パワーピッチャーからテクニカルな投手にモデルチェンジ。中日・松坂大輔は今季も活躍できるのか

DELTA

パワーピッチャーからテクニカルな投手にモデルチェンジ。中日・松坂大輔は今季も活躍できるのか image

▶今なら2ヶ月間無料でプロ野球を楽しめる! 4月3日(水)23時59分までDAZN2ヶ月無料キャンペーン実施中

プロ野球_DAZN2ヶ月無料オファー

2015年にNPBに復帰して以降、思うような結果を残せていなかった松坂大輔。しかし昨季は先発として11試合に登板。シーズンを通してローテーションを守ったわけではなかったが、過去数シーズンとは異なる、先発で戦力になる状態であることを示した。

▶今なら2ヶ月間無料でプロ野球を楽しめる! 4月3日(水)23時59分までDAZN2ヶ月無料キャンペーン実施中

 

球速はNPB平均以下に低下も、球速帯の近い3球種で打者を幻惑

NPB, プロ野球, 開幕, 中日ドラゴンズ, 2007年の松坂大輔

昨季の松坂は過去数シーズンと何が違っていたのだろうか。残念ながら松坂のNPB復帰後、2015-17年は登板自体がほとんどなかったため、変化を示すことができるデータはない。そのため今回はMLBに渡って1年目の2007年、投手として最盛期を迎えていた時期と比較し、そこからどのような変化があったのかを見ていく。

まずストレートの球速を見てみたい。MLB挑戦1年目となった2007年、松坂のストレート平均球速は150km/h(93.2マイル)を計測した(※1)。計測環境は異なるため誤差はあるだろうが、昨季NPBの規定投球回到達投手で最も速かった則本昂大(楽天)が148.3km/hだったことを考えると、やはり日本人投手としてトップクラスのスピードを持っていたことは間違いない。

だが、現在の松坂は決してそのような力強い球を投げる投手ではない。昨季のストレート平均球速は138.8km/h。セ・リーグ平均の143.6km/hと比べても5km/h近く遅かった。同程度の球速を記録したのは吉見一起(中日)や田口麗斗(巨人)など、いわゆる技巧派と表現される投手たちである。

球威で打者を圧倒するパワーピッチャーであったはずの松坂が、なぜこの程度の球速で打者を抑えることができたのだろうか。そのヒントは次のデータにある。

球種割合の変化を見てみよう。ここでは中でも変化が大きかったストレート、ツーシーム、カットボールの3球種が含まれる速球系の球種に絞って割合を示す。

 

松坂大輔の年度別球種割合と平均球速(km/h)

年度 ストレート カットボール ツーシーム
2007(※1) 53.9%(150.0) 19.3%(140.5) 0.6%(148.5)
2018 15.3%(138.8) 41.4%(135.8) 13.4%(136.9)

まず、最も大きな変化は2007年に53.9%あったストレートの投球割合が、昨季15.3%にまで低下している点である。そのかわりに2007年に19.3%投じていたカットボールを41.4%にまで割合を増加させた。

またカットボールは球速にも注目したい。2007年はストレートとカットボールの球速差は10km/h弱あったが、昨季の松坂は3km/hにまで縮めている。ツーシームも含めて3球種をかなり近い球速帯で操っていたようである。黒田博樹のNPB復帰時に話題になったボールゾーンからストライクゾーンに投球を変化させるフロントドア、バックドアも多投する様子も見られた。球威の低下を細かいテクニックで補うような投球だったように思える。

(※1)MLBのデータは米データサイト・Fangraphsを参照している

 

満塁の場面で神がかり的な投球。だが、継続は非常に困難

NPB, プロ野球, 開幕, 中日ドラゴンズ, 2018年の松坂大輔

パワーピッチャーからのモデルチェンジを果たした松坂だが、昨季の投球にかなり不安定な面があったことも事実だ。55回1/3を投げて与四球は32。走者を背負って投球する場面が非常に目立った。実際の投球を見た人は、松坂の防御率3.74を見てよくこれだけの失点で済んだという印象を抱くのではないだろうか。

それもそのはずである。昨季の松坂がどれだけの走者を背負って投球をしたか、走者数別に割合を比べると、走者なしでの投球は50.2%。NPB平均に比べ5.5%も多く走者を背負った場面で投球していたのだ。特に走者3人を背負った場面、つまり満塁の場面の割合はNPB平均の2.7%と比べて5.5%と倍になっている。

 

走者を何人背負った状況での投球が多かったか

  走者なし 走者1人 走者2人 走者3人
NPB平均 55.7% 29.1% 12.5% 2.7%
松坂大輔 50.2% 30.0% 14.2% 5.5%

松坂はこの満塁の状況で14人の打者に対したが、安打を許しておらず、5奪三振、2併殺を奪うなど、2つの押し出しを与えた以外はほぼ完ぺきに抑えている。一歩間違えれば大量失点を招くような状況で神がかり的な投球を見せていたのだ。だが、このような投球を何シーズンも続けるのは難しい。昨季ほどに失点を抑えるには、そもそも走者を出さない投球を続ける必要があるだろう。

非常に得点が入りづらいナゴヤドームを本拠地にしているため隠れがちだが、ここ数年の中日は投手陣がチームの大きな弱点になっている。ファンとの接触という不慮の事故で調整が遅れている松坂だが、今季も依然として期待は大きい。松坂が先発として一定の役割を果たすことができれば、チームの上位進出の芽も出てくるだろう。

▶今なら2ヶ月間無料でプロ野球を楽しめる! 4月3日(水)23時59分までDAZN2ヶ月無料キャンペーン実施中

プロ野球_DAZN2ヶ月無料オファー

 


■【オリンピック特集】ファン必見!注目記事・動画まとめ

hanyu1

【動画】羽生結弦、平昌五輪FSの“王者の輝き”をもう一度

hanyu2

【動画】羽生に贈られるプーさんはその後どうなる?

uno

【動画】宇野昌磨、平昌五輪FSの感動を振り返ろう!

7人制ラグビー日本代表が東京五輪への出場権を獲得

【動画】いざ東京へ!!陸上男子日本代表、リオ五輪4×100mリレー決勝

※記事はIOC公式サイト『 Olympic Channel 』提供

【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2019年版!
DAZN(ダゾーン)の番組表がこちら!野球・サッカーなど競技別表示機能も

DELTA