NPB2018・オープン戦総まとめ〜投手編〜

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3月25日にオープン戦の全日程が終了した。ここまで期待以上の成績を残した選手がいる一方、裏切ってしまった選手もいる。そのオープン戦での状況を投手陣から振り返ってみたい。

順調な仕上がりを見せたエース級の投手達

読売ジャイアンツの菅野智之、埼玉西武ライオンズの菊池雄星といった、開幕投手が内定していたエース級の投手達は万全の仕上げを見せてくれた。特に菅野は3試合に登板し、14回を投げ防御率1.29。昨シーズンは第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響もあり、開幕投手をマイルズ・マイコラス(現セントルイス・カージナルス)に譲ったが、今シーズンは絶好調で開幕を迎える。自身4度目の大役を白星で飾りたいところ。菊池は寝違いにより大事をとって早期降板した試合もあったが、最終登板で5回無失点5奪三振とこちらも順調に過ごしてきた。

また、東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大、千葉ロッテマリーンズの涌井秀章といった開幕投手の常連達も不安なくここまで来ている。中日ドラゴンズは3年目の小笠原慎之介が初の大役となることが濃厚。4試合で2勝0敗、防御率1.35と誰しもが認める内容で栄誉を勝ち取った格好だ。5年連続Bクラスから浮上するためにも、序盤から勢いを付けたいところ。

またオリックス・バファローズの西勇輝は防御率0.49とオープン戦トップの成績を残し、自身初の開幕投手を務めた。1996年以来優勝から遠ざかっており、22年ぶりの優勝を目指すために西の序盤の奮闘はカギになるだろう。

2年目の選手達が躍動

開幕投手以外で目立ったのが2年目の選手達だ。昨シーズンは一軍で登板がなかった広島東洋カープの高橋昂也が2試合に登板し、8回無失点とローテーション入りへ猛アピール。その後の二軍戦でも結果を残している。ローテーションの中心にいるべき存在である薮田和樹、岡田明丈らがピリッとしないだけにチャンスは充分にありそうだ。

同じ高卒2年目の藤平尚真(楽天)も仕上がりは順調。すでに開幕ローテーション入りは内定した。体調不良で順番が後ろに回りそうだが、登板まで期間もあり心配はなさそうだ。また、19回で20奪三振とイニング数以上の三振を奪っている部分も心強い。

山岡泰輔(オリックス)も4試合で防御率1.64と順調だ。22回を投げ22奪三振と三振も奪えている。昨シーズンは新人王こそ逃したが、8勝(11敗)をマークし規定投球回にも到達。今シーズンは2桁勝利を狙いたいところ。同じパソフィック・リーグでは昨シーズン途中から先発起用されている酒居知史(ロッテ)も4試合で防御率1.06の成績を残した。今シーズンは開幕からローテーションを担うことになる。

一方で今ひとつな投手も…

好調な投手だけではない。いまひとつピリッとしない投球が続く選手もいる。昨シーズン優勝の立役者となった薮田もそのひとりだ。4試合で14.2回を投げ13四球とほぼ1回に1個の四球を与えており、コントロールが定まらない。2試合連続で早期降板しており、開幕ローテーションから外れることもありそうだ。

また、阪神タイガースの岩貞祐太も3試合で防御率4.15と結果を残せなかった。その後、二軍戦で登板したものの6回2失点、被安打5、与四球3と不安定な投球でローテーションから外れることが濃厚。今後も調整を続けていくことになる。

開幕投手組では横浜DeNAベイスターズの石田健大が心配だ。今永昇太、ジョー・ウィーランド、濵口遙大といった昨シーズンの2桁投手トリオが揃って故障したことで大役が回ってきた石田。オープン戦3試合で防御率5.17と不安定な内容。開幕前最終登板となった3月23日の西武戦では、3者連続本塁打を浴びるなど6回4失点。再調整を図る。

オープン戦の結果は必ずしもシーズンに直結するわけではない。しかし、ファンとしては選手達の状況が気になるところ。好成績だった選手は調子を持続させ、不安が残る選手達もシーズンではよいパフォーマンスを残してくれることに期待したい。