今オフ大型補強なしの巨人、現戦力の底上げで王座奪回へ…読売ジャイアンツの2023年展望

Sporting News Japan Staff

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昨シーズンの読売ジャイアンツは2017年以来5年ぶりとなるBクラスに沈んだ。このオフシーズンに大型補強はなく、現有戦力のレベルアップを中心とし今シーズンに臨む。

6年連続30本塁打を目指す岡本和真が軸

昨シーズンの巨人は163本塁打こそリーグ2位だったが、548得点はリーグ3位、チーム打率.242はリーグ最下位だった。

打線の軸になるのは岡本和真だ。昨シーズンは打率.252(520-131)、30本、82打点の成績を残したものの8月半ばから4番を外れた。好不調の波が激しいタイプで、7月は打率.222(72-16)、1本だった一方で9月は打率.324(68-22)、5本と調子を上げた。年間を通した波を少なくして4番を勤め上げ、6年連続となる30本塁打を達成したいところだ。

その岡本と入れ替わるようにして4番を任された中田翔は、24本塁打を放ち、シーズン終了時に通算288本塁打。節目の300本塁打まであと12本に迫っている。岡本と同様に本塁打でチームを引っ張ることが求められる。

打率.272(525-143)、27本塁打を記録した丸佳浩は、中堅から右翼へコンバートされる可能性が高い。新加入選手含め他のライバルたちの状況次第ではあるが、守備の負担が軽くなることで昨シーズン以上の数字を残すことになれば、打線の厚みはぐっと増す。

中堅のレギュラー候補になる新外国人選手のルイス・ブリンソンは昨シーズン、マイナー(3A)で22本塁打を放っており、日本に馴染めば中軸としての起用もあるだろう。

ブリンソン以外にも現役ドラフトで東北楽天ゴールデンイーグルスから加入したオコエ瑠偉、ドラフト2位ルーキーで慶応大出身の萩尾匡也と中堅候補が加わった。松原聖弥や外野へコンバートされる見込みの増田陸らを含め争いは激しい。

その他では切り込み隊長の吉川尚輝、外国人選手で唯一残留したアダム・ウォーカーに復活を目指す坂本勇人、そして正捕手の筆頭候補である大城卓三ら戦力は充実している。

新戦力としてベテランの長野久義と松田宣浩が加わった。松田は三塁が本職だが、外野の守備練習も行っているほど。代打にはとどまならない活躍が期待できるかもしれない。

主軸選手が額面通りの働きを見せ、丸からレギュラーを奪う選手が出現するかが、大きなポイントとなりそうだ。

大勢に繋ぐ課題の8回は新外国人ロペスが濃厚

先発投手陣は菅野智之と戸郷翔征の右腕ふたりが軸となる。菅野は昨シーズン10勝を挙げたものの、プロ入り後初めて完投がなかった。今シーズンは中継ぎの負担を軽くするためにも、長いイニングを投げたいところ。

一方で戸郷は1完封を含む3完投。1試合の平均投球回数が6.87回(171回3分の2/25試合)で菅野の6.39(147回/23試合)を上回った。さらに12勝、防御率2.65、154奪三振と主要項目では菅野を上回った。今年は第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表にも選出されており、勢いに乗っている。今シーズンが正真正銘、エースの世代交代となるかもしれない。

このふたりに続くのが山﨑伊織、堀田賢慎、赤星優志、井上温大らの若手投手陣。いずれも昨シーズン中にプロ初勝利を挙げた。今シーズンはさらなる飛躍を目指す。

新外国人選手ではタイラー・ビーディとヨアンダー・メンデスのふたりが先発候補。メンデスはメキシカンリーグで最優秀投手に輝いた左腕。退団したC.C.メルセデス(現ロッテ)の穴を埋める活躍に期待がかかる。

中継ぎ陣は守護神の大勢につなぐまでの投手に課題があった。そこに2019年にはMLBで70試合に登板したヨアン・ロペスを補強。8回を任せることができれば形になる。その他では鍵谷陽平、今村信貴ら中堅組が中継ぎとして控えるも、まだまだ心細い。新戦力の台頭が望まれる。

一方で昨シーズン53試合に登板した平内龍太はオフに手術を受け今シーズンは育成契約でスタートする。通算212試合の登板で60ホールドを挙げている中川皓太らと支配下復帰を目指す。

巨人は2年連続で優勝を逃すも、なりふり構わぬ大型補強がなかった。現有戦力の底上げと入れ替わった外国人選手たち、そしてベテランの松田と長野をどうミックスさせていくのか。原監督の起用法に注目だ。
 


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日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。