西武打線の弱点は左投手? カギを握りそうな山川穂高の「対左」

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西武打線の強みは、対右投手での好成績

圧倒的な攻撃力でペナントレースを押し切ってみせた西武だが、対戦投手の左右で成績に差が見られた。他球団を突き放す打撃を見せていたのは右投手との対戦時で、左投手との対戦時の成績はほぼリーグ平均だった。

<投手の左右別打撃成績>

  対象 投手 打率 出塁率 長打率 OPS
  西武 対右投手 .280 .361 .472 .833
  西武 対左投手 .253 .323 .399 .722
  パ平均 対右投手 .255 .325 .400 .725
  パ平均 対左投手 .249 .324 .391 .715

これは、一般的に左投手に対して成績が上がりにくい左打者(森友哉、栗山巧、源田壮亮ら)が打席を重ねていたことも影響しているが、一部の右打者(中村剛也ら)も対右投手のときほど、良いバッティングができていなかったようだ。

左投手で西武打線封じを——各球団がすがった対策

強打に手を焼いた各球団はこの傾向を考慮したのか、西武が左投手を当てられる割合はシーズン中盤以降高まっている。6月の値は、元々左投手の割合の高いセントラル・リーグとの交流戦が開催された影響だとみられるが、それ以降も30%前後と高い数値を維持している。左投手との対戦打席数1398も、ロッテ(1443)に次いでリーグで2番目の数字で、もっとも少ないオリックス(1073)とは300打席以上の差があった。

<西武期間別左右投手対戦割合>

  期間 対左投手 対右投手
  3・4月 10.7% 89.3%
  5月 18.3% 81.7%
  6月 32.3% 67.7%
  7月 27.3% 72.7%
  8月 30.7% 69.3%
  9・10月 28.9% 71.1%

力量が同レベルの投手であれば、やや積極的に左投手を選択していくというプランは、ポストシーズンでも用いられそうだ。

「左投手の球を引っ張れない」という弱点を克服? 山川の打撃に変化

しかし終盤戦に限っては、「西武は左投手にやや苦戦している」というデータを覆すような兆候も現れている。左投手に対するOPSのシーズン平均は.722だが、9月以降に限ると.881に急上昇しているのだ。

この上昇を牽引していた打者の1人が山川穂高だ。

<山川穂高の対左投手打撃成績>

  期間 打席 打率 出塁率 長打率 OPS
  8月末まで 106 .227 .283 .485 .768
  9月以降 31 .524 .677 1.048 1.725

バットを振れば強く鋭い打球を連発していた印象もある山川だが、8月までは左投手にかなり苦しんでいた。しかしその問題点も、終盤戦に入って解消されていた様子が見て取れる。もちろん31打席という限られた機会での成績であり、山川の打撃が変わったと言い切ることはできないが、左投手を打ち始めている事実は確認できる。

<8月末までの山川のフライ打球方向>

  投手 引っ張り センター 逆方向
  右投手 41.7% 41.7% 16.7%
  左投手 21.6% 35.1% 43.2%

山川が左投手に苦戦していた8月までのフライの打球方向を投手の左右別で確認すると、左投手との対戦時に限っては、逆方向の打球が4割を占めており、うまく引っ張ることができていなかった様子が見て取れる。

山川は今シーズンの47本のホームランのうちライトスタンドに運んだものがわずか2本であることが示すように、典型的なプルヒッティングを見せてきた。だが、対左投手ではそのようなスタイルで打撃をすることができていなかったようだ。

しかし、9月以降は、左投手の投球を引っ張り込んでレフトスタンドに運ぶホームランを3本打っている。こうしたデータも山川が左投手攻略のためのヒントをつかんだ可能性を示唆するものといえるだろう。

ポストシーズンで西武と戦うチームが左投手を意図的にぶつけてくるのか。西武打線の核である山川がそれにどう対応していくのか。データ視点から提案しておきたいポストシーズンの注目ポイントの1つだ。


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