ラグビーのルールは実は簡単! 4つの原則と基礎知識だけで楽しめる!

Sporting News Japan Staff

及川卓磨 Takuma Oikawa

小座野容斉 Yosei Kozano

ラグビーのルールは実は簡単! 4つの原則と基礎知識だけで楽しめる! image

史上初となる日本でのワールドカップが開催から早4年が経ち、2023年の大会が9月上旬から始まった。日本代表選手の活躍もさることながら、ラグビー自体の面白さと熱さに興味を持った方も多いのではないだろうか。

ラグビーの基本ルールを知っておくと、さらに観戦が楽しくなる。ここでは、初心者でも分かりやすく原則とルールをまとめたので、ぜひ参考にしてもらいたい。

【目次】

  1. ラグビールールの4つの原則・5つの基礎知識
  2. ①ラグビーの試合形式
  3. ②ポジション
  4. ③セットプレー
  5. ④モールとラック|スクラムとの違い
  6. ⑤ラグビーの反則
  7. ラグビーのルールは4つの原則から覚えよう!

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

🏉ラグビールールの4つの原則

ラグビーの原則

ラグビーのルールを説明する前に、大前提となる4つの原則を紹介する。以下の原則が守られていないときは「反則」と判断され、レフリーによって試合が中断されることがある。

ラグビールールの4つの原則

  1. 危険なプレーをしないこと
  2. 常に、ボールを奪い合う状況を作っていること
  3. 常に、立った状態でプレーをすること
  4. ボール(ボールを持っている人)が先頭にあるようにすること

1. 危険なプレーをしないこと

ラグビーは敵と味方が接触しながらプレーが続くため、危険がつきまとう。ジャンプをしているときや無防備な状態のときにタックルを受けたり、首や腕などの細い部分を狙って攻撃したりすることは危険なプレーとみなされ、反則とジャッジされる。

2. 常にボールを奪い合う状況を作ること

ラグビーはフェア精神に則っておこなうスポーツのため、常に両チームがボールを奪える状態にしておかなくてはいけない。ボールを隠したり抱え込んだりすることは、相手側にボールを奪わせないアンフェアな行為とみなされる。

3. 常に立った状態でプレーをすること

ラグビーは接近戦のため、タックルを受けて地面に倒れることもある。しかし、原則として、寝転がった状態ではプレーをしてはいけない。つまり、寝転がったままボールを奪ったりボールを投げたりすることは、ラグビーにおいては反則行為となる。

4. 常にボール(ボールを持った選手)が先頭

ラグビーでは、ボール(ボールを持った選手)が常に先頭になくてはならない。たとえば、ボールを持った選手が自分の体よりも前にボールを投げたり落としたりすることは禁じられている。

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

✅ラグビールールの5つの基礎知識

ラグビーのルールは、これら4つの原則の上に成り立っている。そして、そのルールを構成している基礎知識は以下の5つだ。

ラグビーのルールを構成する5つのポイント

  • 試合形式
  • ポジション
  • セットプレー
  • モールとラック
  • 反則

次の項から、5つのポイントを深堀りして紹介する。

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

①ラグビーの試合形式ルール

ラグビーの試合形式

まずは、ラグビーの試合形式について見ていこう。基本中の基本として、試合の人数と試合時間、得点の入り方、フィールドの広さを紹介する。

1試合の人数

ラグビー競技は1種類ではない。1チーム15人制の「ユニオン」、13人制の「リーグ」、7人制の「セブンス」などがある。日本の高校や大学、トップリーグの『リーグワン』で行われているのは、15人制ラグビー。2019年や2023年に開催されているワールドカップも15人制となる。

15人制では、交代要員が8人まで登録できる。つまり、1試合で、最大23人の選手を登録することができる。なお、通常は一度交代した選手は再度同じ試合に出場することができないが、すべての交代要員を使い切った後にフィールド上の選手が流血したときは、止血できるまで一度交代した選手を出場させることができる。

試合時間

ラグビーは前半40分、10分のハーフタイムをはさんで後半40分で試合がおこなわれる。ただし、前半・後半それぞれに5分以内のロスタイムが加算されるため、試合の時間はほぼ90分になる。

得点

ラグビーでは、得点は「トライ」と「キック」の2つの方法で入れることができる。トライとは相手チームのインゴールにボールを接地することで、キックは蹴ったボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えること。なお、トライは常に5点としてカウントされるが、キックは状況によって2点もしくは3点となる。

