NFL2021プレーオフ展望:シーズン14週目終了時点でのAFC, NFC順位


Vinnie Iyer

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2021年のNFLレギュラーシーズンも2ケタ目の週に入り、今年から17試合制に拡大されたシーズンの終了が近づいてきた。第14週目を終え、もう一度現在の順位とプレーオフの展望を確認しよう。

プレーオフ出場枠は昨年のポストシーズンと同じく、AFC、NFCそれぞれのカンファレンスから7チームに与えられる。NFL全体32チームのうち、14チーム(43.8%)である。その中で、カンファレンス1位のチームのみ、ワイルドカード・シリーズの不戦勝と本拠地アドバンテージを獲得する。

どのチームがプレーオフ進出を確実にしているのか、どのチームにまだ望みがあるのか、そしてどのチームが来シーズンのことを考えるべきなのか? 現在の全体図は以下の通りだ。

NFL シーズン13週目終了時点の順位

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AFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. ニューイングランド・ペイトリオッツ (9勝4敗)、AFC東地区1位: 第13週目の最終戦、月曜夜のバッファロー・ビルズ戦を前に、ペイトリオッツはその時すでにトップシードを手中にしていた。その前にボルティモア・レイブンズが敗れていたからである。そのビルズ戦に勝利したことで、第14週目の結果にかかわらず、すべてのタイブレークで優位に立った。。ペイトリオッツはAFC内で7勝1敗という好成績の勢いを保ったまま、シーズン終盤のバイ・ウィークで貴重な休養を取ることもできた。 残りの対戦相手: インディアナポリス・コルツ(アウェー)、バッファロー・ビルズ(本拠地)、ジャクソンビル・ジャガーズ(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(アウェー)

2. テネシー・タイタンズ (9勝4敗)、AFC南地区1位: タイタンズは第14週目の試合でジャクソンビル・ジャガーズから予想通りの楽な勝利を挙げた。直接対決で敗れたペイトリオッツを追いかけている。残りの対戦相手も格下チームが続くので、シード順を争うには有利な状況だ。地区内の順位もインディアナポリス・コルツに安全圏とも言える2ゲーム差をつけているうえ、シーズン前半に直接対決で2連勝している。 残りの対戦相手: ピッツバーグ・スティーラーズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)

3. カンザスシティ・チーフス (9勝4敗)、AFC西地区1位: チーフスは同地区内のライバルであるラスベガス・レイダースを第14週目の試合で難なく破り、連勝を6に伸ばした。AFC西地区の優勝へ着実に近づいている。勝敗ではペイトリオッツとタイタンズに並んでいるが、タイブレークで両チームを下回っている。その中には直接対決でタイタンズに敗れた試合も含まれる。 残りの対戦相手: ロサンゼルス・チャージャーズ(アウェー)、ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)、シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(アウェー)

4. ボルティモア・レイブンズ (8勝5敗)、AFC北地区1位: レイブンズは第14週目の試合でクリーブランド・ブラウンズに負けただけではなく、ラマー・ジャクソン(クォーターバック)も失うことになってしまった。控えクォーターバックのタイラー・ハントリーは活躍し、チームも試合後半に激しい追い上げを見せたが、あと一歩及ばなかった。故障者が続出しているうえに、残りの日程は非常に厳しく、息をつくことはできない。シンシナティ・ベンガルズがサンフランシスコ・49ersを破ったため、ワイルドカード枠は逃すことになる。  残りの対戦相手: グリーンベイ・パッカーズ(本拠地)、シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、ロサンゼルス・ラムズ(本拠地)、ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)

5. ロサンゼルス・チャージャーズ (8勝5敗)、AFC西地区2位: チャージャーズは第14週目の試合で予想されていた通りにニューヨーク・ジャイアンツを破り、チーフスを追いかける位置を維持している。1ゲーム差をつけられているが、第15週目には本拠地での直接対決を控え、タイブレークでは互角である。 残りの対戦相手: カンザスシティ・チーフス(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(本拠地)、ラスベガス・レイダース(アウェー)

