2021年のNFLシーズンが終盤に差し掛かっている。今年から17試合制に拡大されたレギュラーシーズンの終了が近づいてきた。第16週目を終え、もう一度現在の順位とプレーオフの展望を確認しよう。
どのチームがプレーオフ進出を確実にしているのか、どのチームにまだ望みがあるのか、そしてどのチームが来シーズンのことを考えるべきなのか? 現在の全体図は以下の通りだ。
シーズン16週目終了時点の順位
AFC プレーオフ展望
プレーオフ進出に近いチームは?
1. カンザスシティ・チーフス (11勝4敗)、AFC西地区優勝:チーフスは第16週目の試合でピッツバーグ・スティーラーズを破った。その前にロサンゼルス・チャージャーズがヒューストン・テキサンズに大敗しており、チーフスの6年連続となる地区優勝が確定した。ワイルドカード・シリーズの不戦勝と本拠地アドバンテージが得られるNo.1 シード争いではテネシー・タイタンズに1ゲーム差をつけている。ただし、チーフスはタイタンズに第7週目に敵地での直接対決で敗れており、タイブレークになると不利である。残りの対戦相手:シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)、デンバー・ブロンコス(アウェー)
2. テネシー・タイタンズ (10勝5敗)、AFC南地区1位:タイタンズは第16週目の開幕戦でサンフランシスコ・49ersを破り、ここまで順位を上げた。第15週目でピッツバーグ・スティーラーズに喫した手痛い敗戦のダメージを払拭した。昨年に続いてAFC南地区のタイトルが視野に入ってきた。タイタンズがもう1勝するか、あるいは2位のインディアナポリス・コルツが敗れると、地区優勝が確定する。残りの対戦相手:マイアミ・ドルフィンズ(本拠地)、ヒューストン・テキサンズ(アウェー)
3. シンシナティ・ベンガルズ(9勝6敗)、AFC北地区1位:ベンガルズは第16週目の試合でボルティモア・レイブンズに完勝し、同一カード2連勝とするとともに、地区1位の座を揺るぎないものとした。ベンガルズは地区内での勝敗が4勝1敗であり、ピッツバーグ・スティーラーズにも2連勝している。ニューイングランド・ペイトリオッツが敗れ、勝ったバッファロー・ビルズがAFC東地区1位に浮上した。ベンガルズはカンファレンス内で7勝3敗で、ビルズとタイブレークで上位にある。しかし、次週は本拠地でカンザスシティ・チーフスとの対戦が控えているため、この位置に留まるのは容易なことではない。残りの対戦相手:カンザスシティ・チーフス(本拠地)、クリーブランド・ブラウンズ(アウェー)
4. バッファロー・ビルズ (9勝6敗)、AFC東地区1位:ビルズはペイトリオッツを破り、ここまで順位を上げた。直接対決ではシーズン1勝1敗ではあるが、ビルズは地区内で4勝1敗の好成績を残しており、タイブレークで上位に立っている。地区内の対戦がもう1試合残っているが、それは第18週目のニューヨーク・ジェッツ戦である。第17週目も本拠地で対戦相手はアトランタ・ファルコンズというNFC下位チームであるため、ビルズの2年連続地区優勝が実現する可能性は大きい。ビルズはワイルドカード枠争いはなるべく避けたかったであろうが、どうやらそれは果たせたようである。残りの対戦相手:アトランタ・ファルコンズ(本拠地)、ニューヨーク・ジェッツ(本拠地)
5. インディアナポリス・コルツ (9勝6敗)、AFC南地区2位:コルツは第15週目でペイトリオッツから貴重な勝利をあげたことに続き、第16週目でもアリゾナ・カーディナルスを敵地で破った。ペイトリオッツとロサンゼルス・チャージャーズが第16週目でともに連敗したため、コルツがワイルドカード枠争いトップの位置を守った。コルツはタイタンズに2連敗したため、地区優勝の望みは薄いが、勝率5割から3勝を上乗せしているため、2年連続のプレーオフ進出は近づいてきている。残りの対戦相手:ラスベガス・レイダース(本拠地)、ジャクソンビル・ジャガーズ(アウェー)
6. ニューイングランド・ペイトリオッツ (9勝6敗)、AFC東地区2位:ペイトリオッツは上位チームを相手に2連敗を喫し、地区1位の座から滑り落ち、ワイルドカード争い2位まで順位を下げた。連敗後、これからの対戦相手には恵まれている。同じように第15週目と第16週目に連敗したロサンゼルス・チャージャーズには直接対決で勝利しているため、プレーオフ争いでも依然として有利な位置にある。残りの対戦相手:ジャクソンビル・ジャガーズ(本拠地)、マイアミ・ドルフィンズ(アウェー)
7. マイアミ・ドルフィンズ (8勝7敗)、AFC東地区3位:ドルフィンズは月曜夜の試合でニューオーリンズ・セインツに勝利した。シーズン前半の1勝7敗から7連勝という快進撃で、ついに不可能と思われたプレーオフ進出が狙える位置にまで浮上してきた。ドルフィンズはボルティモア・レイブンズには勝っているが、ラスベガス・レイダースには敗れている。対戦がなかったロサンゼルス・チャージャーズとはカンファレンス内勝率で並んでいる。ドルフィンズが残り2試合に勝利すると自力でプレーオフ進出が決まるが、その対戦相手はどちらも厳しい。残りの対戦相手:テネシー・タイタンズ(アウェー)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(本拠地)
まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?
