巨人・杉内俊哉が引退。名投手の足跡を振り返る【3点解説】

Satoshi Katsuta

巨人・杉内俊哉が引退。名投手の足跡を振り返る【3点解説】 image

▶プロ野球を観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

9月12日、読売ジャイアンツ・杉内俊哉の引退会見が行われた。本人が「身体が限界だった」と語るほど、度重なる故障に苦しめられ、17年間の現役生活に幕を閉じることを選んだ。「松坂世代」最強の左腕とも称される杉内の活躍を高校時から辿ってみたい。

★ポイント1:アマチュア時代から輝かしい成績

杉内の名前が初めて全国区となったのは1998年夏の甲子園だろう。初戦で八戸工大一高相手にノーヒットノーランを達成。次戦で世代最強を誇っていた松坂大輔(現・中日ドラゴンズ)擁する横浜高校の前に屈したが、初戦のインパクトはとてつもなく大きかった。

高校卒業後はそのままプロ入りせず、社会人野球の三菱重工長崎へと入部した。2001年の日本選手権ではチームを優勝に導き、大会優秀選手にも選ばれた。このときバッテリーを組んでいたのは、後に東北楽天ゴールデンイーグルスへと入団する河田寿司(ひさし)だった。

こうした輝かしい実績を残した杉内は、指名解禁となった2001年のドラフトで福岡ダイエーホークスに3位指名され、プロ入りを果たしたのだった。


★ポイント2:プロ入り後、所属2球団でエース級の働き

ダイエー入りを果たした杉内は、2年目(2002年)に初の2桁勝利(10勝)をマークする。そして4年目(2005年)には沢村賞、MVPをはじめ最多勝、最優秀防御率とタイトルを総なめし、リーグを代表する投手へと成長していった。

この時代のダイエー(2005年からソフトバンク)は、斉藤和巳、和田毅、新垣渚ら強力な先発投手を揃えていた。そして、杉内もここに加わり、"4本柱"の一角としてチームの躍進に大きく貢献した。2007年からは4年連続で2桁勝利を達成し、2011年オフにFA権を行使し、読売ジャイアンツへと移籍する。

巨人ではエースナンバーである「18」を背負い、3年連続2桁勝利を記録。チーム3連覇に大きく貢献した。また、2013年には与四球1のみの準完全試合を達成し、甲子園大会、プロ野球の両方でノーヒットノーランを達成した唯一の選手にもなった。

しかし、2015年に右股関節痛により戦線離脱すると、リハビリ中に左肩痛を発症。結局、それ以降の一軍登板はなく、引退に至っている。

【生涯成績】

316試合/142勝77敗/2091.1回/2156奪三振/防御率2.95

【主なタイトル・表彰】

  • 最多勝:1回
  • 最優秀防御率:1回
  • 最多奪三振:3回
  • 最優秀投手:2回※現・最高勝率
  • MVP:1回
  • 沢村賞:1回
  • ベストナイン:1回


★ポイント3:日本代表でも活躍。第2回WBCでは5試合無失点で連覇に貢献

アマ、プロで華々しい実績を残してきた杉内は、国際舞台でも大きな結果を残してきた。

高校時代には、夏の甲子園終了後に行われた第3回AAAアジア野球選手権大会を、松坂らとともに制覇。三菱重工長崎時代には、シドニーオリンピックに出場した日本代表メンバーにも名を連ねた。シドニー大会では、初めてプロ野球選手の出場が解禁され、すでに西武ライオンズで活躍していた松坂とふたたびチームメートになった。

プロ入り後は2006年、2009年、2012年と3度のワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)、そして北京オリンピックに出場している。

とくに2009年の第2回WBCにおける活躍は凄まじく、中継ぎとして5試合に登板すると6.1回を投げ無失点、被安打0、与四球2とほぼ完璧な投球を見せたのである。この杉内の好投が日本代表の優勝を助けたといっても過言ではない。

杉内は日の丸を背負って多くの舞台に立ち、そこで結果を残し続けてきたのである。

【世界大会出場歴】

  • オリンピック:2000年(シドニー)、2008年(北京)
  • WBC:2006年、2009年、2013年

★おまけ:温かいファンの声も続々と

時代を象徴する投手だったこともあり、インターネット上ではファンから多くのメッセージが届いている。


このように多くのファンからも愛された杉内の功績は、ファンそれぞれの胸に残り続けるだろう。今後、指導者になるのか、それとも現場を離れるのかはわからない。これからの動向を温かく見守っていきたい。

※数字は2018年9月12日終了時点


【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Satoshi Katsuta

Satoshi Katsuta Photo

かつた・さとし/東京都出身。複数の業界で営業、経営管理を行ったのち2015年に独立。同年よりNPB、MLBなの記事作成、2022年からメディアのSNS運用など野球関連の業務を行っている。