NFLパワーランキング 9/13版:開幕週終了でイーグルスとバイキングスがNFCで浮上 / 49ers、パッカーズ、カウボーイズが後退

Vinnie Iyer

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9月8日に開幕を迎えた今季NFL。12日に第1週目の全試合を終えたところで予想通りの勢いをみせたチームもいれば、開幕前の予想とは違う走り出しとなったチームも多数でた。ビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が開幕週後のパワーランキングを伝える。

NFL2022-23年レギュラーシーズン第1週目が終了した。いつものことではあるが、このリーグについて予測するうえで最も大きな要素とはその予測不可能性であることが改めて浮き彫りになった。

プレシーズン後のパワーランキングで1位となったチームは木曜夜のシーズン開幕戦でその実力を見せつけたが、その後の日曜日にはいくつかの番狂わせや異変が起きた。

いくつかの有力チームがバッファロー・ビルズを追っているが、なかには問題を露呈してしまったチームもある。下位グループと思われていたが、予想外の好スタートを切ったチームもある。そうした第一印象を交えて、全32チームの状況を洗い直してみた。

Patrick Mahomes
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NFLパワーランキング2022年第2週目

ポジション略称:クォーターバック=QB、ランニングバック=RB、ワイドレシーバー=WR、タイトエンド=TE、ガード=G、オフェンシブタックル=OT、ディフェンシブタックル=DT、ディフェンシブエンド=DE、ラインバッカー=LB、コーナーバック=CB、セーフティ=S、オフェンシブガード=OG、プレースキッカー=PK

1. バッファロー・ビルズ、 1勝0敗、(前回の順位:1)

ビルズはロサンゼルス・ラムズを圧倒した。MVP候補のジョシュ・アレン(QB)と新たにボン・ミラー(LB)を加えた守備陣はいかんなくその実力を発揮した。強豪ひしめくAFCの頂点に立っているのはこのチームだ。

2. カンザスシティ・チーフス、 1勝0敗、(2)

チーフスもNFC西地区でプレーオフ進出を狙う相手を敵地アリゾナで一蹴してみせた。パトリック・マホームズ(QB)と攻撃陣は、タイリーク・ヒル(WB)が抜けたことでスタイルは変化したものの、依然として強力である。アンディ・リード(ヘッドコーチ)とそのスタッフはビルズを安心させることはないだろう。

3. タンパベイ・バッカニアーズ、 1勝0敗、 (3)

バッカニアーズは今回トム・ブレイディ(QB)のパスにあまり頼らなかった。引退から復帰後の初戦となったブレイディだったが、ラン攻撃と守備陣の活躍のおかげで、楽な試合運びをすることができた。それでもレシーバー陣の充実ぶりを示唆するいくつもの兆候が見えた。

4. ロサンゼルス・チャージャーズ、1勝0敗、 (4)

チャージャーズはラスベガス・レイダースを相手に新しいスタイルの守備陣を披露した。新顔のJ.C.ジャクソン(CB)を欠いたが、カリル・マック(LB)は古巣との対戦に燃えた。MVP候補のジャスティン・ハーバート(QB)と攻撃陣は好調を維持しているうえ、新たな戦力も姿を現し始めたようだ。

5. ボルティモア・レイブンズ、1勝0敗、 (6)

レイブンズはラマー・ジャクソン(QB)のラン攻撃をあまり活用しなかった。J.K. ドビンズ(RB)も欠いたままだ。しかし、契約更改がかかるジャクソンの奮闘はジェッツを寄せ付けなかった。守備陣にも力強さが戻ってきている。

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(Getty Images)

6. フィラデルフィア・イーグルス、1勝0敗、 (12)

ジェイレン・ハーツ(QB)は試合前半のパスは振るわなかったが、ラン攻撃と新加入のA.J. ブラウン(WR)へのパスで調子を取り戻した。イーグルスの攻撃陣は敵地デトロイトでバランスがよく、相手を寄せ付けない勢いを見せた。しかし、守備陣には新たに穴が見え始めた。攻撃陣にはさらなる得点力が要求されるだろう。

