昨シーズン日本シリーズへと進出し、日本一まであと一歩に迫った横浜DeNAベイスターズ。今シーズンはセントラル・リーグ制覇、そして、日本一を目指していく。昨年のチーム状況を見ると、やはり広島東洋カープ、福岡ソフトバンクホークスに比べ選手層が薄い。しかし、このオフに阪神タイガースからFA宣言をした大和を獲得。ドラフトでは即戦力候補の先発左腕である東克樹を1位で指名するなど、内野、先発の選手層は厚くなった。一方で大きな補強のなかった外野陣はどのような状況なのだろうか。
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神里ら新人含め候補が多数
昨シーズンは筒香嘉智(左翼)、桑原将志(中堅)、梶谷隆幸(右翼)がレギュラーとして戦ったDeNA。今シーズンもアクシデントがない限り、この3人で盤石かと思われたが、アレックス・ラミレス監督は右翼を高卒2年目の細川成也と梶谷で競わせると明言。春のキャンプから熾烈な戦いが始まった。
もちろん、争うのは梶谷・細川だけではない。ドラフト2位で入団した社会人出身の即戦力候補である神里和毅、同8位の楠本泰史らも一軍キャンプスタートからオープン戦にも出場している。その他にもウィンターリーグで結果を残した乙坂智、本来は内野手だが、右翼でも起用されている新外国人のネフタリ・ソトも候補に挙がる。
多くの候補選手たちがレギュラー、そして開幕一軍枠を争っているのである。
細川が脱落するもその他の選手は結果を残す
その熾烈な外野争いから最初に脱落したのは細川だった。キャンプでは一軍に帯同したものの、練習試合で結果を残すことができず、3月を待たずして二軍降格となった。しかし、細川はまだ高卒2年目だ。二軍で実戦経験を積み、シーズン中の再昇格に期待がかかる。
新戦力を見ると神里は打率.286(28打数8安打)、楠本は打率.538(13打数7安打)、2本塁打と揃って結果を残している。また、ソトも打率.295(44打数13安打)、2本塁打と気を吐いた。7年目となる乙坂は打率.133(15打数2安打)と低打率ながら2本塁打を放っておりアピールを続けている。故障で二軍調整を続けていた梶谷は、3月17日のオリックス・バファローズ戦で一軍復帰。さっそくタイムリーヒットを放ち結果を残した。
外野陣がアピールを続けるなかで今ひとつ調子の上がらない筒香だが、日本代表の4番でもあり、ラミレス監督の信頼も厚く左翼固定となることは間違いない。しかし、中堅・右翼は起用に迷いが生じることもありそうだ。
もちろん、これは嬉しい悩みでもある。故障者が出ても選手層の厚さがあれば、チームの戦力を落とすことなく戦うことができるからだ。昨シーズンの広島を見ても、鈴木誠也が故障し離脱して以降、松山竜平、サビエル・バティスタらがしっかりと穴を埋めた。このような戦い方ができるようになると、優勝もグッと近づくはずだ。
誰が、この熾烈な争いを制し開幕一軍切符を手に入れるのだろうか。ラミレス監督の起用法に注目したい。
DeNA・主な外野手オープン戦成績
・筒香嘉智
9試合/打率.190/0本/0打点
・桑原将志
12試合/打率.139/0本/1点
・梶谷隆幸
3試合/打率.091/0本/1打点
・細川成也
2試合/打率.000/0本/0打点
・乙坂智
11試合/打率.133/2本/5打点
・神里和毅
10試合/打率.286/0本/0打点
・楠本泰史
9試合/打率.538/2本/2打点
・ソト
12試合/打率.295/2本/5打点
※数字は2018年3月20日終了時点