【阪神】大山悠輔とマルテの三塁争い、外国人枠はどうなる?/キャンプ見どころ

Sporting News Japan Staff

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2018年の最下位から、昨シーズンは3位に浮上した阪神。今シーズンはそのさらに上を目指すべく、このオフシーズンに外国人選手を中心とした補強を行った。

 

★大砲候補のボーア含む5人の外国人選手を獲得

 

阪神はこのオフ5人の新外国人選手を獲得した。その内訳は投手が3人、そして野手が2人である。

3人の投手を見ると1人が先発タイプ、そして2人が中継ぎタイプとなる。196センチの長身右腕・ジョー・ガンケルが先発タイプの1人だ。MLB経験はないものの、マイナー172試合に登板し防御率3.59とまずまずの成績を残している。

中継ぎタイプのジョン・エドワーズはセットアッパー候補。退団したピアース・ジョンソンの穴を埋める期待がかかっている。昨シーズンはMLBで9試合に登板し、2勝を挙げた。通算では49試合の登板で防御率3.67と悪くない成績。しかし、41.2回を投げ与四球が31個と制球力に不安がある。

そしてソフトバンクでプレーしていたロベルト・スアレス。2016年には58試合に登板し26ホールドをマークしている。2017年にトミー・ジョン手術を受けたがすでに復帰。昨シーズンは先発での起用が主だったが、本来は中継ぎの投手だ。2016年の再来が期待される。

野手ではジャスティン・ボーア、ジェリー・サンズを獲得した。ボーアはMLB通算92発の左の大砲候補。すでに矢野燿大監督も「4番・一塁」を明言しており、主軸として起用される見通しだ。

一方のサンズはMLB時代は5シーズンで通算156試合で10本塁打、57打点と結果を残せなかった。しかし、2018年シーズンから韓国プロ野球に働きの場を移すと昨シーズンは打点王に輝いている。主な守備位置は外野だが一塁も守ることができる。その他の選手、そして外国人枠との兼ね合いになりそうだ。

外国人選手以外では、ソフトバンクから無償トレードで中田賢一を迎え入れた。今年38歳になるベテランの投球術に期待。

ドラフトでは1位の西純矢から5位の藤田健斗まで高校生を連続して指名。支配下では、大学生以上の選手は小川一平ただひとりと将来性を重視している。今シーズンの戦力補強というわけではなさそうだ。

 

【新加入】

 

<新外国人>
ジョン・エドワーズ(投手)
ジョー・ガンケル(投手)
ロベルト・スアレス(投手)※前ソフトバンク
ジャスティン・ボーア(内野手)
ジェリー・サンズ(外野手)

<ドラフト>
1位:西純矢(投手)
2位:井上広大(外野手)
3位:及川雅貴(投手)
4位:遠藤成(内野手)
5位:藤田健斗(捕手)
6位:小川一平(投手)

育1位:小野寺暖(外野手)
育2位:奥山皓太(外野手)

<その他>
中田賢一(投手)※ソフトバンクからトレード

 

★大山とマルテの三塁争い

 

外国人選手の加入があり、内・外野ともに争いは激しくなった。ボーアが一塁で起用されることにより、残留したジェフリー・マルテが三塁へ回る。そこでは、昨シーズン多くの試合で「4番・三塁」を務めた大山悠輔との競争になる。虎の4番候補もレギュラー安泰ではないのである。

その大山を二塁にコンバートする案もあったが、現時点では久慈照嘉内野守備走塁コーチがそれを否定。大山は三塁でマルテとの競争を勝ち抜かねばならなくなった。

遊撃も木浪聖也と北條史也が真っ向勝負となる。守備面では木浪に軍配があがっているものの、打撃面を含む総合力で見ると、圧倒的な差があるわけではない。三塁と同じくキャンプでの争いとなる。

外野は中堅の近本光司が当確。両翼も福留孝介と糸井嘉男の両ベテランが一歩抜けている。そこに新外国人のサンズが加わってくる。もちろん外国人の兼ね合いもある。近本以外の若手選手の台頭がほしいところ。髙山俊や島田海吏、中谷将大に奮起が求められる。

 

★8人で4席を争う外国人枠争い

 

新外国人選手を5人獲得したことにより、外国人選手は8人体制となった。4人の外国人枠をどのように埋めていくのかは悩ましい。

昨シーズンの阪神はリーグ6位の536得点と得点力不足に泣いた。その欠点を補うためにボーア、サンズを獲得し、マルテを残留させている。3人の同時起用とは言わないまでも、2人は打線に組み込みたい。

一方の投手陣もラファエル・ドリス、ジョンソンと中継ぎの軸でもあったふたりが揃って退団。その穴はスアレスとエドワーズで塞ぎたい。そうなるとガルシア、ガンケルの先発候補が起用できなくなる。

先発投手陣は中田を補強したとはいえ、西勇輝と青柳晃洋に続く存在で名前が挙がるのは高橋遥人くらい。岩貞祐太、秋山拓巳、藤浪晋太郎、岩田稔と実績のある投手はいるものの、近年は苦しんでいる。外国人投手の力は借りたいところだろう。また、外国人最後のひとりとなる呂彦青は今年も高い壁に阻まれそうだ。

はたして矢野監督はどのように外国人枠を埋めていくのだろうか。チームの順位を大きく左右するだけに注目したい。

 

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。