7. ミネソタ・バイキングス、1勝0敗、 (14)

バイキングスは新ヘッドコーチのケビン・オコンネルがジャスティン・ジェファーソン(WR)を中心とした攻撃陣の強化に成功した。守備コーディネーターのエド・ドナテルが率いる守備陣も積極性を増したスタイルでグリーンベイ・パッカーズを見事に封じ込めた。

8. ロサンゼルス・ラムズ、0勝1敗、 (8)

ラムズはマシュー・スタッフォード(QB)の故障とRB陣の不調を挽回することができなかった。アンドリュー・ウィットワース(元OT)とオースティン・コーベット(OG)が抜けた攻撃ライン陣もその穴を埋め切れていない。守備陣も主力を失ってしまった。次週に敵地で行われるアトランタ・ファルコンズ戦を復調のきっかけにしたいところだ。

9. サンフランシスコ・49ers 、0勝1敗、 (5)

前評判が高かった49ersはトレイ・ランス(QB)の力を引き出せなかった。ラン攻撃にもパス攻撃にも大きな見せ場がなく、シカゴ・ベアーズになすすべもなく敗れた。守備陣は崩壊し、ランスは相手の攻撃にさらされた。次週に本拠地で行われるシアトル・シーホークス戦を復調のきっかけにしたいところだ。

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10. グリーンベイ・パッカーズ、0勝1敗、 (7)

パッカーズは敵地のバイキングス戦で敗れた。攻撃ライン陣とアーロン・ロジャース(QB)のパスを受けるWR陣に重大な欠陥があった。バイキングスの強力なパスラッシュに抵抗するすべも持たなかった。故障者が戻ってくれば、状況は好転するかもしれない。昨シーズンの初戦でニューオーリンズ・セインツに敵地で大敗したあとに挽回したように。

11. ピッツバーグ・スティーラーズ、1勝0敗、 (15)

スティーラーズはミッチェル・トゥルビスキー(QB)率いる攻撃陣はさほど良くなかった。しかし、それでもパス攻撃は十分に機能したうえ、守備陣の活躍は素晴らしく、シンシナティ・ベンガルズから勝利をもぎ取ってみせた。延長戦での勝利は心地良いはずだ。しかし、T・J・ワット(LB)とナジー・ハリス(RB)が故障で離脱するという大きな痛手を負ったかもしれない。

12. シンシナティ・ベンガルズ、0勝1敗、 (9)

ベンガルズはスーパーボウル進出に油断してスティーラーズ戦で不覚をとったわけではない。しかし、トレーニング・キャンプとプレシーズンでジョー・バロウ(QB)の調整が遅れたことが、ターンオーバー(ディフェンスがオフェンスのボールを奪っての攻守交代)を連発する結果を招いてしまった。バロウとスペシャルチームの失敗は大きな敗因ではあるが、さらに大きな懸念材料は強化されたはずの攻撃ライン陣が機能しなかったことだ。

13. マイアミ・ドルフィンズ、1勝0敗、 (19)

新ヘッドコーチのマイク・マクダニエルは、新加入のタイリーク・ヒル(WR)とトゥア・タゴバイロア(QB)を中心にした攻撃陣の立て直しに成功した。さらに印象的なことは積極的な守備陣がすべての部分で機能したことで、ニューイングランド・ペイトリオッツから大勝を収めた。

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(Getty Images)

14. クリーブランド・ブラウンズ、1勝0敗、 (18)

ブラウンズはジャコビー・ブリセットをQBに据えた勝利の方程式を確立した。ニック・チャブ(RB)とカリーム・ハント(RB)を中心にしたラン攻撃とマイルズ・ギャレット(DE)を中心とした守備力である。スペシャルチームの新人ケイド・ヨーク(PK)も大きな戦力になることはさらに朗報である。

15. ニューオーリンズ・セインツ、1勝0敗、 (22)