得点の種類は4つ

①トライ :得点数は5点。相手チームのインゴールの地面にボールを付けることで得点が成立する。

②コンバージョンゴール :得点数は2点。トライ成立後におこなうコンバージョンキックで、ボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えると得点となる。蹴るボールを置く位置は、トライの地点で決まるため、できるだけゴール中央にトライしたほうが蹴りやすくなる。

なお、レフリーが「相手側の反則がなければトライが成立していた」と判断したときには、反則をされたチームにトライが認められる。これを「認定トライ」と呼ぶ。認定トライでは、通常のトライと異なりコンバージョンキックは行われず、自動的に2点が加算される。通常のトライは、5点にとどまるケースもあるが、認定トライは7点が入る。

③ペナルティゴール :得点数は3点。反則行為を受けた際にその地点からキックをおこない、ボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを越えると得点が成立する。

④ドロップゴール :得点数は3点。得点数は3点。試合中に地面にワンバウンドさせたボールを蹴り、ボールが相手チームのゴールポストのクロスバーを超えると得点が成立する。

フィールドの広さ

ラグビーのフィールドの広さは、厳密には決まっていない。15人制ラグビーでは、自陣のゴールラインから相手チームのゴールラインまでの距離が94~100メートル、ゴールラインからデッドラインまでの距離(インゴールの奥行)は6~22メートル、フィールドの幅は68~70メートルである。

一方、ゴールポストについては、左右のポストの間は5.6メートル、地面からクロスバーまでの高さは3メートルと正確に定められている。ただし、ゴールポスト自体の高さは3.4メートル以上であれば問題はない。

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

②ポジションのルール

ラグビーのポジション

15人制ラグビーでは、ポジションは8人のフォワード(FW)と7人のバックス(BK)に大きく分かれている。フォワードは先頭からフロントロー3人・セカンドロー2人・バックロー3人の3列に分かれ、バックスはハーフバックス2人・スリークォーターバックス4人・フルバック1人に分かれている。

フォワードのポジション

フロントロー

  • プロップ(PR):スクラムなどで最前列の左右に陣取る。左プロップは背番号1、右プロップは背番号3
  • フッカー(HO):最前列の中央に位置する。背番号は2。ラインアウトではボールを投げ込む役割(スローワー)も担う。

セカンドロー

  • ロック(LO):2m級の長身選手がそろうポジション。スクラムではフロントローを後ろから固め、ラインアウトではジャンパーとしてボールを奪う。左ロックは背番号4、右ロックは背番号5

バックロー

  • フランカー(FL):片肩だけでスクラムを組み、常に走れる状態を保つ。スクラムサイドの攻撃で重要な役割を果たす。左フランカーは背番号6、右フランカーは背番号7
  • ナンバーエイト(NO8):フォワード全体に指示を出すリーダー。海外ではエイトマンと呼ばれることが一般的。背番号は8

バックスのポジション

ハーフバックス

  • スクラムハーフ(SH):スクラムにボールを投げ入れるだけでなく、密集からボールを出す役割も担う。常にボールと共に移動し、俊敏さが求められる。背番号は9
  • スタンドオフ(SO):スクラムハーフからボールを受けて、攻撃の起点となる「司令塔」役。キックか、パスか、自ら走るかで攻撃の流れを作る。国際的にはフライハーフとも呼ばれる。背番号は10

スリークォーターバックス

  • ウイング(WTB):最も走行距離が多くなるポジションで、俊足のトライゲッターがそろう。左ウイングの背番号は11、右ウイングは14
  • センター(CTB):バックスの中では相手とぶつかり合いが多い。突破力やタックル能力も求められるポジション。左センターの背番号は12、右センターは13

フルバック

  • フルバック(FB):チーム全体を背後から支える。飛距離の長い正確なキックでボールを処理する。守備では最後の砦として、広いエリアをカバーしてタックルで相手を倒す。攻撃ではライン参加して切り札となることもある。背番号は15

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

③セットプレーのルール

ラグビーのセットプレー

ラグビーでは、反則や、ボールが外に出たことで途切れたプレーを再開させる方法として、セットプレーがある。スクラムとラインアウトの2つがある。

スクラムは、フォワードの8人同士、16人が組み合って、投げ入れられたボールの流れを決める。ラインアウトは両チームが平行に並んで、タッチラインから投げ入れられたボールを奪い合う。なお、ラインアウトの最大構成人数は、ボールを保有しているチームが決める。

