米メディアが菅野智之に注目「メジャー級の右腕」 ダル・田中将大との比較も

Billy Heyen

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今季オフに海外挑戦を表明した巨人の菅野智之に米メディア『スポーティング・ニュース』がスポットを当てている。「菅野智之とは何者か?」と題した記事で、菅野の経歴や投球スタイルを紹介。すでにメジャーリーグで結果を残しているダルビッシュ有や田中将大のNPB時代の成績と比較し、「両者と似た成功を収められる」とつづっている。以下にその記事を翻訳して紹介する。


日本の先発投手である菅野智之は2021年にMLBのあるチームの先発ローテーションにとって予期せぬ救世主になれるかもしれない。

この読売ジャイアンツのスターはポスティング制度によってメジャーリーグに移籍する準備が整った。今オフシーズンの市場ではトレバー・バウアーに続くインパクトのある先発投手となる。バウアーは独特な契約への姿勢をとっており、それはいくつかのチームにとっては好意的に受け取られていない。31歳の菅野はあと数年、先発ローテションの強力な補強オプションとなり得る実績を持っている。

田中将大がニューヨーク・ヤンキースに移籍して以来、菅野は日本でもっとも安定した成績を残してきた投手だ。以下がその詳細である。

1.MLB規格の右腕投手

日本野球の専門サイトを主宰するジム・アレン氏によると、菅野は身長186センチの右投げ投手で、その最大の武器はスライダーだ。

「31歳の菅野はコントロールに長け、落ち着いた投球術とスライダーに加えて、平均かそれ以上の速球とフォークボールを持っている。スカウトの共通した見方では、菅野は2番手から4番手の先発投手に収まるはずだが、メジャーのどのチームの先発ローテーションにとってもプラスに働くだろう」とアレン氏は解説している。

菅野は2019年シーズン中に腰痛に悩まされ、球速を落とした。だが2020年にはその球速は時速150キロ近くまで持ち直した。メジャーリーグの平均からは少し劣るが、菅野のように強力なスライダーを持つ投手にはそれで十分だ。

2.日本の「サイヤング賞」を2回受賞

菅野は日本で「沢村賞」を2回受賞している。これはMLBのサイヤング賞に相当する賞だ。

菅野は2017年と2018年に2年連続で沢村賞を受賞した。特に2018年は投手3冠(奪三振数、防御率、勝利数)を獲得し、名実ともにNPBを代表する投手であることを証明した。その年の菅野が残した成績は15勝8敗、防御率2.14、202回を投げて、奪三振は200個だ。

3.ポストシーズンでのノーヒットノーラン達成

2018年の菅野は、前述の投手3冠に加えて、ポストシーズンではノーヒットノーランを達成した。ポストシーズンの第1ラウンド(クライマックスシリーズ)で、菅野はヤクルト・スワローズと対戦し、最初の20人のバッターを連続して打ち取った。

21人目のバッターが8球粘った後に四球で歩いたが、菅野が許したランナーはこの1人だけだった。菅野は三振を7個奪い、ノーヒットノーランを達成した。

「最高の気分です。何と表現していいか分からないですけど、達成感がすごくあります」と菅野は試合後に語っている。

4. WBCで米国代表チームと対戦

菅野は日本代表チームの一員として、2017年のワールド・ベースボール・クラシックで米国代表チームと対戦している。菅野はドジャーズ・スタジアムにおける試合で6回を投げ、1失点に抑えた。

「菅野はメジャーリーグのレベルの投手だ。それもとても良い投手だ。私は感心した。速球は外角によくコントロールされていたし、スライダーは強力だ。本当に素晴らしかった」と米国チームのジム・リーランド監督はMLB公式サイトに語っている。

5.ダルビッシュ有と田中将大との比較

菅野はダルビッシュや田中とは違うタイプの投手だ。ダルビッシュがMLBに来たときは、もっと球速があったし、球種も多かった。田中はフォークボールに多くを頼っていた。だがNPB時代の彼らの成績を見比べてみると、菅野はこの2人の日本人投手と似た成功を収めることができるように思える。

NPB時代、ダルビッシュの奪三振率は25.1%だった(およそ対戦した打者の4人のうち1人から三振を奪った)。田中の数値は23.3%で、菅野のそれは22.4%だ(前田健太の20.4%より良い数値だ)。菅野はダルビッシュや田中よりも四死球が少ないし、故障に苦しんだ2019年を含めても、通算の防御率は田中とほぼ同じだ。

ダルビッシュのMLBでの通算防御率は3.47で、田中のそれは3.74だ。つまり、菅野もMLBで防御率4点以下の投手になれるはずだ。

(翻訳:角谷剛)

Billy Heyen