【日本ハム】中島卓也らの遊撃手争い、万波の長打力は本物か?/キャンプ見どころ

Sporting News Japan Staff

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2019年シーズン、日本ハムは一時首位争いを演じていたものの、夏場に大失速。Aクラス入りを逃し5位に終わっている。今年はドラフト会議で即戦力クラスの投手を複数名獲得し、巻き返しを狙っている。


★前巨人のビヤヌエバを獲得

 

このオフシーズンの日本ハムは国内FA宣言選手には興味を示さず、トレードも行わなかった。

一方で外国人選手は2名獲得した。ひとりはドリュー・バーヘイゲンだ。身長198センチの大型右腕で昨シーズンは主に中継ぎで起用され4勝をマークしている。日本ハムでは先発起用が濃厚となっているものの、栗山英樹監督は「ショートスターター」戦術を今シーズンも起用する見込み。第2先発的な役割であったり、先発でも短いイニングで降板することはあるかもしれない。蓋を開けてみなければ、起用法はわからない。

野手では昨シーズン巨人でプレーしていたクリスチャン・ビヤヌエバを獲得した。一昨年まで所属していたブランドン・レアード(現ロッテ)の守っていた三塁を埋めることが期待されている。巨人では結果を残すことができなかったものの、栗山監督は外国人選手を我慢して起用する傾向がある。球場が広くなるという点では不利になるかもしれないが、長い目で見れば活躍する可能性は高そうだ。

ドラフト会議では1位の河野竜生、2位の立野和明と上位2名が社会人出身の投手を指名した。即戦力候補として期待されていることは間違いない。しかし、この2人を含む新人選手は全員が二軍スタート。まずは二軍でアピールを行い一軍昇格を目指すことになる。

昨年は王柏融や金子弌大を獲得し、秋吉亮と谷内亮太をトレードで迎え入れた。その動きに比べると、このオフはやけに静かだ。現有戦力の底上げを中心に戦えるチームを作っていく。

 

【新加入】

<新外国人>
ドリュー・バーヘイゲン(投手)
クリスチャン・ビヤヌエバ(内野手)※巨人を自由契約

<ドラフト>
1位:河野竜生(投手)
2位:立野和明(投手)
3位:上野響平 (内野手)
4位:鈴木健矢 (投手)
5位:望月大希 (投手)
6位:梅林優貴 (捕手)
7位:片岡奨人 (外野手)

育1位:宮田輝星 (外野手)
育2位:樋口龍之介 (内野手)
育3位:長谷川凌汰 (投手)

 

★万波は一軍定着なるか、中島らの遊撃手争いにも注目

 

このキャンプで注目したいのは高卒2年目の万波中正だ。常に話題の中心にいる清宮幸太郎や新人選手たちが二軍スタートとなるなか、唯一、2年目以内の野手で一軍スタートを勝ち取った。

ルーキーイヤーだった昨シーズンは一軍で2試合に出場したがノーヒット。結果を残すことができなかった。しかし、二軍ではチーム最多の14本塁打を放ち非凡な才能を見せている。万波が守る外野の顔ぶれを見ると、西川遥輝、大田泰示、王柏融、近藤健介とそうそうたるメンバーが並んでおり、レギュラーを奪うのはかんたんではない。

また、控えでも松本剛や谷口雄也、杉谷拳士、清宮幸太郎らの名前が並ぶ。こう見ると一軍に入ることも困難かもしれない。しかし、本塁打を期待できる打者は清宮くらい。その清宮は二軍スタートと出遅れている。春季キャンプで昨シーズン二軍で見せたような長打力をアピールできれば、一軍抜擢は大いにありえるはずだ。

内野は固定できなかった三塁にビヤヌエバが加入したことで、平沼翔太や石井一成といった本来遊撃の選手が再び遊撃のポジションに戻ることになりそうだ。中島卓也を交え三つ巴の争いとなる。二軍スタートの清宮が一軍に昇格せれば中田翔と争うことになるが、現時点では一塁・中田、二塁は渡邉諒でほぼ固定されることになりそうだ。

 

★復帰したマルティネスらは外国人枠争いが熾烈に

 

投手陣では宮西尚生や骨折からの復帰を目指す上沢直之、そして2018年ドラフト1位の吉田輝星、河野や立野といったドラフト上位のルーキーと目玉となる投手たちが二軍スタートとなっている。

一軍スタートの投手陣では外国人投手たちに注目したい。昨シーズンは故障で一軍登板のなかった今年3年目のニック・マルティネス。一昨年は10勝11敗と負け越したものの、防御率3.51。そして161.2回を投げている。先発として長いイニングを投げることが期待できる投手だけに、復活すればチームにとってこの上なく大きいこと。キャンプでの状態を見極めたいひとりだ。

マルティネスと同じく3年目となるブライアン・ロドリゲス。昨シーズンは34試合(内、先発10試合)に登板し6勝7敗、1セーブ、8ホールド、防御率3.25とまずまずの成績。チームがショートスターターの戦術を多用したこともあり役割は様々だったが、結果を残している。今年も安定した投球が期待されている。

しかし、マルティネスとロドリゲスは一軍が保証されているわけではない。新たに加わったバーヘイゲン、そして野手のビヤヌエバと王と合計5人の選手で4つの外国人枠を争わねばならないのである。

外国人枠をかけた競争に注目だ。

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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。