阪神タイガースのドラフトの評価は?…既存戦力充実の虎は余裕のあるドラフト|プロ野球2023

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阪神タイガースは、10月26日(木)のドラフト会議で1位指名の下村海翔(青山学院大)をはじめ、支配下で6名、育成で2名の合計8名を指名した。阪神の現戦力と照らし合わせ、今年のドラフトを評価する。

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阪神の指名選手一覧

1位 下村 海翔 投手 青山学院大
2位 椎葉 剛 投手 四国IL徳島
3位 山田 脩也 内野手 仙台育英高
4位 百崎 蒼生 内野手 東海大熊本星翔高
5位 石黒 佑弥 投手 JR西日本
6位 津田 淳哉 投手 大阪経済大

 

育成1位 松原 快 投手 NLB富山
育成2位 福島 圭音 外野手 白鷗大


阪神のドラフト指名総評:A

阪神はドラフト1位で下村海翔(青山学院大/投手)の一本釣りに成功した。下村は最速155キロを誇る先発型の右腕。今年7月に行われた日米大学野球選手権では日本代表にも選ばれた。同大会では3試合に登板し防御率0.82の好成績でMVPにも輝いている。

2位では最速159キロの右腕・椎葉剛(徳島インディゴソックス/投手)を指名。椎葉は島原中央高から社会人野球のミキハウスを経て今シーズンから徳島インディゴソックスに入団した。制球面で課題はあるものの中継ぎとしての活躍が期待される。

3位で山田脩也(仙台育英高/内野手)、4位では百崎蒼生(東海大熊本星翔高/内野手)と高校生のショートを続けて指名。5位で石黒佑弥(王子/投手)、6位では津田淳哉(大阪経済大/投手)と大学生、社会人の右腕を指名した。育成では1位松本快(NBL富山/投手)、2位福島圭音(白鴎大/外野手)の2人を指名した。

1位の下村は即戦力としてルーキーイヤーから一軍での活躍を期待できるし、あるいは今年ブレイクした村上頌樹のように二軍で力をつけてから2年後、3年後の先発ローテーション入りもありそうだ。

大卒、社会人の新人には即戦力としてのプレッシャーがかかることが多い。阪神で言えば下村、椎葉、石黒、津田らが該当するが、投手事情が安定している阪神は新人の起用を焦る必要が少なく、しっかりと準備をしてからデビューを迎えられそうだ。

山田と百崎の2人の高卒ショートは、いずれも次世代のレギュラー候補としての期待がかかる。今年はショートの定位置を木浪聖也と小幡竜平の2人が争ったが、木浪は29歳で小幡も23歳まだまだ若い。山田と百崎は次の世代のショートとして育成されるだろう。ショートからコンバートされることの多いセカンドも、レギュラーの中野拓夢は27歳。ドラフト指名された2人とは9歳も離れているし、将来的にセカンドに移ったとしても支障はなさそうだ。

今年優勝した阪神は「なにがなんでも即戦力」という形ではなく全体的に余裕のある指名をした。投手は全員が右腕となっており、左腕が充実しているチーム事情を反映させている。次世代の二遊間候補も獲得できた。来年というよりは2年後、3年後、さらにその先を見据えた指名ができた印象だ。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。