6. インディアナポリス・コルツ (7勝6敗)、AFC南地区2位: コルツは第14週目はバイ・ウィークで試合がなかった。シンシナティ・ベンガルズが敗れたたため、チャージャーズとデンバー・ブロンコスが勝利したにもかかわらず、直接対決で勝ったビルズを抑えてプレーオフ進出が狙える位置に上がった。本拠地でペイトリオッツを迎え撃つ第15週目がこの位置に留まるための大きな試練になるだろう。 残りの対戦相手: ニューイングランド・ペイトリオッツ(本拠地)、アリゾナ・カーディナルス(アウェー)ラスベガス・レイダース(本拠地)、ジャクソンビル・ジャガーズ(アウェー)

7. バッファロー・ビルズ (7勝6敗)、AFC東地区2位: ビルズは第13週目の月曜夜の試合でペイトリオッツに僅差で敗れ、続く第14週目の試合ではバッカニアーズと延長戦にまで持ち込む健闘を見せたが、またしても勝利を挙げることはできなかった。プレーオフ進出枠の最下位にしがみついている。勝敗ではクリーブランド・ブラウンズ、シンシナティ・ベンガルズ、そしてデンバー・ブロンコスが同率で並んでいる。 残りの対戦相手: カロライナ・パンサーズ(本拠地)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(アウェー)、アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、ニューヨーク・ジェッツ(本拠地)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. クリーブランド・ブラウンズ(7勝6敗)

9. シンシナティ・ベンガルズ(7勝6敗)

10. デンバー・ブロンコス(7勝6敗)

11. ピッツバーグ・スティーラーズ(6勝6敗1分け)

第14週目に試合がなかったコルツはブラウンズに勝率で並ばれ、木曜夜にスティーラーズがミネソタ・バイキングスに敗れて、7勝5敗1分けを逃したところを目撃した。ブロンコスも勝率5割を上回ったが、ラスベガス・レイダースはそれができなかった。

既に敗退が決まっているチームは?

12. ラスベガス・レイダース(6勝7敗)

13. マイアミ・ドルフィンズ (6勝7敗)

14. ニューヨーク・ジェッツ(3勝10敗)

15. ヒューストン・テキサンズ(2勝11敗)

16. ジャクソンビル・ジャガーズ(2勝11敗)

この時点で勝率5割を下回っているチームは残りの4週間で挽回することは困難である。それだけAFCカンファレンスは混戦で、上位には多くのチームがひしめいているということだ。ドルフィンズは上昇機運に乗り、レイダースは大きく下落した。ジェッツ、テキサンズ、ジャガーズは既に敗退が決まっているが、僅かにNFCのデトロイト・ライオンズよりは上位にいる。

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NFC プレーオフ展望

プレーオフ進出に近いチームは?

1. グリーンベイ・パッカーズ (10勝3敗)、NFC北地区1位: パッカーズは日曜夜の試合でシカゴ・ベアーズを破り、再び前年度スーパーボウル覇者のタンパベイ・バッカニアーズを追い抜いた。パッカーズのNFCカンファレンス内の戦績は8勝2敗という驚異的なものだ。第14週目の最終戦でアリゾナ・カーディナルスが敗れたことが、パッカーズをNo.1シードの位置に押し上げた。残りの対戦相手: ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、クリーブランド・ブラウンズ(本拠地)、ミネソタ・バイキングス(本拠地)、デトロイト・ライオンズ(アウェー)

2. タンパベイ・バッカニアーズ (10勝3敗)、NFC南地区1位: バッカニアーズはNo.1シードの座を追いかけ続けている。AFCのバッファロー・ビルズを延長戦で下し、本拠地での全勝を守った。強敵との対戦は終わり、これからは地区内の弱い相手との対戦が続く。17週目のニューヨーク・ジェッツ(AFC)もまた楽な相手だ。どうやらシーズン終了まで、パッカーズ、バッカニアーズ、そしてカーディナルスが3チームでNo.1シードの座を争うことになりそうだ。 残りの対戦相手: ニューオーリンズ・セインツ(本拠地)、カロライナ・パンサーズ(アウェー)、ニューヨーク・ジェッツ(アウェー)、カロライナ・パンサーズ(本拠地)

3. アリゾナ・カーディナルス (10勝3敗)、NFC西地区1位: カーディナルスは月曜夜の試合でロサンゼルス・ラムズに敗れた。それにより、パッカーズとバッカニアーズの下位に落ちてしまった。タイブレークで両チームを下回っているためだ。地区優勝への道もやや足踏みをすることになった。地区内でラムズには1ゲーム差、サンフランシスコ・49ersには3ゲーム差に詰め寄られている。 残りの対戦相手: デトロイト・ライオンズ(アウェー)、インディアナポリス・コルツ(本拠地)、ダラス・カウボーイズ(アウェー)、シアトル・シーホークス(本拠地)

