阪神2年目・糸原健斗が示している一流打者のポテンシャル

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出塁の可能性を広げる空振りの少なさ

今季、糸原はシュアな打撃に磨きをかけている。野手の間を抜く強いゴロやライナーでのヒットを増やし、ルーキーイヤーは.259だった打率は.286まで上がっている。ただ、こうしたわかりやすい成長以外にも、糸原が伸ばしている個性がある。それは三振を避ける能力と四球を選ぶ能力である。

 

三振を減らす上で効果的なのは、浅いカウントから打ちにいくことだ。追い込まれる前に打球をフェアグラウンドに飛ばそうとすれば、三振は自然と減っていく。

 

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だが、そうしたスタイルの打撃には問題もある。投手との関係によっては浅いカウントで安打にできるボールを投げてこないこともあるだろうし、コンタクト優先の意識からストライクゾーン外のボールに手を出し、四球で出塁するチャンスを逃してしまうこともあるからだ。

 

理想的なのは、打席で多くの球を見て好球を待ちながらも、できるだけ三振をせず、場合によっては四球を選んでいくスタイルということになる。それを実現するには、しっかりとボールを見極める選球眼と、追い込まれた後でも極力空振りをしないコンタクトスキルが必要になってくる。

 

糸原はその両方で優れたものを持っている。特に、空振りをする割合が極めて低く、それを生かし追い込まれてからも粘ることで、四球や安打で出塁する可能性を高めている。

コンタクトスキルと選球眼の両立を示す「BB/K」

糸原のような、三振をあまりせず、四球を奪える打者を浮かび上がらせるには、四球(Base on Balls/BB)の数と三振(K)の数の比率を示すBB/Kという指標が便利だ。これについてセントラル・リーグの規定打席到達選手について見ていくと、糸原は4番目の数値を残している。

 

<四球が三振を上回っている選手>

  順位 打者 球団 BB/K 出塁率
  1 坂口 智隆 ヤクルト 1.29 .416
  2 糸井 嘉男 阪神 1.24 .422
  3 青木 宣親 ヤクルト 1.23 .416
  4 糸原 健斗 阪神 1.12 .390
  5 丸 佳浩 広島 1.10 .487
    セ平均   0.47 .333

※セ・リーグの規定打席到達選手が対象

BB/Kは四球を三振で割ったものなので、1を超えていれば四球の数が三振の数を上回っていることを意味するが、この域に達しているのは一流の好打者しかいないことがわかる。糸原は長打力などでは彼らに及ばないものの、コンタクトスキルと選球眼については一流打者に近いレベルにあるといえる。

 

阪神を長らく支えてきたあの内野手によく似た成績

ところで、糸原と同じ阪神に所属し、BB/Kに表れるコンタクトスキルと選球眼を武器に長らく大きな貢献を果たしてきた選手がいるのだが、名前が思い浮かぶだろうか? それは鳥谷敬である。

<鳥谷敬のBB/K>

  年度 BB/K 出塁率
  2011 1.08 .395
  2012 1.03 .373
  2013 1.59 .402
  2014 1.09 .406
  2015 1.15 .380
  2016 0.93 .344
  2017 1.25 .390
  2018 0.91 .328

鳥谷は規定打席をキープしながらBB/Kで1を超えるかそれに迫る数字を長らく記録し続けていた。出塁率なども今シーズンの糸原に近いレベルの数字を残しており、似通った数字になっている。

 

長打の数などはかつての鳥谷のほうがやや上回っているが、糸原は今季打率を上げていることなどからも、打撃での成長はまだ見込むことができる。広い甲子園の左中間や右中間に独自のヒットゾーンをつくりだすことができれば、鳥谷の後継者として、チームを牽引する存在になる可能性は十分ある。

 

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