15年目を迎えるセ・パ交流戦。パ・リーグが高い勝率保つ理由

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セ・リーグが920勝、パ・リーグが1040勝——。セ・パ交流戦が始まった当初は一時的な傾向かとも思われた「パ・リーグ優位」だったが、傾向は変わらず、むしろ強めるかたちで14年の時が流れた。

 

勝敗数ではパ・リーグ優位の状況が続くセ・パ交流戦

2005年に始まったセ・パ交流戦は、14回中11回がパ・リーグから優勝チームが出ており、単年の勝敗数でもパ・リーグが13回上回っている。総勝敗数も冒頭に示したような状況にある。ただ、セ・パの差が3勝以内だったシーズンも14回中6回ある。丸めた数字ほどの差は両リーグの間にはなかったという見方もできる。

 

<セ・パ交流戦勝敗>

  優勝
05年 104勝 (7分) 105勝 ロッテ(パ)
06年 107勝 (1分) 108勝 ロッテ(パ)
07年 66勝 (4分) 74勝 日本ハム(パ)
08年 71勝 (0分) 73勝 ソフトバンク(パ)
09年 70勝 (7分) 67勝 ソフトバンク(パ)
10年 59勝 (4分) 81勝 オリックス(パ)
11年 57勝 (9分) 78勝 ソフトバンク(パ)
12年 66勝 (11分) 67勝 読売(セ)
13年 60勝 (4分) 80勝 ソフトバンク(パ)
14年 70勝 (3分) 71勝 読売(セ)
15年 44勝 (3分) 61勝 ソフトバンク(パ)
16年 47勝 (1分) 60勝 ソフトバンク(パ)
17年 51勝 (1分) 56勝 ソフトバンク(パ)
18年 48勝 (1分) 59勝 ヤクルト(セ)
合計 920勝 (56分) 1040勝  

※太字は差が3勝以内だったシーズン

とはいっても、近年の勝敗数においてはパ・リーグが優勢なのは間違いなく、勝ち星の差が大きく開くシーズンも増えている。こうなる理由はどこにあるのだろうか。

 

長打力で確認できるセ・パの小さくない差

様々な数字を追っていくと、目についたのは長打力での差だ。長打率から打率を引いたISO(Isolated Power)という本塁打、三塁打、二塁打が生まれた度合いをつかめる指標を見ていくと、過去5年にわたりパ・リーグが上回っていることがわかる。

 

<セ・パ交流戦ISO(長打力を表す数値)と本塁打数>

年度 セ・リーグ   パ・リーグ  
  ISO 本塁打 ISO 本塁打
14 .120 99 .126 109
15 .126 88 .132 100
16 .107 70 .121 82
17 .134 97 .140 91
18 .128 93 .155 118

 

2017年はセ・リーグが本塁打数で上回りISOでも肉薄したものの、その他のシーズンでは明確にパ・リーグが上回っている。特にこの2年のパ・リーグのISOの伸びが顕著だ。これと関係して、もうひとつ気になったのはK%(投手が対戦した打者のうち三振を奪った割合)である。

 

<セ・パ交流戦のK%(奪三振割合)>

年度
14 18.0% 18.5%
15 20.0% 20.6%
16 18.7% 19.7%
17 20.3% 18.5%
18 20.7% 18.7%

 

パ・リーグの打者は、この2年長打力を高める一方で、セ・リーグの投手から高い割合で三振を喫している。これは、セ・リーグの投手が好投したととらえることもできるが、ISOの伸びなどと併せて考えると、パ・リーグの打者が三振を恐れず長打を求める打撃をした結果の可能性もある。

 

パに目立つ三振も長打も多い打者。DH制前提の編成が影響か

 

<セ・パ交流戦におけるISOランキング(2018年)>

順位 選手 チーム リーグ K% ISO
1 近藤 健介 13.6% .446
2 筒香 嘉智 De 14.8% .400
3 宮﨑 敏郎 De 9.9% .344
4 外崎 修汰 西 19.2% .318
5 中田 翔 9.2% .313
6 上林 誠知 21.9% .296
7 デスパイネ 21.2% .295
8 鈴木 誠也 23.1% .290
9 T-岡田 22.0% .267
10 秋山 翔吾 西 9.1% .266
11 吉田 正尚 13.2% .265
12 浅村 栄斗 西 19.8% .257
13 ゲレーロ 22.6% .255
14 松山 竜平 10.4% .254
15 神里 和毅 De 18.3% .254
16 ビシエド 14.7% .250
17 山川 穂高 西 20.2% .250
18 丸 佳浩 17.6% .233
19 レアード 33.3% .229
20 バレンティン 15.3% .226

※交流戦で50打席以上に立った打者を対象

 

昨年のセ・パ交流戦で、50打席以上に立ったISOの高い、つまり長打力の高い20選手のうち、K%が20%を超えている打者は7人いた。そのうちセ・リーグ所属は2人、パ・リーグ所属は5人。

一昨年はセ・リーグ4人に対しパ・リーグが7人、2016年はセ・リーグ2人に対しパ・リーグが8人と、三振は多いが長打も多いスタイルの打者はパ・リーグに偏って現れていた。

こうした傾向が表れる理由を探るにはより精密な分析や取材が必要だが、パ・リーグではDHの役割を担わせる打力重視の選手を手厚く獲得する必要があり、それが影響している可能性はある。

交流戦での打撃成績は、対戦する投手陣が互いに異なるためリーグをまたいだ比較には注意が必要なのは言うまでもない。差を生み出しているのは打者の力量ではなく、相手の投手や野手の守備の力量の差である可能性もある。ただ、差が生まれている理由の特定は難しいものの、互いのリーグに在籍する選手が一変することはない以上、結果の傾向はゆるやかに引き継がれるはずだ。

セ・リーグがパ・リーグを上回るには、長打力の差を全体的に詰めることが効果を生む可能性がある。だが、セ・パ交流戦が年間18試合という規模である限りは、セ・リーグのチームがDH制を想定し長打力のある打者を今よりも手厚く用意するというのは現実的ではなさそうだ。一方で、18試合という短期決戦であるがゆえに、セ・リーグの単一チームが上位に食い込むことは今後も十分起きるだろう。


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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「※」は提携サイト『Goal』の記事です

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