4. ダラス・カウボーイズ (9勝4敗)、NFC東地区1位: カウボーイズは敵地で行われた第14週目の試合でワシントン・フットボール・チームを相手にしぶとい勝利を挙げ、この位置に留まり、そして地区優勝へ一歩近づいた。第13週目にも敵地でニューオーリンズ・セインツから勝利を収めている。現時点で地区内のワシントンとフィラデルフィア・イーグルスに3ゲーム差をつけている。シーズン残り4試合のうち3試合は同地区内の対戦相手だが、本拠地でカーディナルスとの厳しい戦いが控えている。カーディナルス、パッカーズ、そしてバッカニアーズの3強が安定しているため、カウボーイズがシード順を上げるのは難しそうだ。 残りの対戦相手: ニューヨーク・ジャイアンツ(アウェー)、ワシントン・フットボール・チーム(本拠地)、アリゾナ・カーディナルス(本拠地)、フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)

5. ロサンゼルス・ラムズ (9勝4敗)、NFC西地区2位: ラムズは月曜夜の試合でカーディナルスを破り、対戦成績を5分に戻し、地区優勝の可能性も取り戻すことに成功した。カーディナルスとは1ゲーム差となり、3位のサンフランシスコ・49ersには2ゲーム差をつけている。49ersとはワイルドカード枠争いで競っているが、直接対決では敗れている。 残りの対戦相手: シアトル・シーホークス(本拠地)、ミネソタ・バイキングス(アウェー)、ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)

6. サンフランシスコ・49ers(7勝6敗)、NFC西地区3位: 49ersは第13週目でシアトル・シーホークスに不覚を取ったが、第14週目の試合ではシンシナティ・ベンガルズから延長戦でスリリングな勝利を挙げた。これで勝率5割から1勝だけ上回るNFC唯一のチームとなった。直接対決では勝っているラムズのすぐ下の位置につけた。 残りの対戦相手: アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、テネシー・タイタンズ(アウェー)、ヒューストン・テキサンズ(本拠地)、ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)

7. ワシントン・フットボール・チーム(6勝7敗)、NFC東地区2位: ワシントンは第14週目の試合でカウボーイズに敗れ、地区優勝の望みはほぼ消滅した。しかし、ワイルドカード枠争いでは最後のスポットに留まり、49ersを追いかけている。同じ6勝7敗のフィラデルフィア・イーグルスとミネソタ・バイキングスに比べて、カンファレンス内での戦績ではるかに優るためだ。 残りの対戦相手: フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)、ダラス・カウボーイズ(アウェー)、フィラデルフィア・イーグルス(本拠地)、ニューヨーク・ジャイアンツ(本拠地)

まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?

8. フィラデルフィア・イーグルス(6勝7敗)

9. ミネソタ・バイキングス(6勝7敗)

10. アトランタ・ファルコンズ(6勝7敗)

11. ニューオーリンズ・セインツ(6勝7敗)

12. カロライナ・パンサーズ(5勝8敗)

13. シアトル・シーホークス(5勝8敗)

14. シカゴ・ベアーズ(4勝9敗)

15. ニューヨーク・ジャイアンツ(4勝9敗)

ファルコンズ、バイキングス、そしてセインツがすべて第14週目で勝利し、負けたワシントンと試合がなかったイーグルスと同勝率で並んだ。NFCワイルドカード枠の最後の2つのスポット争いは大混戦となり、49ersにはさらに大きなプレッシャーが与えられている。パンサーズは下落し続けているが、シーホークスは最後の巻き返しを狙っている。

既に敗退が決まっているチームは?

16. デトロイト・ライオンズ(1勝11敗1分け)

ライオンズはスティーラーズ、ブラウンズ、そしてベアーズ戦と僅差の試合を続けた後、バイキングスを相手に劇的な初勝利を挙げた。それと同じことを他のいくつかのチームを相手にできるはずだ。しかし、2021年のプレーオフ争いからは正式に敗退が決定した。

(翻訳:角谷剛)

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Vinnie Iyer


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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.