プロ野球の FA(フリーエージェント)制度を解説 権利取得の条件や補償内容は?

Sporting News Japan Staff

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プロ野球(NPB)には、ある一定の条件を満たすと選手の意志で移籍が可能となるフリーエージェント(FA)制度がある。そのFA制度の概要を紹介する。

FA権は国内と海外の2種類

FAには国内の球団としか交渉ができない国内FAとMLBを含め海外球団とも交渉が可能な海外FAの2種類ある。それぞれ取得の条件が異なっている。

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国内FAは7年or8年で海外FAは9年権利取得

FA権を取得するためには、出場選手登録が規定の年数を経過することが必要となっている。出場選手登録とは一軍登録のことで1年を145日で換算し、145日以上の一軍登録があっても1年としてカウントされる。

2007年以降のドラフトで入団した選手は出場選手登録が、高卒選手で8年、大卒や社会人選手は7年、2006年までのドラフトで入団した選手は全選手が8年に達することで国内FA権を取得できる。海外FAは入団の経緯に関わらず9年で取得可能となっている。

2度目のFA取得は国内、海外問わず前回の権利行使から4年が必要となっている。

故障者選手特例措置制度

前年に一軍登録145日以上を満たした選手が、2月1日から11月30日の間に発生したグラウンド上での故障、けがにより、登録抹消された場合、登録抹消日から二軍の公式試合に出場するまでの日数を、一軍登録日数として加算する制度がある。加算日数は最大60日となっており、60日以内であれば同一シーズン内で何度でも適用される。

ただし、特例措置により一軍登録日数が145日以上になった場合のは、翌シーズンにこの特例措置の適用を受けることはできない。

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宣言可能期間は日本シリーズ翌日から7営業日

選手が登録日数の条件を満たしたとしても自動的にFAにはならなず、FA権の行使を宣言しなければならない。

宣言が可能なのは日本シリーズが終了した日の翌日から土、日、祭日を除く7日間以内となっている。期間を過ぎた翌日にNPBから宣言選手として公示され、旧所属球団を含め全球団(海外FAの場合は海外含む)との交渉が可能となる。

FA移籍には補償制度がある

FA権を行使してNPBに所属する他球団に移籍するためには、移籍先球団から移籍元球団に対して、金銭あるいは金銭と選手という補償が必要になるという補償制度がある。補償は権利行使選手の年俸ランクによって異なってくる。

旧所属球団での年俸順に1位から3位までがAランク、4位から10位をBランク、11位以下をCランクとしAランク、Bランクの選手が移籍した場合に補償が発生する。年俸順に外国籍の選手は含まれない。

人的補償の有無によって補償金の額は異なる。また初めてFA権を行使した場合と、2度目以降(反復FA)に行使した場合でも補償の内容は異なってくる。

-人的補償AB
初回なし年俸の80%年俸の60%
初回あり年俸の50%年俸の40%
反復なし年俸の40%年俸の30%
反復あり年俸の25%年俸の20%

人的補償は移籍元球団が作成したプロテクトリストに含まれる28選手、外国籍選手、直近のドラフトで獲得した選手、育成契約の選手以外から1名の選択が可能となっている。

2022年オフのFA移籍選手

2022年オフシーズンに森友哉、伏見寅威、嶺井博希の3人が国内FA権、近藤健介が海外FA権を行使。森は西武からオリックス、伏見はオリックスから日本ハム、嶺井はDeNAからソフトバンク。近藤は日本ハムからソフトバンクへそれぞれ移籍した。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。