【西武】松坂が14年ぶりに復帰、金子侑司は1番・中堅を埋められるか?/キャンプ見どころ

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西武はパリーグ2連覇を果たしながら、2年連続で日本シリーズに出場できなかった。今年はリーグ3連覇、そして日本一を目指すシーズンとなる。


★松坂大輔が14年ぶりに復帰、キャンプもA班スタート

このオフシーズン、西武は「1番・中堅」であり、主将でもあった秋山翔吾が海外FA権を行使し退団。大きな戦力ダウンとなってしまった。もちろん補強を行なっているが、直接的に秋山の穴を埋めるには至っていない。

まず、外国人選手3人を獲得した。唯一の野手がコーリー・スパンジェンバーグである。登録は内野となるが、外野も守れるユーティリティーの選手。昨シーズンは二塁、三塁、遊撃、左翼を守っており、過去には中堅と右翼の経験もある。現時点で辻発彦監督はスパンジェンバーグの起用法を明言しておらず、各選手の状態を見た上で柔軟に起用することになりそうだ。

投手はリード・ギャレット、ショーン・ノリンと2人を獲得した。ギャレットは中継ぎタイプの右腕。昨シーズンはMLBで13試合に登板したが、防御率8.22と結果を残すことはできなかった。AAAでも34試合で防御率4.91とやや不安が残る。

一方のノリンは先発タイプの左腕。昨シーズンはマイナー(AAA,AA)で合計19試合に登板。7勝5敗、防御率5.34とこちらもやや心もとない。しかし、独立リーグでは8試合の先発で6勝0敗、防御率1.10と結果を残しているのは好材料だろう。

ドラフトでは上位で宮川哲(1位)、浜屋将太(2位)と社会人出身の即戦力候補の投手2人を獲得した。ともにA班(一軍相当)スタートとなっており、その期待度は高い。

そして、なんといっても2006年以来、14年ぶりに西武へと戻ってきた松坂大輔だろう。かつての豪速球を投げ込むスタイルではない。しかし、カットボールやツーシームといった手元で変化する球を中心に投球術で相手打者を封じ込める。辻監督も戦力として期待しているとコメントしており、キャンプもA班スタート。先発ローテーション入りを目指すこととなる。

そして阪神を戦力外となった森越祐人も加わった。内野のユーティリティー的な役割が求められる。

このオフはスパンジェンバーグ、森越とふたりのユーティリティーを補強したことで、柔軟性を持った編成ができそうだ。


【新加入】

<新外国人>
リード・ギャレット(投手)
ショーン・ノリン(投手)
コーリー・スパンジェンバーグ(内野手)

<ドラフト>
1位:宮川哲 (投手)
2位:浜屋将太 (投手)
3位:松岡洸希 (投手)
4位:川野涼多 (内野手)
5位:柘植世那 (捕手)
6位:井上広輝 (投手)
7位:上間永遠 (投手)
8位:岸潤一郎 (外野手)

育1位:出井敏博 (投手)

<その他>
松坂大輔(投手)※中日を自由契約
森越祐人(内野手)※阪神を戦力外


★1番・中堅を金子侑司が埋められるか?

 

野手陣では秋山の穴をどう埋めるかがポイントとなる。中堅のポジションは金子侑司が務めることが既定路線。すでに辻監督も公言しており、金子自身も前向きに捉えている。

しかし、1番打者としては現時点で決まっていない。打撃面での向上が見られれば、足もある金子が適役となる。しかし、昨シーズンの打率.251、出塁率.324は1番打者として物足りない。新外国人選手のスパンジェンバーグや外崎修汰が起用される可能性もありそうだ。不動のリードオフマン秋山の後釜は競争となる。

また、昨シーズン打点王に輝いた中村剛也が自主トレ中に負傷し、キャンプはB班スタートとなった。三塁の守備に関してはスパンジェンバーグ、外崎などで埋めることができ心配なそれほどない。しかし、30本塁打、100打点を期待できる主砲の穴はかんたんに埋まらない。中村不在でシーズンに臨むとなれば、得点のとり方そのものが変わってくる。

山川穂高、森友哉ら主軸は健在だが、秋山と中村が抜けると打って打って打ちまくる戦い方からの脱却となる可能瑛も否定できない。練習試合、対外試合での戦い方にも注目したい。

 

★先発、中継ぎともにチャンスあり


投手陣は残留したザック・ニールが今年も中心となる。そこに若き右腕の高橋光成、今井達也、松本航、本田圭佑らがつづく。十亀剣、榎田大樹といった中堅、さらには新加入のノリン、宮川、浜屋そして松坂も控えている。しかし、ニールをのぞくとローテーション確約という存在はいない。

一方の中継ぎは守護神の増田達至以外は、定まっていない。昨シーズン終盤戦でスポットライトを浴びた平良海馬、新外国人のギャレットで勝ちパターン形成が理想となる。昨シーズン81試合に登板した平井克典は勤続疲労が心配される。勝ちパターンに入ることができるかは、状態との相談になりそうだ。

ここ数年の西武は、打線に比べると投手陣に課題がある。その課題を解消するためには、先発、中継ぎともに新戦力の台頭が不可欠。逆に言うと、一軍の枠は多く空いているということでもある。

このキャンプでのアピール次第では若手・ベテラン全員にチャンスがある。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。