【オリックス】ジョーンズ、吉田正尚に次ぐ3人目の外野手争い/キャンプ見どころ

Sporting News Japan Staff

【オリックス】ジョーンズ、吉田正尚に次ぐ3人目の外野手争い/キャンプ見どころ image

2019年シーズンはパ・リーグ最下位に終わってしまったオリックスは、このオフシーズンに大物メジャーリーガーであるアダム・ジョーンズを獲得した。その他にも外国人選手を獲得しており、新戦力の上積みを軸に上位浮上を目指している。そんなオリックスの春季キャンプにおける見どころを探りたい。


★MLB282発のジョーンズを獲得

このオフシーズンでオリックスは外国人選手を3人獲得した。野手はアダム・ジョーンズとアルデリン・ロドリゲスの2人。そして投手のタイラー・ヒギンスである。

なんといっても注目なのはジョーンズだろう。MLBでは14年間で1823試合に出場。打率.277(7009打数1939安打)、282本塁打、945打点の成績を残した一流メジャーリーガーだ。打撃タイトルの獲得こそないものの、2013年にはシルバースラッガー賞(外野)を受賞し、ゴールドグラブ賞を4度受賞と守備にも定評がある。

昨シーズンは平野佳寿と同じダイヤモンドバックスでプレー。打率.260(485打数126安打)、16本塁打、67打点とまずまずの成績を残した。今年35歳になることもあり、全盛期は過ぎているものの、まだまだ健在だ。

また、アメリカ代表として2013年と2017年にワールド・ベースボール・クラシックに出場したことでも知られている。1月26日に来日しており、2月1日からキャンプに参加予定である。

もうひとりの野手であるロドリゲスにMLB経験はない。しかし、マイナー通算174本塁打を放っており、右の大砲候補として期待されている。近年は主に一塁を守っているが、三塁、左翼の経験もある。その他の選手との兼ね合いでポジションは決まりそうだ。

このオフシーズンにおける外国人補強で唯一の投手であるヒギンスは、身長190センチの長身右腕。昨シーズンはマイナーで39試合(先発2試合)に登板。防御率4.75の成績を残している。55回を投げ65奪三振と奪三振率は高い。福良淳一GMはセットアッパーとしての起用を考えているようだ。

その他にはドラフト会議で支配下5名、育成8名の合計13名を獲得した。そのなかで一軍キャンプスタートは村西良太(3位)、勝俣翔貴(5位)のふたりとなっている。

【新加入】

<新外国人>
アダム・ジョーンズ(外野手)
アデルリン・ロドリゲス(内野手)
タイラー・ヒギンス(投手)

<ドラフト>
1位:宮城大弥(投手)
2位:紅林弘太郎(内野手)
3位:村西良太(投手)
4位:前佑囲斗(投手)
5位:勝俣翔貴(内野手)

育1位:佐藤一磨(投手)
育2位:谷岡楓太(投手)
育3位:中田惟斗(投手)
育4位:平野大和(外野手)
育5位:鶴見凌也(捕手)
育6位:大下誠一郎(外野手)
育7位:佐藤優悟(外野手)
育8位:松山真之(投手)

 

★吉田正尚、ジョーンズに次ぐ外野最後の1枠争い

オリックスの野手陣で注目されるのはやはりジョーンズだろう。すでに西村徳文監督は4番での起用を示唆しており、吉田正尚と中軸を組ませることは確実。また、6連戦など疲労が溜まりやすいところでは指名打者での起用も考えている模様。外野、指名打者と併用しながら中軸を打つことは間違いない。

外野での守備位置は明らかになっていないものの、昨シーズンは右翼(130試合)、中堅(1試合)で出場していることから、右翼での起用が濃厚だ。

左翼は吉田正が指名打者との併用で起用されることはほぼ確実。中堅のポジションを若手中心に争うこととなる。昨シーズンは西浦颯大(40試合)、宗佑磨(39試合)、後藤駿太(24試合)、小田裕也(20試合)、佐野皓大(15試合)、宮崎祐樹(2試合/オフに引退)の6人がスタメンで起用された。

このうち宗は三塁へ転向となる可能性が高い。オフシーズンに参加したオーストラリアでのウインターリーグでも23試合で三塁を守っている。そのため中堅は西浦、後藤、小田、佐野と4人の争いとなりそうだ。各選手ともに打撃が課題となるだけに春季キャンプでの打撃練習に注目したい。

Tー岡田も気になる存在だ。昨シーズンはわずか20試合の出場で打率.120(50打数6安打)、1本塁打と苦しんだ。オフシーズンはプエルトリコでのウインターリーグに参戦し、打率.200と低打率ながら4本塁打を記録し、パワーは健在であることを示した。通算200本塁打まであと30本。レギュラーの座を獲得できれば不可能な数字ではない。一塁でのレギュラー奪取を目指す。

 

★山岡泰輔、山本由伸、ディクソンと軸は確立

先発投手陣は山岡泰輔、山本由伸の2人が中心となる。先発3番手以降は成長著しい榊原翼、来日3年目のアンドリュー・アルバース、K-鈴木、竹安大知、張奕 、荒西祐大、田嶋大樹らが続いている。しかし、現時点でスタメン確約といえる存在はおらず、春季キャンプ、オープン戦の中でサバイバルレースが行われることとなりそうだ。

中継ぎ陣も盤石とは言い難い。そのなかで抑えは昨シーズン途中からの起用で18セーブを挙げたブランドン・ディクソンで決まっている。すでに西村監督も明言しており、今シーズンは開幕から守護神を務めることになる。

一方で、セットアッパーはまだ決まっていない。昨シーズン苦しんだ増井浩俊、52試合で22ホールドを挙げた近藤大亮らを中心に海田智行、吉田一将、そして新外国人のヒギンスらがしのぎを削る。先発同様にサバイバルレースとなりそうだ。

昨シーズンのチーム防御率4.05、637失点はともにリーグ5位。上位浮上を目指すためには先発、中継ぎともに改善が不可欠だ。核となる存在は確立できているだけに、その他の選手たちの躍進が鍵を握りそうだ。

 

Sporting News Japan Staff

Sporting News Japan Staff Photo

日本を拠点に国内外の様々なスポーツの最新ニュースや役に立つ情報を発信しているスポーティングニュース日本版のスタッフアカウント。本家であるスポーティングニュース米国版の姉妹版のひとつとして2017年8月に創刊された日本版の編集部員が取材・執筆しています。