セインツはジェイミス・ウィンストン(QB)が膝の故障から復帰したことを喜ぶべきだろう。マイケル・トーマス(WR)とジャービス・ランドリー(WR)を使ったパス攻撃をより積極的に展開することができる。テイサム・ヒル(TE)とQBの座を争ったことは、ウィンストンにとって良い刺激になったようだ。デニス・アレン(ヘッドコーチ)は守備力に重きを置くタイプだが、その部分にはやや不安が残る。

16. インディアナポリス・コルツ、0勝0敗1分け、 (13)

マット・ライアン(QB)は攻撃の要として十分な力量があることを示した。しかし、前半のスロースタートといくつかのミスがたたり、ジョナサン・テイラー (RB)によって強化された攻撃陣は敵地ヒューストンでテキサンズを破ることはできなかった。AFC南地区の優勝候補になるかについては疑問符がついた。

17. デンバー・ブロンコス、0勝1敗、 (10)

ラッセル・ウィルソン(QB)のシアトル凱旋は期待外れな結果に終わった。攻撃陣は崩壊し、後半に守備陣が奮闘したことが、水の泡となってしまった。ナサニエル・ハケット(ヘッドコーチ)には大きな試練が与えられている。

18. ダラス・カウボーイズ、0勝1敗、 (11)

予想された通りバッカニアーズ戦ではカウボーイズの攻撃陣は振るわなかった。ダック・プレスコット(QB)が手に故障したことはさらなる痛手を増やした。守備陣はトム・ブレイディ(QB)をできるだけ封じ込めようとしたが、ラン攻撃を防ぐことはできなかった。次週に本拠地で行われるベンガルズ戦はシーズンの行方を占う重要な試金石となる。

19. シカゴ・ベアーズ、1勝0敗、 (25)

ベアーズは49ersから見事な逆転勝ちを収めた。ジャスティン・フィールズ(QB)は派手なプレイはそれほど多くはなかったが、悪天候の中、要所でチャンスをものにした。マット・エバーフラス(ヘッドコーチ)が立て直した守備陣が機能したことも朗報のひとつだ。

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20. ニューヨーク・ジャイアンツ、1勝0敗、 (26)

ジャイアンツはテネシー・タイタンズを敵地で破った。故障が癒えたセイクワン・バークリー(RB)が本来の爆発力を発揮し、ダニエル・ジョーンズ(QB)を強力にサポートした。新しいスタイルの守備陣は2人の若い主力を欠きながらも機能した。ブライアン・デイボール(新ヘッドコーチ)とマイク・カフカ(新攻撃コーディネーター)にとっては明るい前途が見えた初戦だった。

21. アリゾナ・カーディナルス、0勝1敗、 (17)

カーディナルスはチーフスに大敗した。攻撃陣はカイラー・マレー(QB)をサポートすることができず、J・J・ワット(DE)を欠いた守備陣はまったく機能しなかった。またしても、プレーオフを狙うチームには見えない。

22. テネシー・タイタンズ 、0勝1敗、 (16)

タイタンズの攻撃陣は健闘した。ライアン・タネヒル(QB)はデリック・ヘンリー(RB)らのラン攻撃を上手く活用していた。しかし、この新しい作戦を完全に機能させるまでには至らなかった。マイク・ブラベル(ヘッドコーチ)はハロルド・ランドリー(LB)を故障で欠いた守備陣を根本的に立て直す必要がある。

23. ニューイングランド・ペイトリオッツ、0勝1敗、 (20)

ペイトリオッツは攻撃コーディネーターを誰が務めるかがはっきりしておらず、マック・ジョーンズ(QB)を中心にすえた攻撃陣は混乱したままだ。ラン攻撃にもパス攻撃にも見るべきところがなく、敵地マイアミでドルフィンズに大敗した。相変わらずパス攻撃に対する守備力も弱いままだ。ビル・ベリチック(ヘッドコーチ)のマジックも期待できそうもない。

24. ラスベガス・レイダース、0勝1敗、 (21)

