福岡ソフトバンクホークスのドラフトの評価は? 先発投手候補を厚く指名|プロ野球2023

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福岡ソフトバンクホークスは、10月26日(木)のドラフト会議で1位指名の前田悠伍(大阪桐蔭高)をはじめ、支配下で7名、育成で8名の合計15名を指名した。ソフトバンクの現戦力と照らし合わせ、今年のドラフトを評価する。

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ソフトバンクの指名選手一覧

× 武内夏暉 投手 國學院大
1位 前田 悠伍 投手 大阪桐蔭高
2位 岩井 俊介 投手 名城大
3位 広瀬 隆太 内野手 慶大
4位 村田 賢一 投手 明大
5位 沢柳 亮太郎 投手 ロキテクノ富山
6位 大山 凌 投手 東日本国際大
7位 藤田 悠太郎 捕手 福岡大大濠高

 

育成1位 大泉 周也 外野手 BC福島
育成2位 宮里 優吾 投手 東農大
育成3位 佐倉 侠史朗 内野手 九州国際大付高
育成4位 中沢 恒貴 内野手 八戸学院光星高
育成5位 星野 恒太朗 投手 駒大
育成6位 藤原 大翔 投手 飯塚高
育成7位 藤田 淳平 投手 四国IL徳島
育成8位 長水 啓真 投手 京都国際高


ソフトバンクのドラフト指名総評:A


ソフトバンクは小久保裕紀新監督体制でドラフト会議に臨み支配下で7名、育成で8名の合計15名を指名した。15名の指名は12球団最多でもあった。

1位では事前の公表どおりに大卒左腕の武内夏暉(國學院大/西武1位)に入札したが抽選を外した。しかし2度目の入札で前田悠伍(大阪桐蔭高/投手)のあたりくじを引き世代トップと称される左腕の交渉権を獲得した。

前田は2年春から3季連続で甲子園に出場し2年春はチームを優勝に導いている。ストレートの最速は150キロに届かないもののチェンジアップやスライダーなどで緩急をつけ打者を翻弄してきた。この夏は甲子園に出場できなかったが、U18ワールドカップでは3試合(16回3分の2)を投げ防御率0.54と圧巻の投球を見せ金メダルに貢献している。

2位で岩井俊介(名城大/投手)、3位では広瀬隆太(慶応義塾大/内野手)と大学日本代表の2人を続けて指名すると4位で村田賢一(明治大/投手)とここでも大学生を指名した。

下位では5位澤柳亮太郎(ロキテクノ富山/投手)、6位大山凌(東日本国際大/投手)、藤田悠太郎(福岡大大濠高/捕手)をそれぞれ指名。また育成では12球団最多となる8名を指名した。

ソフトバンクは先発投手に課題を抱えいる。規定投球回に到達した投手は1人もおらず2桁勝利も有原航平(10勝)ただひとり。チーム2位の勝ち星が42歳の和田毅(8勝)となっているのが現状だ。千賀滉大(メッツ)が抜けたこともあるが、それに続く投手が育っていない。

そんななか1位で即戦力候補である武内の抽選を外した後に高卒の前田へ方向転換するも2位以下で岩井、村田、澤柳、大山と4人の大学生、社会人出身の投手を獲得。

社会人出身の澤柳は中継ぎとしての起用が濃厚だが、その他の3人は大学時代にいずれも先発投手として実績がある。課題である先発投手陣の補強をしっかりとおこなった格好だ。

先発ではないが育成ドラフトでも即戦力となりうる存在がいる。2位の宮里優吾(東京農業大/投手)だ。ストレートの最速は150キロを超え鋭いフォークボールを武器としており、即戦力として開幕前に支配下登録されてもおかしくはない。

野手では右の長距離砲候補として広瀬を指名したのが大きい。チームは柳田悠岐、近藤健介、中村晃、周東佑京ら主力打者は左打者ばかりとなっていて、今シーズンは右の外国人打者で補おうとするも不発。

リチャードや正木智也といった若い選手も思ったような成績を残すことができなかった。右打者の最多本塁打が甲斐拓也の10本塁打は少し寂しい。

その穴を埋めるべく広瀬を指名した格好だ。広瀬は東京六大学で歴代4位タイとなる通算20本塁打を放った右の長距離砲候補。長打、そして本塁打を量産する打者への期待が大きくかかる。

課題の先発投手を大学生・社会人で補い、右の長距離砲候補も東京六大学で結果を残した広瀬を獲得。育成でも即戦力候補を獲得しており、武内のくじを外したものの弱点を補強になりうるドラフトとなった。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。