズによると、9月4日現在で大本命と見られているのはニュージーランド。次いで開催国のフランス、南アフリカが僅差で続いている。トップ10、および日本のオッズは以下のとおりだ。
- 3.75 ニュージーランド
- 4.00 フランス
- 4.33 南アフリカ
- 5.50 アイルランド
- 12.00 オーストラリア
- 15.00 イングランド
- 23.00 アルゼンチン
- 41.00 ウェールズ
- 41.00 スコットランド
- 81.00 フィジー
- （参考）301.00 日本
ニュージーランド、フランス、南アフリカ、そしてアイルランドが突出していることが一目でわかる。基本的には、この4カ国が優勝を争う軸になると見ていいだろう。ただし、この4チームはすべてプールAかBに配されているため、準々決勝や準決勝でぶつかることになる。決勝にいけるのは、この4カ国のうち1チームだけだ。
また、直近の4大会はニュージーランドと南アフリカが頂点を分け合ってきた。ともに最多のワールドカップ優勝3度を誇る。特に南アフリカは初の連覇達成が懸かるという状況。この2チームは経験という意味でも、少し抜けた存在と見ることができる。
ここからは各チームの状況などを見ていきながら、優勝国を予想していく。
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■ニュージーランド
愛称は「オールブラックス」。試合前のハカと合わせて、世界中にラグビー最強国として知られているチームだ。
ワールドカップでは1987年の第1回大会で優勝し、2011年、2015年と連覇を達成。1995年は準優勝と、決勝進出回数も最多タイの4回を誇る。3連覇を狙った前回大会は準決勝でイングランドに敗れ、3位決定戦へ。ウェールズを下し、3位という結果で終えた。
2022年は稀に見る不調に陥り、7月のアイルランドとの3連戦で2連敗。南アフリカやアルゼンチンとの2連戦にもそれぞれ1勝1敗と精細を欠き、6試合で2勝4敗という結果に終わった。それにともない、世界ランキング1位の座からも陥落。史上最低の5位まで落ち込んだ。
しかし、2023年の成績は打って変わって好調そのものだ。南アフリカ、アルゼンチン、オーストラリアと南半球の4カ国で争うザ・ラグビーチャンピオンシップでは、3戦全勝で優勝。最大のライバルである南アフリカには35-20で勝利した。
8月5日に行われたオーストラリアとの再戦でも、23-20で勝利。唯一の土をつけられたのは、ワールドカップ最後のテストマッチとなった南アフリカ戦。今夏2度目となる25日の試合では、7-35と大差をつけられた。これがどのように影響してくるか。なお、9月4日発表の世界ランキングは4位となっている。
オッズが示しているとおり、今大会の優勝候補筆頭と見ていいだろう。ただし、今大会のオープニングゲームでオッズ2番手のフランスと対戦。ここが今大会を占う試金石となりそうだ。また、決勝トーナメントでは準々決勝や準決勝で南アフリカやアイルランド、準決勝で再びフランスと相見える可能性がある。厳しい道のりであることは間違いないが、それを乗り越えるだけの実力がニュージーランドにはあるはずだ。
■フランス
2007年大会に続き、開催国として2度目のワールドカップを迎えるフランス。これまでの最高成績は3度の準優勝となっており、今大会で悲願の初優勝を目指す。世界ランキングは3位だ。
2023年前半はヨーロッパの強豪6カ国で争うシックスネイションズチャンピオンシップで準優勝。スコットランド、イングランド、ウェールズ、イタリアを下したが、全勝優勝を飾ったアイルランドに19-32で敗れた。今夏のテストマッチではスコットランドに1勝1敗。その後はフィジーに34-17、オーストラリアに41-17の勝利を収めている。
ワールドカップのプール戦ではニュージーランドと首位を争う展開になりそうだ。ニュージーランドと同様に、両雄がぶつかる初戦が今大会を占うことになりそう。首位だとしても、2位だとしても、プールを抜ければ準々決勝で対戦するのはアイルランドか南アフリカが濃厚。準々決勝、準決勝の2試合が正念場になる。アイルランドとの直接対決の結果も踏まえて、優勝予想では3番手としたい。
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■南アフリカ
ニュージーランドと並んで最多タイとなる3度のワールドカップ優勝を誇る南アフリカ。「スプリングボクス」の愛称でも知られており、今大会ではディフェンディングチャンピオンとして連覇を目指す。
2023年の国際試合は7勝1敗と、絶好調で本大会に乗り込む。強豪国との対戦では、ザ・ラグビーチャンピオンシップでニュージーランドに20-35の黒星を喫した。しかし、ワールドカップ前最後のテストマッチとなった同国とのリターンマッチは35-7の圧勝。世界ランキング2位で本大会を迎える。
世界ランキング1位のアイルランドと同じプールに入っており、両者が首位突破を争う展開が予想される。アイルランドとは準決勝で対戦する可能性があるため、プール戦での対戦でいい感触をつかんでおきたいところだろう。準々決勝で対戦が濃厚なのはニュージーランドかフランス。ニュージーランドは2022年8月上旬に2戦して1勝1敗、11月に対戦したフランスには26-30で敗れている。2023年の好調ぶりから、優勝予想では2番手とする。
■アイルランド
現在の世界ランキング1位。アイルランド共和国、北アイルランドの選手たちで構成されるチームだ。ワールドカップ優勝経験はなく、最高成績はベスト8。しかし、過去7度阻まれたベスト4の壁を破ることはもちろん、優勝も狙えるチームに仕上がっている。
その証拠に、アイルランドは現在テストマッチ13連勝中。2023年はシックスネイションズチャンピオンシップで全勝優勝し、優勝候補のフランスには32-19の快勝を飾った。8月のテストマッチではトップクラスの強豪国とは対戦していないが、2022年にはニュージーランドに2勝1敗と勝ち越し、南アフリカには19-16、オーストラリアには13-10と南半球の強豪国を下した。
いま最も勢いに乗っているのがアイルランド。ここまで見てきた優勝候補と、直近の対戦で勝利していることは同国にとって大きいだろう。ただし、懸念すべきはワールドカップ本大会での経験値。一発勝負の決勝トーナメントを勝ち上がる経験は、ニュージーランドや南アフリカ、フランスと比べて劣る。過去最高成績がベスト8という点も踏まえて、ここでは優勝予想の4番手としたい。
■放送予定
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