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

④モールとラックのルール|スクラムとの違い

ラグビーのモール・ラック

モールとは、地面についていないボールを両チームで取り合うこと。すでに形成されたモールにプレーヤーが加わるときは、かならず最後尾からバインドしなくてはいけない。また、頭と肩を腰よりも高い位置に保ち、モールを故意に崩さないように注意する必要がある。

ラックとは、地面にあるボールを両チームで取り合うこと。選手は立ったままの状態でボールに覆いかぶさり、頭と肩を腰よりも低くしない姿勢を維持する。ラックが形成されたときは、いずれの選手もボールを手で扱ってはいけない。

一方、スクラムは反則などによりプレーが中断した際、試合を再開するために組まれる陣形・再開方法のことを言う。 モール・ラックがプレー継続中にルーズボール(どちらのボールでもない状態)を奪い合うのに対し、 スクラムは中断されている試合を再開するための方法という違いがある。

[AD] 14日間無料お試し! ラグビー観るならプライムビデオのJ SPORTSチャンネル

⑤ラグビーの反則

ラグビーの反則

主な反則行為とペナルティは以下の通り。なお、ペナルティはいずれも相手ボールとなる。

反則の名称 詳細 ペナルティ
ノックオン ボールを前方に落とす スクラム
スローフォワード ボールを前方に投げる スクラム

アクシデンタルオフサイド

ボールを持っている選手が自分より前にいる同じチームの選手とぶつかる スクラム
ノットストレート ラインアウトでボールを真っすぐに投入しない スクラムまたはラインアウト
ノットストレート スクラムでボールを真っすぐに入れない フリーキック
アーリーエンゲージ レフリーの合図の前にスクラムを組む フリーキック
オーバータイム ボールを投入できるときに投入しない フリーキック
ハンド 密集の中で地面にあるボールに手を使う ペナルティキック
オフサイド ボールより前方にいる選手が、いったんボールより後方に下がらずにプレーに参加  ペナルティキック
コラプシング スクラムやモールを故意に崩す ペナルティキック
オーバーザトップ 故意に相手側に倒れこみボールを出させない ペナルティキック
ノットリリースザボール タックルされて倒れた選手がボールを離さない ペナルティキック
ノットロールアウェイ タックルした選手が倒れたまま離れずに、相手の邪魔する ペナルティキック
オブストラクション ボールを持っていない相手選手の動きを妨害する。主として攻撃側の選手が守備を妨害 ペナルティキック
ノーボールタックル  ボールを持っていない選手にタックルする ペナルティキック
ハイタックル 相手の両肩を結ぶ線より上にタックルする ペナルティキック

危険なプレーや悪質なプレー、重い反則を繰り返すと、特定の選手が10分間退場となる。この一時退場のことをシンビンという。

[AD] スポーツ観るならDAZNで。スマホやTVでスポーツをいつでも楽しもう

💡ラグビーのルールは4つの原則と5つの基礎知識を覚えよう!

ラグビーは4つの原則と5つの基礎知識さえ覚えておけば、ゲームのほとんどを理解できる。原則に反したときにはペナルティが課せられ、相手ボールでフリーキックやペナルティキックなどがおこなわれる。基本を押さえて、次の試合観戦に活かしてほしい。


関連記事

Sporting News Japan Staff

Sporting News Japan Staff Photo

日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。

及川卓磨 Takuma Oikawa

及川卓磨 Takuma Oikawa Photo

スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。

小座野容斉 Yosei Kozano

小座野容斉 Yosei Kozano Photo

東京都出身 早稲田大学政治経済学部卒。1989年毎日新聞に入社、写真部のカメラマンとして、春・夏の高校野球、プロ野球、ラグビーなどを撮影。デジタルメディア局に異動後は、ニュースサイト編集の傍ら、「K-1」などの格闘技、フィギュアスケート、モータースポーツも撮影してきた。アメリカンフットボールは、個人のライフワークとして、トップリーグの「Xリーグ」を中心に年間約70試合を撮影・取材。2020年2月毎日新聞を退社後は、ウェブ「アメリカンフットボール・マガジン」で約700本の記事を配信した。また、「NFLドラフト候補名鑑」出版にも携わった。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。