アメリカンフットボールが観たくてスーパーボウルを観るという人が多いのは当たり前だが、ハーフタイムショーが楽しみという人も世の中には大勢いるだろう。気にしてなかったけど、パーティーに行ったら偶然スーパーボウルが流れてたからという人もいるはずだ。
そして、中にはコマーシャル(CM)が観たくてスーパーボウルを観るという人もかなりの数いる。CMといえば、ビデオレコーダーやストリーミングが生み出しきた、いわば邪魔者扱いされる存在で、CMになるとテレビをミュートしてしまうという人も大勢いる。だが、スーパーボウルのCMとなると話は別だ。というのも、スーパーボウルには各企業がアイディアを振り絞った傑作CMが集まってくるからだ。
話題となるCMがスーパーボウルに集まってくる理由は簡単だ。スーパーボウルは1億1000万人が視聴する全米で最も多くの視聴者を集める番組。スーパーボウルでCMを流すのは自社の商品アピールに1番有効な投資手段と考えれているからだ。
また、多くの視聴者に印象的なCMを披露することは、企業にとっても大きなプラスになる。だからこそ、企業は高額な広告費を支払ってまでスーパーボウルでCMを出したいと考えている。
では、実際にスーパーボウルでCMを流すにはどれだけのコストがかかるのか? ここでは 2024年のCM30秒枠の放映料について紹介していく。
2024年スーパーボウルでのCM放映料はいくら?
2024年のスーパーボウルのCM放映料は、過去2シーズンのスーパーボウルとほぼ同レベルに設定されている。MSNの記事によれば、30秒のCM放映料は650万〜700万ドル(約9億6200万〜10億3600万円、1ドル148円換算)となっている。
ちなみに、米ネットワークCBSが前回スーパーボウルを放映したのは2021年、その時に30秒CM放映料は550万ドル(約8億1400万)だったことを考えると、わずか3年の間にCMを出す企業にとってはかなりの出費額アップとなっている。
それでも早い段階でCM枠はほぼ完売と報道されていた。
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2023年スーパーボウルでのCM放映料はいくらだった?
去年のスーパーボウルでの30秒CM放映料は700万ドル(10億3600万円)、その前年は650万ドル(約9億6200万円)だった。2021年(550万ドル、約8億1400万円)から2022年(650万ドル)の100万ドルの価格アップは史上最高の上昇額で、約18.2%という上昇率で見ても1998年から1999年(129万1000ドル/約1億9092万円→160万ドル/2億3680万円、約19.4%)に次ぐものとなった。
過去最高の上昇率は1984年から1985年にかけてで、この時は36万8200ドル(約5449万円)から52万5000ドル(約7770万円)へ、約42.6%の価格上昇となっていた。
スーパーボウルのCM枠の長さは?
スーパーボウルの広告枠の長さは決まっていない。通常のCM枠は30秒だが、コストをかけて45秒、60秒といったより長い広告枠を確保する企業もあれば、15秒CMでコストを抑える企業もある。
英マーケティング会社「Kantar」によれば、スーパーボウル全体を通しての広告の時間帯は通常約50分程度。そう考えると、30秒のCM枠はトータルの1%ほどにあたり、短いようにも思えるが、決して少なくない時間であることが分かる。
スーパーボウル中のCMの本数は?
通常、スーパーボウル放映中のCMの本数は80〜100本。30秒枠よりも長いCM、短いCMがあるため、実際の本数は毎年前後する。
データプラットフォーム会社「Statista」によれば2020年のスーパーボウルでは広告時間帯が46分しかなかったため、CM本数は70本と少なめだった。
最初のスーパーボウルでのCM放映料
第1回スーパーボウルが行われたのは1967年、この年はCBSとNBCの両ネットワークで放映された。企業によっては選択肢が二つあったわけだが、それでもNBCでは3万7500ドル、CBSでは4万2500ドルとそのCM放映料は決して安くはなかった。
米合衆国労働省労働統計局のインフレ率を勘案すると、現在の価格ではそれぞれ34万9634ドル50セント(約5174万5906円)、39万6252ドル43セント(約5864万5369円)になる。
視聴者数はNBCが2442万人、CBSが2675万人、一人当たりで計算するとNBCは651ドル47セント(約9万6418円)、CBSは587ドル91セント(約8万7011円)になる。
過去のスーパーボウルでのCM放映料
年度 | 30秒CM放映料 |
---|---|
1967 | $37,500 (NBC) $42,500 (CBS) |
1968 | $54,500 |
1969 | $55,000 |
1970 | $78,200 |
1971 | $72,500 |
1972 | $86,100 |
1973 | $88,100 |
1974 | $103,500 |
1975 | $107,000 |
1976 | $110,000 |
1977 | $125,000 |
1978 | $162,300 |
1979 | $185,000 |
1980 | $222,000 |
1981 | $275,000 |
1982 | $324,300 |
1983 | $400,000 |
1984 | $368,200 |
1985 | $525,000 |
1986 | $550,000 |
1987 | $600,000 |
1988 | $645,500 |
1989 | $675,500 |
1990 | $700,400 |
1991 | $800,000 |
1992 | $850,000 |
1993 | $850,000 |
1994 | $900,000 |
1995 | $1,150,000 |
1996 | $1,085,000 |
1997 | $1,200,000 |
1998 | $1,291,100 |
1999 | $1,600,000 |
2000 | $2,100,000 |
2001 | $2,200,000 |
2002 | $2,200,000 |
2003 | $2,200,000 |
2004 | $2,302,200 |
2005 | $2,400,000 |
2006 | $2,500,000 |
2007 | $2,385,365 |
2008 | $2,699,963 |
2009 | $2,999,960 |
2010 | $2,954,010 |
2011 | $3,100,000 |
2012 | $3,500,000 |
2013 | $3,800,000 |
2014 | $4,000,000 |
2015 | $4,250,000 |
2016 | $4,500,000 |
2017 | $5,000,000 |
2018 | $5,200,000 |
2019 | $5,300,000 |
2020 | $5,600,000 |
2021 | $5,500,000 |
2022 | $6,500,000 |
2023 | $7,000,000 |
2024 | $7,000,000 |
出典: SuperBowl-ads.com (ニールセン・メディア・リサーチ)