ESPNの女性司会者、トランプ大統領を「バカ」呼ばわり

Michael McCarthy

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ESPNの新たなスター司会者、ケイティ・ノーランが、米テレビ局Vicelandで今週放送された深夜のコメディ番組「Desus & Mero(デサス・アンド・メロ)」で、放送禁止用語を交えつつ、トランプ大統領を「バカ」と茶化した。ESPNがソーシャルメディアに関するガイドラインを改訂し、スタッフが政治と関わることを避けるように決めてから、まだ1カ月もたっていない。

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番組では、ノーランとデサス・ナイス & ザ・キッド・メロが、白人至上主義に関連したハンドジェスチャーや、インターネット上の流行などについて話をしていた。トランプ大統領が頻繁に使う親指を挙げるジェスチャーが「白人至上主義」を意味するという話になると、ノーランが「彼がおバカな人間だからよ」と口にしたのだ。すでにその数秒前、彼女がトランプについて述べた言葉は、規制音で消されていた。

真面目な口調で述べる大統領への批判と、深夜のコメディ番組で発するジョークとでは別物だ。2か月前にライバル局のFox SportsからESPNに移籍した、エミー賞受賞経験のあるノーランは、明らかにその状況を楽しんでいた。同番組内で彼女は他にも、ニューイングランド・ペイトリオッツのクォーターバック、トム・ブレイディはおそらく「そんなに頭がよくないと思う」、さらに彼女自身が鼻風邪のせいで、「薬物治療を受けている」など冗談を飛ばしている。

彼女は、頭が切れてユーモアがあるが、時折汚い言葉で独自の意見を述べる司会者として知られており、それこそがESPNが彼女を引き抜いた理由でもある。

ESPNはこういった議論を呼ぶ事態をうまく処理するテレビ局として知られているが、先週金曜に次の声明を発表した。「ノーランのコメント全体を確認したところ、不適切な表現があり、現在、本人と一緒に対処している」。

同じくESPNのジェメル・ヒルは、10月に2週間の出演禁止措置を受けた。ツイッター上でトランプ大統領を非難するなど、同社のソーシャルメディアのガイドラインを繰り返し違反したことが理由だ。

(ジェメルのツイッター:ドナルド・トランプは、周りを白人至上主義者たちでおもいっきり固めた白人至上主義者)

これに対し、大統領もESPNに謝罪を求めるなどツイッター上で応酬した。

ESPNはヒルのコメントに対し謝罪はしたものの、解雇には至っていない。同社は、このことがきっかけで、ソーシャルメディアに関するガイドラインを改訂するに至ったのだ。

修正が加えられたガイドラインでは、従業員は「党派的な考えや特定の候補者、政治家、そして政党への支持を明示することは避けるべきである」としつつ、「個人的な攻撃や他人を煽るような表現」も避けるべきともしている。

しかし、ノーランのコメントは厳密に言うとソーシャルメディアのガイドラインを違反してはいない。ソーシャルメディア上で発せられたものではないからだ。そして深夜のコメディ番組という設定と、彼女の出演がくだけた雰囲気であったため、ESPNのトップたちは今回の彼女の行動を黙認することになるだろう。

ESPNはトランプへの謝罪をせず、ノーランを選ぶのだろうか? 複数の関係者によると、それは確かなようだ。

原文:Katie Nolan tests ESPN's new politics policy by calling President Trump stupid

翻訳:Ayako Hayashi

 

Michael McCarthy

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Michael McCarthy is an award-winning journalist who covers Sports Meda, Business and Marketing for Sporting News. McCarthy’s work has appeared in The New York Times, Sports Illustrated, The Wall Street Journal, CNBC.com, Newsday, USA TODAY and Adweek.