今季のNFLは年明けの2週を残すところとなった。プレーオフ進出・敗退チームの顔ぶれはほぼ出揃い、あとはシード順位を争う展開だ。
16週目を目前にしたNFLの現在を本誌ビニー・アイヤー（Vinnie Iyer）記者が解説する。
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2022年のNFLシーズンは残り2週間を残すのみとなった。
AFCとNFCのプレーオフ全体図は第18週目が完了するまでは正式には決定しないが、もし第16週目でレギュラーシーズンが終わったと仮定してみたときの順位を見てみよう。どのチームがプレーオフの切符を手に入れ、またシード順はどうなるのか。
最新の成績に基づくNFLプレーオフ候補チームと現在のシード順は以下の通りだ。まだポストシーズンへの望みが消えていない後続のチームも含めている。
第16週目終了時点でのNFL順位
AFCプレーオフ展望
1．バッファロー・ビルズ（12勝3敗）、AFC東地区優勝。ビルズは日曜日に敵地シカゴで行われたベアーズ戦では序盤こそスロースタートで始まったが、最終的には大勝した。その結果、3年連続の地区優勝が決定した。シーズン残りの課題はシード順1位の座をカンザスシティ・チーフスに譲ることなく本拠地アドバンテージとプレーオフ第1ラウンドの不戦勝を確定させることだ。第17週目の敵地シンシナティでのベンガルズ戦がそのカギとなる。
2. カンザスシティ・チーフス（12勝3敗）、AFC西地区優勝。チーフスは日曜日に本拠地でシアトル・シーホークスを破り、ビルズとの勝敗数を同じに保った。第6週の本拠地における直接対決で敗れているため、タイブレイクでは下位に甘んじている。連勝中で追い上げてきているベンガルズにはリードを保っているが、このチームにも第13週目に敵地での直接対決で敗れているため予断は禁物だ。シード順1位を奪うには、ビルズが負け、そしてチーフスが勝つことが条件となる。
3. シンシナティ・ベンガルズ（11勝4敗）、AFC北地区1位。ベンガルズは日曜日の試合で冷や汗をかいた。敵地で対戦したニューイングランド・ペイトリオッツ戦に前半では大量リードしたものの、後半になって大反撃を受けたのだ。辛うじてこの試合にも勝利し、連勝を7に伸ばした。カンファレンス内ではビルズとチーフスのすぐ後ろにつき、地区内ではやはり連勝中のボルティモア・レイブンズからリードを保っている。第17週目は本拠地でビルズを、そして第18週目には同じく本拠地でレイブンズを迎える。
4．ジャクソンビル・ジャガーズ（7勝8敗）、AFC南地区1位。ジャガーズは木曜夜の試合でニューヨーク・ジェッツを敵地で破った。そして土曜日にテネシー・タイタンズがヒューストン・テキサンズに番狂わせで敗れたことで、ジャガーズのシード順がここまで急浮上した。タイタンズとは同勝敗数ながら、第14週目に敵地での直接対決で勝利しているため、タイブレイクで上位に立ったのだ。もし第17週目にジャガーズが敵地ヒューストンでテキサンズに勝ち、そしてタイタンズが敵地ダラスでカウボーイズに敗れると、地区タイトルの行方は第18週目の本拠地におけるタイタンズとの再戦結果に委ねられることになる。
5．ボルティモア・レイブンズ（10勝5敗）、AFC北地区2位。レイブンズは日曜日に本拠地でアトランタ・ファルコンズから手堅い勝利を収め、地区レースで追いかけるベンガルズとの差を同じままで保った。同週にニューヨーク・ジェッツとニューイングランド・ペイトリオッツが敗れたため、レイブンズのワイルドカード枠によるプレーオフ進出は確定した。第17週目は本拠地にピッツバーグ・スティーラーズを迎え、シーズン最終週は敵地シンシナティでベンガルズ戦に臨む。
