ここ数シーズンでNFLのランニングバックたちの価値は下落している。それでもチーム攻撃陣の中心を担うこのポジションの優れた選手たちには大型の契約が結ばれるケースが依然として多い。
ランニングバックのキャリアは短く、その多くは30歳くらいで引退が近くなる。パワフルなラッシャー、ダイナミックなレシーバー、あるいはその両方に秀でているタイプもいるが、ランニングバックの実力はチームの攻撃力を左右する。そのキャリア最盛期にさしかかった選手に多額の報酬を用意するチームは必ず存在する。
NFLランニングバック高額報酬ランキングを決定するカテゴリーは3つある。第1カテゴリーは彼らが受け取ることを保証された平均年俸である。第2カテゴリーは契約で保証された金額の合計、第3カテゴリーは長期契約の総額だ。
現役のランニングバックをそれらの3カテゴリーでランキングし、さらにリーグ史上で最も高額な生涯収入を受け取った選手たちのリストも加えた。4つのリストすべてに顔を出した現役選手は1人しかいなかった。
※契約金額はすべてSpotrac.comからの引用。1ドル=140円換算。
平均年俸額が最も高いNFLランニングバックは誰？
クリスチャン・マキャフリーは昨シーズンにカロライナ・パンサーズからサンフランシスコ・49ersへトレード移籍した後もこのカテゴリーでトップの座を守った。パンサーズでも重要な戦力であったが、ランに比重を置く49ersはそれよりさらに高い価値をマキャフリーに見出したのだ。ヘッドコーチのカイル・シャナハンが目指す攻撃に理想的なピースとなった。
同じくレシーブに強いタイプのアルビン・カマラもニューオーリンズ・セインツから多額の報酬を受け取っている。その後にはAFCから強力な選手が続く。ともにラン攻撃を得意とするデリック・ヘンリー（テネシー・タイタンズ） と ニック・チャブ（クリーブランド・ブラウンズ）の2人だ。
トップ4人の下には1年契約で1000万ドル（約14億円）以上の年俸を保証された選手が続く。セイクワン・バークリー（ニューヨーク・ジャイアンツ）をはじめとして、彼らは必ずしもその契約内容に満足はしていないかもしれない。それでもこのカテゴリーでトップに近い金額である。
NFLランニングバック平均年俸ランキング
| 順位 | 選手名 | 平均年俸額 |
| 1 | クリスチャン・マキャフリー | 1601 万ドル（約22億4140万円） |
| 2 | アルビン・カマラ | 1500 万ドル（約21億円） |
| 3 | デリック・ヘンリー | 1250 万ドル（約17億5000万円） |
| 4 | ニック・チャブ | 1220 万ドル（約17億800万円） |
| 5 | ジョー・ミクソン | 1200万ドル（約16億8000万円） |
| - | アーロン・ジョーンズ | 1200 万ドル（約16億8000万円） |
| 7 | トニー・ポラード | 1009 万ドル（約14億1274万円） |
| - | ジョシュ・ジェイコブス | 1009 万ドル（約14億1274万円） |
| - | セイクワン・バークリー | 1009 万ドル（約14億1274万円） |
| 10 | ジェームズ・コナー | 700 万ドル（約9億8000万円） |
契約保証金額が最も高いNFLランニングバックは誰？
マキャフリー、カマラ、そしてヘンリーのトリオがこのカテゴリーでもトップ3を形成する。しかし、ドラフト全体8位で指名された新人のビジャン・ロビンソン（アトランタ・ファルコンズ）がチャブの上に入る。
オースティン・エケラーはロサンゼルス・チャージャーズと再契約し、ナジー・ハリス（ピッツバーグ・スティーラーズ）はドラフト第1巡目で指名された新人時代の有利な契約がまだ有効のままだ。バークリー、ポラード、そしてジェイコブスはこのリストに割って入りたいところだろう。
NFLランニングバック契約保証金額ランキング
| 順位 | 選手名 | 契約保証金額 |
| 1 | クリスチャン・マキャフリー | 3816.2 万ドル（約53億4268万円） |
| 2 | アルビン・カマラ | 3383.3 万ドル（約47億3662万円） |
| 3 | デリック・ヘンリー | 2550 万ドル（約35億7000万円） |
| 4 | ビジャン・ロビンソン | 2195.8 万ドル（約30億7412万円） |
| 5 | ニック・チャブ | 2000 万ドル（約28億円） |
