王者の死角か? ソフトバンクの捕手事情

Satoshi Katsuta

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昨シーズン2年ぶりとなる日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスは、このオフに大きな補強はなかった。しかし、3年ぶりのトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を目指す柳田悠岐ら主力野手は健在。内川聖一、アルフレド・デスパイネらが故障離脱したものの、すでに復帰しており大きな不安はない。

投手陣も日本代表の主戦級となった千賀滉大、名球会入りを目指すデニス・サファテらと故障なく順調に調整を行っている。

万全に見えるチームの中で唯一と言ってもいい不安が捕手陣である。

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キャンプイン後に3人が離脱

このシーズンオフには2人の一軍捕手がチームを離れた。鶴岡慎也がFAで古巣である北海道日本ハムファイターズへと移籍。また、山下斐紹(昨シーズンまでの登録名:斐紹)は東北楽天ゴールデンイーグルスへとトレードされている。昨年のドラフトでは捕手を獲得しなかったため、今シーズンは育成契約を含め8人で臨む体制となっていた。

しかし、キャンプイン後に高谷裕亮が右ヒジの関節炎、栗原陵矢が左肩の脱臼と相次いで離脱。正捕手候補である甲斐拓也は日本代表戦にも出場し、チームに戻ってからも順調だが、2番手・3番手捕手候補が戦列を離れる事態となった。

高谷、栗原が離脱した直後に育成契約ながら一軍に抜擢されたのが、堀内汰門だ。しかし、その堀内もオープン戦で右手親指を脱臼となり早期離脱となってしまう。すでに、二軍の教育リーグでは復帰しており、大事には至っていないものの無理はさせられない。

このようにソフトバンクの捕手陣は8人中3人がキャンプイン後に故障を発症した。現時点では甲斐が正捕手となり、2番手を2年目の九鬼隆平、3年目の谷川原健太が争う形となる。ともに一軍出場はなく経験不足は否めないが、両選手にとっては大きなチャンスだ。ライバルのいない間に一軍定着を目指したい。

トレードやブルペン捕手の現役復帰も!?

堀内が戦列に復帰したものの、それでも高谷・栗原を除いた捕手登録は6名だ。高谷は5月以降、栗原はシーズン終盤に復帰する見込みではある。しかし、三軍まで抱えているソフトバンクにおいて、この人数では1年間を戦うのに不安が残ることは間違いない。

緊急事態ということもあり、シーズン開幕間際ではあるがトレードで補強することもありえそうだ。3月14日に、阪神タイガースと埼玉西武ライオンズの間ではトレードが成立しており、ソフトバンクも同様に模索している可能性もある。

昨シーズンは東京ヤクルトスワローズがシーズン中に中村悠平、西田明央といった主力捕手に故障が発症したため、ブルペン捕手の新田玄気が育成契約ながら現役復帰をはたしている。

トレードがまとまらず、その他の手段でも捕手が確保できない場合、ブルペン捕手の現役復帰となるかもしれない。今後のソフトバンク捕手陣に注目したい。

【ソフトバンク捕手登録】

<支配下登録>

高谷裕亮(2006年大学生・社会人ドラフト3巡目)
(通算)462試合/打率.192/6本塁打/86打点

栗原陵矢(2014年ドラフト2位)
(一軍出場なし)

谷川原健太(2015年ドラフト3位)
(一軍出場なし)

甲斐拓也(2010年育成6位)
(通算)118試合/打率.230/5本塁打/19打点

九鬼隆平(2016年ドラフト3位)
(一軍出場なし)

張本優大(2013年育成4位)
(一軍出場なし)

<育成>

堀内汰門(2014年育成4位)
(一軍出場なし)

樋越優一(2015年育成3位)
(一軍出場なし)

※登録は2018年3月13日時点
※成績は2017年シーズン終了時点

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Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。