昨季の二軍タイトルホルダーは開幕一軍をつかめるか?

Satoshi Katsuta

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開幕まで2週間を切り、各球団ともに総仕上げの状態に入ってきた。キャンプ序盤は若手にも多く出番が与えられたものの、この時期になると結果を残せなかった選手は二軍降格となる。降格となれば、二軍で実績を残し、再び一軍昇格をつかみ取らなければならない。

さて、昨シーズン二軍で実績を残しタイトルを獲得した選手達は、開幕一軍をつかむことができるのだろうか。キャンプも終盤に入ったこの時期の現状を追ってみたい。

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イースタン二冠王の内田はオープン戦で絶好調

まずは野手のタイトルホルダーを見ていこう。注目したいのは、イースタン・リーグ二冠王(本塁打・打点)に輝いた、東北楽天ゴールデンイーグルスの内田靖人だ。高卒5年目の今シーズンは、春季キャンプで一軍スタートを果たすとアピールに成功。オープン戦でも好調を維持しており、打率.455、2本塁打、9打点で首位打者をキープしている。梨田昌孝監督も評価しており、アクシデントがなければ開幕一軍は当確と言えそうだ。

また、盗塁王に輝いた島井寛仁(楽天)はこのオフに育成から支配下登録を勝ち取ると、オープン戦では12試合で4盗塁(1盗塁死)と結果を残している。開幕一軍当確ではないものの『足のスペシャリスト』として期待が高まる。

ウエスタン・リーグに目を移すと、首位打者を獲得した広島東洋カープのアレハンドロ・メヒアが好調だ。オープン戦で3試合連続本塁打を放つ絶好のスタートを切ると、ここまで打率.344、3本塁打、9打点と結果を残している。チームメートで最多本塁打を獲得したサビエル・バティスタが、故障で離脱していることもあり、開幕一軍の座をつかみ取りそうだ。

二冠王(本塁打・打点)に輝いた阪神タイガースの陽川尚将もオープン戦でチャンスを与えられている。ここまで、打撃面で目に見える結果は出せていない。しかし、内野手登録ながら左翼の守備にもつくなどアピールを重ねており、当落線上と言えそうだ。

【2017年二軍・打撃タイトル】

<首位打者>

イースタン:高濱祐仁(日本ハム)     打率.295
ウエスタン:アレハンドロ・メヒア(広島) 打率.331

<最多本塁打>

イースタン:内田靖人(楽天)、森山恵佑(日本ハム)     18本
ウエスタン:サビエル・バティスタ(広島)、陽川尚将(阪神) 21本

<最多打点>

イースタン:内田靖人(楽天) 66打点
ウエスタン:陽川尚将(阪神) 91打点

<最高出塁率>

イースタン:枡田慎太郎(楽天) 出塁率.416
ウエスタン:庄司隼人(広島)  出塁率.407

<最多盗塁>

イースタン:島井寛仁(楽天)    28盗塁
ウエスタン:釜元豪(ソフトバンク) 26盗塁

投手はハードルが高い?オープン戦登板は戸根のみ

活躍している選手の多い野手陣だったが、投手陣はどうだろうか。

無償トレードで東京ヤクルトスワローズへと移籍した山田大樹は、コンディション不良もあり、キャンプ終盤にリタイアとなった。昨シーズン一軍デビューをはたした北海道日本ハムファイターズの吉田侑樹は二軍で登板しており、オープン戦での出場はない。中日ドラゴンズの阿知羅拓馬、読売ジャイアンツの今村信貴も同様に一軍での登板はない。

そのなかで唯一、一軍のオープン戦に出場しているのが戸根千明(巨人)だ。中継ぎとして4試合に登板し6回を投げ防御率3.00、6奪三振と結果を残している。中継ぎ左腕として一軍入りを勝ち取りたい。

タイトル数の違いはあるものの、野手に比べ投手の方が一軍への道は険しいようだ。しかし故障者などが出れば、すぐに入れ替えもあるだろう。開幕一軍を勝ち取れなくても、二軍のタイトルホルダーに甘んじることなく、一軍での活躍に期待したいところだ。

【2017年二軍・投手タイトル】

<最優秀防御率>

イースタン:吉田侑樹(日本ハム) 防御率2.21
ウエスタン:阿知羅拓馬(中日)  防御率2.10

<最多勝利>

イースタン:今村信貴(巨人)              9勝
ウエスタン:山田大樹(ソフトバンク)※現・ヤクルト 10勝

<最多セーブ>

イースタン:戸根千明(巨人)            18セーブ
ウエスタン:ロマン・メンデス(阪神)※すでに退団  23セーブ

<勝率第一位>

イースタン:今村信貴(巨人)  勝率.692
ウエスタン:阿知羅拓馬(中日) 勝率.750

※成績は2018年3月18日終了時点

Satoshi Katsuta

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かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。