2021-22 NFLプレーオフでは5人のクォーターバック(QB)が初めてプレーオフの舞台で先発出場する。
かつてドラフト全体1位指名を受けたジョー・バロウとカイラー・マーレイ、かつてアラバマ大のスターだったマック・ジョーンズとジェイレン・ハーツ、そしてベテランのデレック・カーがそのグループを構成する5人だ。
そのグループは権威の壁に挑戦することになる。ス―パーボウル優勝7回とMVP3回のトム・ブレイディがその筆頭だ。他にはNFCにMVP2回のアーロン・ロジャースが控え、そしてパトリック・マホームズ2世がスーパーボウル連続出場へ向けてカンザスシティ・チーフスを引っ張ってきている。彼らがまたその圧倒的な力量を見せつけることになるだろうか。
スポーティングニュースでは今年のプレーオフに出場する14人のQBを様々な要因を交えて格付けしてみた。誰がもっとも優れているか、プレーオフの経験がどれだけ評価するか、大舞台での試合でもっとも信頼できるのは誰なのか。
下記は彼らQBを年齢順に並べ、過去のプレーオフ成績を比較したものである。
クォーターバック | 年齢 | MVP | プレーオフ戦績 | スーパーボウル戦績 |
マック・ジョーンズ | 23 | 0 | 0-0 | 0-0 |
ジェイレン・ハーツ | 23 | 0 | 0-0 | 0-0 |
カイラー・マーレイ | 24 | 0 | 0-0 | 0-0 |
ジョー・バロウ | 25 | 0 | 0-0 | 0-0 |
ジョシュ・アレン | 25 | 0 | 2-2 | 0-0 |
パトリック・マホームズ | 26 | 1 | 6-2 | 1-1 |
ダック・プレスコット | 28 | 0 | 1-2 | 0-0 |
ジミー・ガロポロ | 30 | 0 | 2-1 | 0-1 |
デレック・カー | 30 | 0 | 0-0 | 0-0 |
ライアン・タネヒル | 33 | 0 | 2-2 | 0-0 |
マシュー・スタッフォード | 33 | 0 | 0-3 | 0-0 |
アーロン・ロジャース | 38 | 2 | 11-9 | 1-0 |
ベン・ロスリスバーガー | 39 | 0 | 13-9 | 2-1 |
トム・ブレイディ | 44 | 3 | 34-11 | 7-3 |
これがそのリストだ。要するにブレイディとその他全員というわけである。
NFLプレーオフ QB パワーランキング 2021-22
1. トム・ブレイディ、タンパベイ・バッカニアーズ
2021年シーズン成績: 5,316 ヤード、 45 タッチダウン、 12 インターセプト
ブレイディ以外の誰が1位に選ばれるべきだと言うのか。スーパーボウル優勝を7回果たし、今でもMVP級のパフォーマンスを発揮している。昨シーズン、ブレイディはバッカニアーズをワイルドカード枠からスーパーボウル・チャンピオンへと導いた。そして今年もまた同じ目標へと向かっている。ここまでスーパーボウルには10回出場しているが、これは他の選手全員の合計より3回多い数字である。そして次点2人のQBを昨年のポストシーズンで破っている。その再現はなるだろうか。
2. アーロン・ロジャース、グリーンベイ・パッカーズ
2021年シーズン成績: 4,115 ヤード、 37 タッチダウン、4 インターセプト
昨シーズンと同じ状況である。ロジャースはパッカーズを2010年以来となるスーパーボウル出場を狙える位置にまで導いてきた。パッカーズには本拠地アドバンテージがあるし、ロジャース個人も2年連続でMVPに選出される可能性がある。オフシーズン中は退団の噂が絶えなかったロジャースだが、その後は安定した高いレベルのパフォーマンスを発揮している。ロジャースは本拠地ランボー・フィールドにおけるポストシーズン戦績は5勝3敗であり、さらに付け加えるとNFCチャンピオンシップ・ゲームでの戦績は1勝4敗である。
3. パトリック・マホームズ、カンザスシティ・チーフス
2021年シーズン成績: 4,839 ヤード、 37 タッチダウン、13 インターセプト
