三屋裕子JBA会長と東野智弥技術委員長が東京五輪を総括「選手たちからものすごく熱いバトンを貰った」

大西玲央 Reo Onishi

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8月11日、日本バスケットボール協会(JBA)が東京オリンピックの総括に関するオンライン取材を実施し、三屋裕子会長と東野智弥技術委員長がそれぞれ大会を振り返り、今後の課題などを語った。

三屋会長は初めに、「選手たちは持てる力を最大限発揮してくれました。4カテゴリー全ての選手たちに感謝したいです」と語った。

「我々がずっとスローガンにしています『バスケで日本を元気に』という言葉、今回少しは日本を元気にすることができたのではないかと感じています。選手たちが頑張って残した結果、それを我々JBAがどう繋いでいくのか、私は選手たちからものすごく熱いバトンを貰ったと思っています。このバトンをしっかりと、47都道府県の協会の方々と気持ちをひとつにして、バスケット界の向上に努めて参ります」。

3人制バスケットボールの3x3(スリーエックススリー)に関して三屋会長は「男女とも決勝トーナメントに進出と、新種目ながら頑張ってくれたと思います」とコメントしている。

「たくさんの方から3x3って面白い、スピーディーだと高い評価をいただきました。男子は3x3のシーズンとBリーグのシーズンがかぶるので、チームを今後どう組成していくのかが課題になってくると思います。女子は唯一アメリカに土をつけた、大快挙。今後国内でどれだけJBAとして3x3を開催していけるのかというのが課題だと思っています」。

5人制に関して三屋会長は今後の課題を「国内組の強化を今後Bリーグを開催しながらどうしていくのかというのを、島田(慎二チェアマン)とも話し始めています」と語った。

「もちろんNBAの2人(八村塁、渡邊雄太)とオーストラリアの馬場(雄大)に関しては、本当に高いところで磨かれてきているという実感はありますが、そこに対して国内組をどう強化していくのか、そこのレベルまで近づけていくのかっていうのは、かなりチャレンジングな課題だと思っていますが、これをやっていかなければいけない」。

女子代表に関しては「今ある戦力の中で最大限を発揮していくという考え方をとてもリスペクトしています」と褒め称えた。

「課題としては、良かったことのひとつでもあるのですが、リオ・オリンピックを経験した者が、この東京オリンピックでもチームをまとめてくれたなと思っています。今回、東京オリンピックを経験した若手が今後どう伸びていくのかっていうのは、Wリーグと相談しながらやっていかないといけないことだと思っています」。

4年スパンで考える今後の強化

一方、東野技術委員長は今後の代表の強化として、「4年スパンで考えるということが必要だと思っています」と語っている。

「男子が45年ぶりにオリンピックに出て選手村で何を一番学んだかというと、他の国々や自国の(他競技の)選手から、国を背負って、プライド持ってプレイするということ。選手同士の絆、一緒のところに住んで、同じ食事をしてというような経験を得られるとするならば、やはりワールドカップでアジア最高位を獲得して、毎回オリンピックに出るんだということが、その次その次のステップに上がる一番の部分だと思っています」。

両者は4カテゴリーとも、BリーグやWリーグと今後うまく連携をとっていくことの重要性、そしてアンダーカテゴリーとの『一気通貫』で繋げながら、段階的に次の世代が出てくるシステムの必要性を語った。

大西玲央 Reo Onishi

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アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。