日本時間2月12日(月)に開催の第58回スーパーボウルが近づくにつれ、どちらが勝つか、誰かMVPに輝くかの議論もヒートアップしてきた。
MVPに関して言えば、過去のスーパーボウルではクォーターバック(QB)が圧倒的多数を占めてきた。今回の第58回スーパーボウルでも、スーパーボウルMVPについては当然のように、カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズとサンフランシスコ・49ers のブロック・パーディ、両チームのQBが有力候補と見られている。
ただ驚いたことに現時点では、チームとして不利の予想がされているチーフスQBマホームズの方がMVPの最有力と予想されている。
マホームズの1番のターゲット、テイラー・スウィフトとの熱愛も話題の的になっているTEトラビス・ケルシーの株も上昇中、徐々にオッズの差は縮まってきている。
本記事の掲載段階(2/8時点)でのスーパーボウルMVP受賞者のオッズは以下の通りとなっている(米ブックメーカー「FANDUEL」「BetMGM」のオッズから)。
- パトリック・マホームズ(チーフスQB):「+150」
- ブロック・パーディ(49ers QB):「+230」
- クリスチャン・マカフリー:(49ers RB) 「+450」
- トラビス・ケルシー(チーフスTE):「+1400」
- ディーボ・サミュエル(49ers WR):「+2500」
- アイザイア・パチェコ(チーフスRB):「+2800」
- ブランドン・アイユーク(49ers WR):「+5000」
- ラシー・ライス(チーフスWR):「+6600」
- ジョージ・キトル(49ers TE):「+8000」
- クリス・ジョーンズ(チーフスDT):「+12500」
- ニック・ボサ(49ers DE):「+12500」
スーパーボウル・サンデーが近づくにつれ、オッズは変化していくだろう。QBの受賞回数は確かに多いが、直近の受賞者10人のうち、2人はワイドレシーバーで、もう2人はラインバッカーで、QBが絶対に有利というわけではない。
現時点でオッズが高い「大穴」選手であっても、見逃さないようにしておきたい。
注:アメリカンオッズは基準額100ドルを元に配当を+と-で表示。例えば「+150」であれば100ドルを賭けて当たれば150ドルが配当となり、100+150ドル=250ドルの支払いとなる。「-150」となっていれば、150ドルを賭けないと100ドルの配当とならない。この場合も当たれば支払いは150+100=250ドルとなる。ちなみにそれぞれ、日本人に馴染み深いデシマル式に換算すると、+150は2.5、-150は1.7となり、マイナスのオッズがつけられている方がオッズが低いということになる。
スーパーボウル&MVPの過去の傾向
過去のスーパーボウル、スーパーボウルMVP受賞者の傾向は以下のとおりとなっている。
- 受賞者のポジション別人数:
- クォーターバック (32)
- ワイドレシーバー (8)
- ランニングバック (7)
- ディフェンス選手 (10: ラインバッカー 4, ディフェンシブエンド 2、セーフティ 2、コーナーバック1、ディフェンシブタックル 1)
- スペシャルチームの選手でスーパーボウルMVPを受賞したのはデズモンド・ハワードただ1人(第31回スーパーボウル)
- 第10回スーパーボウルまで出場チームのシード制は導入されてなかった。第11回以降のスーパーボウル勝利チームのシードは以下の通り(カッコ内は直近で勝利した大会):
- No. 1シード:26回(第57回)/今回の49ers
- No. 2シード:10回(第54回)
- No. 3シード:2回(第41回)/今回のチーフス
- No. 4シード:6回(第56回)
- No. 5シード:2回(第55回)
- No. 6シード:2回(第45回)
- カンファレンス別では、NFCが29勝、AFCが28勝。
- 直近10回のスーパーボウルのうち、AFCのチームが6度勝利。
スーパーボウルMVP予想:マホームズとパーディは本当に本命?
二人のクォーターバックをスーパーボウルMVPの本命に推すことには何ら不思議はない。マホームズ(+150)は過去に2度のスーパーボウルMVPに輝いていて大舞台の経験も十分、一方のパーディ(+230)は今季NFLリーグ2位のオフェンスを率いたクォーターバックであり、どちらもスーパーボウルで活躍するに十分な実力を備えた選手だからだ。
ただ、以下の選手たちもしっかりと検討しておくに値するだろう。
クリスチャン・マカフリーがMVPを受賞する可能性(+450)
49ers攻撃陣のリーダーがブロック・パーディだが、その中心にいるのはRBクリスチャン・マカフリーだ。今シーズン、マキャフリーはラン獲得ヤード、オールパーパス獲得ヤード、タッチダウン数でリーグトップの数字を残した。今回のスーパーボウルでもマカフリーがMVPに値するビッグプレーを見せる可能性は大いにある。
しかし、過去のデータはマカフリーに味方しないようだ。なにしろ、ランニングバックのスーパーボウルMVPは第32回スーパーボウルのテレル・デービス(デンバー・ブロンコス)以来誕生していないからだ。
トラビス・ケルシーがMVPを受賞する可能性(+1400)
これまでにタイトエンドがスーパーボウルMVPに輝いたことは一度もない。ただ、AFC決勝のボルティモア・レイブンズ戦で見せたようなパフォーマンス(パス11捕球116ヤード、1TD獲得)を見せれば、ケルシーが史上初のタイトエンドによるスーパーボウルMVP受賞者となるのも夢ではないだろう。
スーパーボウルMVPのダークホース
過去にディフェンスの選手がスーパーボウルMVPに輝いたのは10回、うち4回がラインバッカーの選手だった。ディフェンスの選手が受賞したケースでは、サックやターンオーバーなど、ビッグプレーを決めた選手が選ばれる事が多い。
- ニック・ボサ(49ers DE) 「+12500」
- クリス・ジョーンズ(チーフス DT) 「+12500」
- フレッド・ワーナー(49ers LB) 「+20000」
- ジョージ・カーラフティス(チーフス DT) 「+49000」
タックル、ロス・タックル、サック、ターンオーバー、そしてディフェンスのタッチダウンなどは、ダークホースたちにとって有利な材料となる。ジョーンズとカーラフティスは今季10.5サックでチーフスのトップ、ポストシーズンではカーラフティスの方が多くのサックを決めている(ジョーンズの2.5に対し、カーラフティスは3.5)。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。翻訳・編集:石山修二