【NFL】入団前の低評価を覆してスターダムにのし上がった2022年ドラフト同期 パーディーとパチェコに注目|第58回スーパーボウル

一野洋 Hiroshi Ichino

【NFL】入団前の低評価を覆してスターダムにのし上がった2022年ドラフト同期 パーディーとパチェコに注目|第58回スーパーボウル image

第58回スーパーボウルが日本時間12日にラスベガスのアレジアント・スタジアムで開催される。全世界で1億人以上が視聴するビッグイベントは、連覇を目指すAFC王者のカンザスシティ・チーフスと29年ぶり6度目の戴冠を狙うNFCチャンピオンのサンフランシスコ・49ersが対戦する。

4年前の再戦となった今年のスーパーボウル。第54回では、チーフスが10点差をひっくり返して逆転勝ちし、MVPにはチーフスのQBパトリック・マホームズが選ばれた。今回もマホームズが注目を浴びるだろうが、両チームの注目選手は、4年前の対戦では所属していなかった2022年ドラフト組の2人だ。

49ersオフェンスは、QBブロック・パーディーの右肩にかかっていると言っても過言ではない。パーディーは、2022年のドラフトで最下位の全体262位で指名されて49ersに入団。先発QB2人の故障でスターターの座をつかむと、一気にスターダムへの階段を駆け上がった。2年目の今シーズンもQBレーティングでNFLトップをマークするなど、司令塔の座を不動のものにしている。デビュー以来先発としての勝率(.808)、パス1回あたりの平均獲得ヤード(9.2)、QBレーティング(111.2)は、20試合以上先発したQBの中では史上最高の数字。2年目のシンデレラボーイが、大一番でどのようなパフォーマンスを見せるか注目だ。

一方のチーフスは、RBアイザイア・パチェコに注目する。パチェコは、パーディーとドラフト同期で、パーディーより11人前の全体251位で指名されてチーフス入り。下位指名の低評価を覆し、1年目からスーパーボウルの舞台に立つなどチームの地上戦をけん引している。新人年から2年連続スーパーボウルに出場するRBは、殿堂入りRBトニー・ドーセット(1977年-78年)以来の快挙だ。QBマホームズのマークは厳しくなるはずなので、パチェコのランニングゲームが勝負の行方を左右するだろう。

今年の対戦は、スーパーボウル史上最もディフェンシブなマッチアップの一つに数えられる。1試合平均失点は、チーフスがリーグ2位の17.3、対する49ersも同3位の17.5。ロングパスで一発TDのシーンはあまり見られないだろうから、大事なのはミドルパスの成功率だろう。チーフスのTEトラビス・ケルシーと49ersのLBフレッド・ワーナーのマッチアップは、勝負を決める重要なファクターとなる。ここでの対決を制した方が、試合を優位に進めるはずだ。

第58回スーパーボウルの試合日程・放送・配信予定

*試合日時は日本時間。下側のチームがホーム。

2月12日(月)

開始
時刻
試合 放送・配信
8:30 チーフス
49ers
NFLゲームパス
日テレジータス

 

一野洋 Hiroshi Ichino

一野洋 Hiroshi Ichino Photo

青山学院大学を卒業後、米軍厚木基地に就職。その後、NFLを題材にしたライターを目指して渡米。アメリカでは寿司職人を経て、日系フリーペーパーの編集者となりNFL、MLB、NBAなどを取材。帰国後はNFL日本語公式サイトのディレクション業務などに従事した。ライターとしてNFL、海外競馬、サーフィンをメインに扱い、これまでにスーパーボウル、凱旋門賞などの海外競馬、ジャパン・オープン・オブ・サーフィンなど取材経験あり。