【開幕カードプレビュー:DeNA×中日】前年4、5位に沈むもベースは現有戦力。選手の成長に期待をかけるDeNAと中日が対戦

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2年連続の3位からさらに上位を狙う中でつまずいた横浜DeNAベイスターズ。Bクラスからの脱出を6シーズン連続で果たせず苦しむ中日ドラゴンズ。両者は横浜スタジアムで開幕戦を戦う。大きな補強はせず、戦力の掘り起こしを進めているチーム同士の対戦となる。

 

 

 

DeNAは楠本泰史、中日は加藤匠馬、阿部寿樹らがオープン戦で存在感

 

 

 

中日のDeNA戦の対戦成績(2016-18)

年度 得点 失点
2015 10 15 0 92 101
2016 11 13 1 98 80
2017 7 15 3 77 119
2018 10 15 0 104 104

4年続けてDeNAが勝ち越しているこのカード。ただ昨年についていえば、得失点で両チームは並んでおり、そこまで大きな力の差はなかった。打線の力はほぼ同じ、投手陣はDeNA、守備は中日がリードし、相殺するとおおむね近い戦力だったといえる。

ドラフト以外の目立った補強はなく、中日が先発候補のエンニー・ロメロを、DeNAが巨人を戦力外となった内野手の中井大介を獲得した程度。3月26日にDeNAは4年目の右腕・熊原健人をトレードに出し、楽天の左腕・濱矢廣大を獲得したが、基本的には今ある戦力を伸ばす方針をとっている。

そうした方針の中で台頭の気配を見せているのがDeNAの2年目、楠本泰史だ。オープン戦首位打者となる打率.388を記録し、その上で二塁打5本、本塁打2本と長打も打った。ネフタリ・ソト、筒香嘉智、桑原将志、そして開幕に間に合わせてきた梶谷隆幸と実績のある選手がそろう外野に挑むことになるが、ソトがセカンドに回ることがあれば出場機会は増えそうだ。これは二塁守備に問題が生じなければチームの攻撃力のアップに直接的につながる魅力的なプランでもある。

中日はキャッチャーの加藤匠馬、セカンドの阿部寿樹らにチャンスが回ってきている。ソフトバンクの甲斐拓也ばりの強肩が武器の加藤は、オープン戦では楽天の開幕投手・岸孝之から本塁打を放つなど打撃でもアピールしている。与田剛新監督と新しい首脳陣の色を感じさせる抜擢だ。

上位チームとの攻撃力の差を埋めるには、こうした新戦力の働きだけではもちろん足りない。DeNAならホセ・ロペスや梶谷、桑原らの働きに、中日なら大島洋平や京田陽太、高橋周平らの働きにそろって上積みがあれば、上位勢の背中が見えてくる可能性はある。

 

 

 

投手力でDeNAに差をつけられている中日

 

 

 

セ・リーグ投手陣の特性(2018)

チーム K% BB% HR/9 ゴロ% 失点率
巨人 19.2% 7.5% 1.01 47.4% 4.05
阪神 21.4% 9.2% 0.90 48.2% 4.43
DeNA 21.2% 8.9% 1.06 48.2% 4.55
広島 18.6% 9.6% 0.97 48.3% 4.57
中日 17.1% 9.6% 1.06 49.6% 4.66
ヤクルト 18.4% 8.4% 1.01 49.4% 4.70
セ平均 19.3% 8.9% 1.00 48.5% 4.49

※ K% 打席に対する奪った三振の割合

※ BB% 打席に対する与えた四球の割合

※ HR/9 9イニングあたりに打たれた本塁打数

※ ゴロ% 打たれた打球に対するゴロの割合

※ 失点率 9イニングあたりの失点

 

 

 

昨年の投手陣の成績を見ていくと中日の苦しさがうかがえる。三振が獲れず、四球も被本塁打も多かった。開幕カードは、笠原祥太郎、吉見一起、ロメロで臨むことが発表されている。3年目で開幕投手にまで駆け上がった笠原などが年間通じて働くことは中日の浮上において不可欠となるだろう。運用上の工夫を通じたコンディション管理なども極めて重要になってくる。首脳陣の手腕が問われる部分でもある。

DeNAの開幕戦の先発は今永昇太。第2、3戦は井納翔一、濱口遥大、京山将弥らが候補となっている。打線は互いに近いレベルにあり、投手陣の出来次第とも言える。中日開幕投手の笠原は昨年DeNA戦に4度先発し1勝2敗、防御率は5.55と打たれているが、ただでさえプレッシャーのかかる初の開幕戦のマウンドにおいては、よく知っている打線を相手に投げるのは悪いことでもないのかもしれない。逆に成長を見せつける機会にできるだろうか。


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※記事はIOC公式サイト『Olympic Channel』提供

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