| 6 | オースティン・エケラー | 1500 万ドル（約21億円） |
| 7 | ジェームズ・コナー | 1350 万ドル（約18億9000万円） |
| 8 | ナジー・ハリス | 1304.7 万ドル（約18億2658万円） |
| 9 | アーロン・ジョーンズ | 1300 万ドル（約18億2000万円） |
| - | マイルズ・サンダース | 1300 万ドル（約18億2000万円） |
契約総額が最も高いNFLランニングバックは誰？
ここでの数字はあまり重要な意味を持たない。実際に発生する金額は様々な理由で調整されるからだ。それでも、あるチームがどれだけの資金をつぎ込んで貴重なランニングバックを確保しようとしているかには興味をそそられる。
このカテゴリーではカマラがマキャフリーの上に位置する。3位は変わらずヘンリーだ。その次にミクソンとジョーンズが並ぶ。ブラウンズでの役割を考えると、チャブの契約はバーゲンのように見える。
マイルズ・サンダース（カロライナ・パンサーズ）がここに入ることは驚くに値する。フィラデルフィア・イーグルスから移籍した際に結んだ新契約のおかげだ。ロビンソンは4年契約の全額が保証されている。
NFLランニングバック契約総額ランキング
| 順位 | 選手名 | 契約総額 |
| 1 | アルビン・カマラ | 7500 万ドル（約105億円） |
| 2 | クリスチャン・マキャフリー | 6406.3 万ドル（約89億6882万円） |
| 3 | デリック・ヘンリー | 5000 万ドル（約70億円） |
| T-4 | ジョー・ミクソン | 4800 万ドル（約67億2000万円） |
| T-4 | アーロン・ジョーンズ | 4800 万ドル（約67億2000万円） |
| 6 | ニック・チャブ | 3660 万ドル（約51億2400万円） |
| 7 | マイルズ・サンダース | 2540 万ドル（約35億5600万円） |
| 8 | オースティン・エケラー | 2450 万ドル（約34億3000万円） |
| 9 | ビジャン・ロビンソン | 2195.8 万ドル（約30億7412万円） |
| 10 | ジェームズ・コナー | 2100 万ドル（約29億4000万円） |
生涯収入が最も高いNFLランニングバックは誰？
ここでは選手寿命と活躍した時期が問題になる。エイドリアン・ピーターソンは高いパフォーマンスを長年にわたって発揮した。エゼキエル・エリオットはジェリー・ジョーンズ（ダラス・カウボーイズのオーナー）のお気に入りだった。エジャリン・ジェームスとフランク・ゴアはともに出身であるマイアミ大学の名を高めた。
エミット・スミスとラダニアン・トムリンソンという2人の殿堂入り選手の名前を見られるのは喜ばしい。好漢で知られるマーショーン・リンチはバッファロー・ビルズとシアトル・シーホークスで活躍した。マキャフリーがこのカテゴリーでもリスト入りしたことは見事だ。このまま49ersで健康を維持できれば、トップ5入りも時間の問題だろう。
NFLランニングバック生涯収入歴代ランキング
| 順位 | 選手名 | 生涯収入 |
| 1 | エイドリアン・ピーターソン | 1億320 万ドル（約144億4800万円） |
| 2 | エゼキエル・エリオット | 7066.8 万ドル（約98億9352万円） |
| 3 | エジャリン・ジェームス | 6890 万ドル（約96億4600万円） |
| 4 | フランク・ゴア | 6329.6 万ドル（約88億6144万円） |
| 5 | レジー・ブッシュ | 6319.6 万ドル（約88億4744万円） |
| 6 | ルショーン・マッコイ | 6300 万ドル（約88億2000万円） |
| 7 | エミット・スミス | 6127.5 万ドル（約85億7850万円） |
| 8 | ラダニアン・トムリンソン | 5687.5 万ドル（約79億6250万円） |
| 9 | マーショーン・リンチ | 5676.9 万ドル（約79億4766万円） |
| 10 | クリスチャン・マキャフリー | 5364.9 万ドル（約75億1086万円） |
原文： The NFL's highest-paid running backs in 2023 salary, guaranteed money and total contract value
翻訳：角谷剛