レイダースの攻撃陣はデレック・カー(QB)とダバンテ・アダムス(WR)がコンビを組み、そしてジョシュ・マクダニエルズ(ヘッドコーチ)が指揮を執ることで、非常に大きな期待が寄せられていた。しかし、残念なことに彼らはブロック力に欠けている。そして守備陣をまとめる存在にも不足している。

25. ワシントン・コマンダース、1勝0敗、 (27)

コマンダースは守備陣が大崩れしたが、ジャクソンビル・ジャガーズに辛勝した。カーソン・ウェンツ(QB)はロングパスを多用した新たな作戦が冴え、攻撃陣のすべての戦力を有効に活用し、NFC東地区で自身2度目のデビュー戦をなんとかものにした。

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(Getty Images)

26. シアトル・シーホークス、1勝0敗、 (31)

シーホークスはラッセル・ウィルソン(QB)がブロンコスにおけるデビュー戦を勝利で飾ることを許さなかった。ジーノ・スミス(QB)とピート・キャロル(ヘッドコーチ)が作り上げた守備陣の働きは大きい。しかし勝利の余韻に浸っている余裕はない。次戦は敵地サンフランシスコでの49ers戦が待ち構えている。誰もが予想しなかったNFC西地区首位の座を守るためには重要な試合になる。

27. デトロイト・ライオンズ、0勝1敗、 (23)

ライオンズは最後まで諦めない姿勢を見せた。ダン・キャンベル(ヘッドコーチ)が好み、そしてHBO Maxのテレビシリーズ『Hard Knocks』でとりあげられたような戦闘モードだった。ジャレッド・ゴフ(QB)の周りを支える攻撃ブロック陣は最後まで奮戦した。しかし、残念なことに、守備陣にまったく良いところがなかった。

28. ヒューストン・テキサンズ 、0勝0敗1分け、 (32)

テキサンズは希望を見出すことができた。デービス・ミルズ(QB)と攻撃陣は安定していたし、そして守備陣が期待通りのパフォーマンスでマット・ライアン(QB)に対抗したからだ。ただし、ラン攻撃に対しては脆すぎるままだ。試合終盤に失点を重ね、ラビー・スミス(ヘッドコーチ)はなんとか敗北を免れるのが精一杯だった。

29. カロライナ・パンサーズ、0勝1敗、 (28)

パンサーズの攻撃陣は移籍後初登板のベイカー・メイフィールド(QB)が不安定であったが、いくつかのビッグプレイと相手のミスに助けられ、まずまずの結果を挙げることができた。最大の課題はランに対する守備力が脆すぎることだ。

30. アトランタ・ファルコンズ 、0勝1敗、 (29)

マーカス・マリオタ(QB)とコーダレル・パターソン(RB)の攻撃力はアーサー・スミス(ヘッドコーチ)の要求に応えた。カイル・ピッツ(TE)はあまり活用されなかった。残念なことに、守備陣が相手のビッグプレイをパスもランも防ぐことができなかった。

31. ジャクソンビル・ジャガーズ、0勝1敗、 (30)

ジャガーズの攻撃陣は急激に機能するようになった。ダグ・ペダーソン(現ヘッドコーチ)はトレバー・ローレンス(QB)を中心とした攻撃陣を再建しつつある。しかし、まだ塞ぐべき穴は多い。トラボン・ウォーカー(LB)が引っ張る守備陣もコマンダース相手に健闘した。若い才能ある選手たちをまとめ上げるのには、まだもう少しだけ時間が必要になるだろう。

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(Getty Images)

32. ニューヨーク・ジェッツ、0勝1敗、 (24)

ジェッツは予想通り、ジョー・フラッコ(QB)を移籍後初の古巣との対戦となったレイブンズ戦に起用した。ロバート・サレー(ヘッドコーチ)によって改善された守備陣はさらに良い仕事をした。攻撃陣の新戦力も見どころを作った。しかし、このチームはまだ再建途上にあり、勝利をあげることは難しい。

原文: NFL power rankings: Eagles, Vikings climb NFC hierarchy; 49ers, Packers, Cowboys slide after Week 1
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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NFL Writer

Vinnie Iyer

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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.