チーフスはNo. 1 シードの座を逃したが、それでもマホームズはAFCカンファレンス制覇を狙えるクォーターバックである。これまでのAFCプレーオフ6試合で、平均294.3ヤードとタッチダウン15個を記録し、インターセプトは1個もない。マホームズがチーフスをワイルドカード枠からスーパーボウルへと導くとなれば、それは初めてのことになるが、AFCのクォーターバックでスーパーボウルでの経験があるのはマホームズしかいない。
4. ダック・プレスコット、ダラス・カウボーイズ
2021年シーズン成績: 4,449 ヤード、 37 タッチダウン、10 インターセプト
プレスコットは見事な復活のシーズンを遂げた。特にシーズン終盤の4試合では、13個のタッチダウンを奪い、インターセプトは1個も喫しなかった。次のステップはカウボーイズをプレーオフで引っ張ることだ。これまでのプレーオフ3試合で、プレスコットの戦績は2勝1敗であり、5個のタッチダウンと2個のインターセプトを記録している。その3試合はいずれも一桁得点だった。シーズン第1週目の試合でカウボーイズはバッカニアーズに勝利している。その再戦は地区ラウンドで実現する可能性がある。
5. ジョー・バロウ、シンシナティ・ベンガルズ
2021年シーズン成績: 4,611 ヤード、 34 タッチダウン、14 インターセプト
過大評価だろうか。バロウのプレイ平均獲得ヤード(8.9)と成功率(70.4% )はどちらもNFL1位である。シーズン終盤の本拠地2連戦でボルティモア・レイブンズとチーフスを連破したが、その2試合合計で971ヤードと8つのタッチダウンを奪い、インターセプトは1個も喫しなかった。元ドラフト全体1位指名選手であり、プレーオフは初出場になる。ベンガルズにとっても1991年1月6日以来のプレーオフ進出となる。バロウはこの順位をさらに上げていくだろう。今もっとも注目されるクォーターバックを擁していることで、ベンガルズは上を狙えるチームだ。多士済々ではあるが、現在我々が高く評価するQBはバロウである。
6. ジョシュ・アレン、バッファロー・ビルズ
2021年シーズン成績: 4,407 ヤード、 36 タッチダウン、15 インターセプト
アレンは昨シーズン、ビルズをAFCチャンピオンシップ・ゲームまで導いた。その経験は活かせるはずだ。これまでに先発出場したプレーオフ4試合で、平均270.3ヤードと5個のタッチダウン、そして1個のインターセプトを記録している。AFCワイルドカード・ラウンドでニューイングランド・ペイトリオッツを破ることができれば、バッファローのファンからの支持をさらに集めることができるだろう。アレンは昨シーズンの経験を活かし、ビルズを再びスーパーボウルの舞台に戻すことができるだろうか。答えはまもなく明らかになる。
7. マシュー・スタッフォード、ロサンゼルス・ラムズ
2021年シーズン成績: 4,886 ヤード、 41 タッチダウン、17 インターセプト
スタッフォードがロサンゼルスへやって来たのはこのためだった。今シーズンも十分すぎるほどのヤード数とタッチダウンを獲得した。しかし、大事な場面でインターセプトを喫するケースが多いという問題も相変わらず抱えている。デトロイト・ライオンズ時代、スタッフォードはプレーオフに3回出場し、平均302.7ヤード、4個のタッチダウン、3個のインターセプトを記録している。プレッシャーがさらに高まる中、エリートがひしめくNFCクォーターバックたちの中で格付け順位を上げることは非常な困難を伴う。
8. ベン・ロスリスバーガー、ピッツバーグ・スティーラーズ
2021年シーズン成績: 3,740 ヤード、 22 タッチダウン、10 インターセプト
スーパーボウル優勝2回を誇るロスリスバーガーのキャリアは終わりに近づいている。スティラーズがプレーオフ進出を勝ち取ったことで、最後の花道を飾ることになりそうだ。39歳のロスリスバーガーは23回目のポストシーズン先発を果たす。最後にプレーオフで勝利したのは2017年1月15日のチーフス戦だった。第16週目でチーフスはスティーラーズを36-10で下しているが、この試合がロスリスバーガーの長いキャリアの終焉を示すものになってしまうのだろうか。その素晴らしいキャリアには敬意を払うべきではあるが、現在ではその上を行くクォーターバックが他にいる。