8. ロサンゼルス・チャージャーズ (8勝7敗)
9. ラスベガス・レイダース(8勝7敗)
10. ボルティモア・レイブンズ (8勝7敗)
チャージャーズはテキサンズに敗れ、ここまで順位を落とした。レイダースには第4週目の直接対決で勝利しているため、タイブレークで上位にある。この両チームは第18週目にラスベガスで再戦する。ドルフィンズが月曜夜に勝利したしたため、この2チームとレイブンズを追い抜く形になった。
プレーオフ争い圏外にあるチームは?
11. ピッツバーグ・スティーラーズ(7勝7敗1分け)
12. クリーブランド・ブラウンズ(7勝8敗)
13. デンバー・ブロンコス(7勝8敗)
14. ニューヨーク・ジェッツ(4勝11敗、敗退決定)
15. ヒューストン・テキサンズ(4勝11敗、敗退決定)
16. ジャクソンビル・ジャガーズ(2勝13敗、敗退決定)
スティーラーズは敵地カンザスシティでチーフスに敗れ、地区内順位とワイルドカード枠でも圏外に押し出された。ブラウンズとブロンコスはついに勝率5割を下回ってしまった。ジェッツとテキサンズはともに第16週目で勝利した。ジャガーズは依然として苦しんでいる。
NFC プレーオフ展望
プレーオフ進出に近いチームは?
1. グリーンベイ・パッカーズ (12勝3敗)、NFC北地区優勝:パッカーズは第16週目の試合でクリーブランド・ブラウンズを本拠地で破り、NFL最高勝率と4年連続地区優勝を確定した。アーロン・ロジャース(クォーターバック)は絶好調だ。2試合を残し、昨シーズンの勝利数にあと1つと迫っている。いくつかのチームに1ゲーム差をつけており、第17週目にまでNo.1シードの座を保つことができる。ロサンゼルス・ラムズとは直接対決で勝利している。ダラス・カウボーイズとタンパベイ・バッカニアーズとは対戦していないが、カンファレンス内勝率(8勝2敗)で上位に立っており、もしシーズン勝敗で並んでもタイブレークで有利である。残りの対戦相手:ミネソタ・バイキングス(本拠地)、デトロイト・ライオンズ(アウェー)
2. ダラス・カウボーイズ (11勝4敗)、NFC東地区優勝:カウボーイズは第16週目の試合を前にしてすでに地区優勝を手中にしていたが、ワシントン・フットボール・チームを相手にしても不覚を取ることはなかった。カウボーイズの最大の強みはカンファレンス内勝率(9勝1敗)であり、他のNFC上位チームのどこよりも優っている。同じく11勝4敗のバッカニアーズには直接対決で敗れているにもかかわらず、ロサンゼルス・ラムズと合わせて同率3チームで上に立っている。1位のパッカーズとはわずか1ゲーム差である。残りの対戦相手:アリゾナ・カーディナルス(本拠地)、フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)
3. ロサンゼルス・ラムズ (11勝4敗)、NFC西地区1位:ラムズは第14週目の試合でアリゾナ・カーディナルスを破り、対戦成績を5分に戻し、地区優勝の可能性も取り戻すことに成功した。第15週目ではシアトル・シーホークスを破り、地区首位の座にカーディナルスと同率で並んだ。サンフランシスコ・49ersとカーディナルスが第16週目の早い段階で敗北し、ラムズは有利な立場で戦うことができた。ミネソタ・バイキングスに勝利したことで、少なくともプレーオフ進出は確実にした。残りの2週間で地区優勝をカーディナルスと争うことになった。両チームとも厳しい試合を控えている。現在のところはラムズが1ゲーム差で上位に立っている。残りの対戦相手:ボルティモア・レイブンズ(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(本拠地)
4. タンパベイ・バッカニアーズ (11勝4敗)、NFC南地区優勝:バッカニアーズは第15週目にニューオーリンズ・セインツから喫した敗北から立ち直り、第16週目では敵地のカロライナ・パンサーズ戦を危なげなく勝利した。スーパーボウル55ではワイルドカード枠から勝ち上がって優勝したが、今シーズンは地区優勝でプレーオフ進出を決めた。トム・ブレイディ(クォーターバック)がチームを引っ張っている。パッカーズにはカンファレンス内勝率で劣り、ラムズには直接対決で敗れており、No.1シード争いは厳しい状況にある。カウボーイズには第1週目で勝利している。残りの対戦相手:ニューヨーク・ジェッツ(アウェー)、カロライナ・パンサーズ(本拠地)
5. アリゾナ・カーディナルス (10勝5敗)、NFC西地区2位:カーディナルスは第16週目に本拠地でコルツに敗れた。これで3連敗である。シーズン開幕後の7勝0敗から3勝5敗で、ここまで順位を落としてしまった。それでもラムズ同様、プレーオフ進出は手中にしている。デトロイト・ライオンズ戦での衝撃的な敗戦に続いて、コルツにも敗れたことで、地区優勝レースは厳しい状況になった。ラムズが第16週目にミネソタ・バイキングスを破り、1ゲーム差で首位に立っている。ラムズとは直接対決で1勝1敗であるが、もしシーズン勝敗が同率で並んだ場合、カーディナルスはまだ地区内勝率タイブレークで優位に立つ。残りの対戦相手:ダラス・カウボーイズ(アウェー)、シアトル・シーホークス(本拠地)
6. サンフランシスコ・49ers(8勝7敗)、NFC西地区3位:49ersは第14週目に敵地でシンシナティ・ベンガルズに、第15週目には本拠地でアトランタ・ファルコンズに、それぞれ勝利したが、第16週目の開幕戦では失速し、敵地のテネシー・タイタンズ戦に敗れた。ラムズとカーディナルスから地区タイトルを奪うことは無理だが、ワイルドカード枠争いでは依然として有力な位置にある。下位のフィラデルフィア・イーグルスとミネソタ・バイキングスには直接対決で勝利している。ニューオーリンズ・セインツにはカンファレンス内勝率でやや優位に立っている(49ersは6勝5敗、セインツは5勝5敗)。残りの対戦相手:ヒューストン・テキサンズ(本拠地)、ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)
7. フィラデルフィア・イーグルス(8勝7敗)、NFC東地区2位:ミネソタ・バイキングスが敗れたため、イーグルスがプレーオフ進出争いの位置まで浮上した。ニューオーリンズ・セインツには第11週目の直接対決で勝利している。NFC東地区はカウボーイズが優勝をすでに決めている。そのカウボーイズとイーグルスは第18週目で対戦する。残りの対戦相手:ワシントン・フットボール・チーム(アウェー)、ダラス・カウボーイズ(本拠地)
まだプレーオフ進出の可能性があるチームは?
8. ミネソタ・バイキングス(7勝8敗)
9. アトランタ・ファルコンズ(7勝8敗)
10. ニューオーリンズ・セインツ(7勝8敗)
セインツは第16週目の最終戦でマイアミ・ドルフィンズに敗れた。第11週目には敵地フィラデルフィアでイーグルスに敗れているため、タイブレークで下位にある。バイキングスはラムズに敗れて後退したが、ファルコンズにはカンファレンス内勝率で優位に立っている。
プレーオフ争い圏外にあるチームは?
11. ワシントン・フットボール・チーム(6勝9敗)
12. カロライナ・パンサーズ(5勝10敗、敗退決定)
13. シカゴ・ベアーズ(5勝10敗、敗退決定)
14. シアトル・シーホークス(5勝10敗、敗退決定)
15. ニューヨーク・ジャイアンツ(4勝11敗、敗退決定)
16. デトロイト・ライオンズ(2勝12敗1分け、敗退決定)
ワシントンは敵地ダラスでカウボーイズに大敗し、ここまで順位を下げた。パンサーズは第16週目でバッカニアーズに大敗し、正式にプレーオフ進出の望みが断たれた。同じ勝率で並ぶシーホークスとベアーズも同様である。ジャイアンツは故障者が相次ぎ、NFC東地区最下位から抜け出すことができない。ライオンズは前週にカーディナルスを破る番狂わせを演じたが、第16週目は敗北した。
(翻訳:角谷剛)
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