9. ライアン・タネヒル、テネシー・タイタンズ
2021年シーズン成績: 3,734 ヤード、 21 TD, 14 インターセプト
33歳のベテランに対して、この順位は低すぎるだろうか。何はともあれ、タネヒルはタイタンズをAFCの No. 1 シードにまで導いたのだから。これまでに先発出場したAFC プレーオフの戦績は2勝2敗である。平均して133.5ヤードを獲得し、合計で6個のタッチダウンと2個のインターセプトを記録している。デリック・ヘンリー(ランニングバック)が復帰することになれば、タネヒルがタイタンズをスーパーボウルまで導くことは大いに考えられる。
10. デレック・カー、ラスベガス・レイダース
2021年シーズン成績: 4,804 ヤード、 23 タッチダウン、14 インターセプト
先月だけを見れば、カーはもっと高い評価を受けるべきかもしれない。シーズン終盤の4連勝、特にプレーオフ進出を勝ち取ったインディアナポリス・コルツ戦とロサンゼルス・チャージャーズ戦でのカーの活躍は目を見張るものだった。カーはキャリア8年目にして初のポストシーズン出場となる。そのため、大舞台での力を発揮できるかどうかは未知数である。カーは今シーズン、アウェー戦でのQBレイティングは94.4であり、対戦するバロウもまたプレーオフ初出場だ。ベンガルズとのワイルドカード戦は注目に値する。
11. カイラー・マーレイ、アリゾナ・カーディナルス
2021年シーズン成績: 3,787 ヤード、 24 タッチダウン、10 インターセプト
かつてのドラフト全体1位指名を受けたマーレイはプレーオフでのデビューを果たす。その試合を作る能力はカーディナルスを危険なチームに作り上げている。カーディナルスは直近5試合で4敗を喫した。そしてマーレイは積極的だが安定性を欠いている。最後のラムズとの対戦では383ヤードを獲得したが、2個のインターセプトも喫している。
12. ジミー・ガロポロ、サンフランシスコ・49ers
2021年シーズン成績: 3,810 ヤード、 20 タッチダウン、12 インターセプト
ガロポロは多くの批判と故障にさらされてきた。しかし、たった2年で49ersをスーパーボウルへと導いたことは忘れてはならない。ガロポロは今年のプレーオフに出場するチームとの対戦成績が4勝3敗であり、それにはタイタンズとパッカーズに僅差で敗れた試合も含まれる。49ersは7番目ぎりぎりでプレーオフに進出した。それだけに危険なチームだ。そして、ガロポロはプレーオフでの戦いを熟知している。
13. ジェイレン・ハーツ、フィラデルフィア・イーグルス
2021年シーズン成績: 3,144 ヤード、 16 タッチダウン、9 インターセプト
ハーツはプレーオフ初出場を果たすアラバマ大出身クォーターバックのもう1人だ。今シーズンのハーツはラッシングで784ヤードと10個のタッチダウンを獲得した。20ヤード以上をラッシュした試合は8試合ある。ハーツは学生時代、2つの異なる大学で傑出した成績を残した。しかし、バッカニアーズとブレイディとの対戦は究極の試練となるだろう。
14. マック・ジョーンズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ
2021年シーズン成績: 3,801 ヤード、 22 タッチダウン、13 インターセプト
ジョーンズは昨年、アラバマ大を全米大学アメフト決勝戦へ導いた。そして今、ビル・ベリチック率いるペイトリオッツの選手としてプレーオフに臨もうとしている。この新人は常にブレイディと比較されるだろう。アウェー戦でのパフォーマンスが課題だ。今シーズン、アウェーでの8試合合計で6個のタッチダウンと6個のインターセプトを記録し、QBレイティングは85.4である。そして対戦相手であるビルズの守備力はリーグのトップ5に入る。
(翻訳:角谷剛)
▶アメフト観るならDAZNで。1か月間無料トライアルを今すぐ始めよう