6．ロサンゼルス・チャージャーズ（9勝6敗）、AFC西地区2位。チャージャーズは月曜夜に敵地インディアナポリスで行われたコルツ戦で危なげなく勝利し、ワイルドカード枠によるプレーオフ進出を確定した。ライバルとなるチームがことどとく敗れ、自分たちの仕事をきっちりとやってのけたおかげだ。昨シーズンはこの最後の詰めが甘かった。ジャスティン・ハーバート（QB）、オースティン・エケラー（RB）、そして防御陣の状態は良く、チームの勢いはますます増している。
7．マイアミ・ドルフィンズ（8勝7敗）、AFC東地区2位。ドルフィンズは4連敗でここまで順位を落としてしまった。クリスマスにグリーンベイ・パッカーズから喫した敗戦で、ドルフィンズのプレーオフ進出はぎりぎりの危うい位置まで追い詰められることになった。残りの2戦は敵地でのペイトリオッツ戦と本拠地でのジェッツ戦と厳しい戦いが続く。
後（あと）を追うチーム
8．ニューイングランド・ペイトリオッツ（7勝8敗）、AFC東地区3位
9．ニューヨーク・ジェッツ（7勝8敗）、AFC東地区最下位
10．テネシー・タイタンズ（7勝8敗）、AFC南地区2位
11．ピッツバーグ・スティーラーズ（7勝8敗）、AFC北地区3位
12．ラスベガス・レイダース（6勝9敗）、AFC西地区3位
ペイトリオッツはベンガルズ戦で試合後半に追い上げを見せたが、惜しくも敗れ、これで3連敗となった。ジェッツは木曜夜に本拠地でジャガーズに敗れ、こちらは4連敗だ。
タイタンズは本拠地でテキサンズに敗れ、5連敗となり、シード順を6つ落としてプレーオフ圏内から陥落した。それでも残り2試合に連勝すれば、まだ地区優勝とシード順4位に返り咲くことができる。スティーラーズはレイダースに勝ったことで、プレーオフ進出の可能性を辛うじて守った。
脱落が決定したチーム
13．クリーブランド・ブラウンズ（6勝9敗）、AFC北地区3位14．インディアナポリス・コルツ（4勝10敗1分け）、AFC南地区3位15．デンバー・ブロンコス（4勝11敗）、AFC西地区最下位16．ヒューストン・テキサンズ（2勝12敗1分け）、AFC南地区最下位
レイダースはスティーラーズに敗れたことでプレーオフ進出の可能性が消滅しかかったが、ドルフィンズが敗れたことで救われた。ブラウンズは土曜日に本拠地でニューオーリンズ・セインツに敗れ、プレーオフ争いからの敗退が決定した。テキサンズはタイタンズを破ったものの、依然としてドラフト全体1位指名権獲得の実現性が高い。
NFCプレーオフ展望
1．フィラデルフィア・イーグルス（13勝2敗）、NFC東地区1位。イーグルスは日曜日に敵地ダラスでのカウボーイズ戦に敗れた。カウボーイズとの今シーズン対戦成績は1勝1敗となり、地区内でのゲーム差は2に縮まってしまった。イーグルスはすでにプレーオフ進出は確定しており、あと自力で1勝するか、カウボーイズが1敗すると、地区優勝も決定する。第17週目の試合で勝利し、ミネソタ・バイキングスが敗れると、シード順1位も決定する。しかし、故障が伝えられるジェイレン・ハーツ（QB）は温存せざるを得ないだろう。
2．ミネソタ・バイキングス（12勝3敗）、NFC北地区優勝。バイキングスは土曜日に本拠地で行われたニューヨーク・ジャイアンツ戦で接戦を制した。これで今シーズンは7点差以内の試合で11勝0敗となった。本拠地アドバンテージとプレーオフ第1ラウンドの不戦勝をもたらすシード順1位はいまだに射程距離にある。しかし、第2週目にイーグルスとの直接対決で敗れているため、シード順を逆転するには勝敗数で上回る必要がある。
3．サンフランシスコ・49ers（11勝4敗）、NFC西地区優勝。49ersは第15週目にシアトル・シーホークスから勝利を挙げ、直近4年間で2度目となる地区優勝を決定した。第16週目もワシントン・コマンダースを大差で下したが、シード順1位のイーグルスにはあと残り2試合で2ゲーム差をつけられているので逆転はかなり難しいだろう。しかし、1ゲーム差で追うバイキングスにはタイブレイクで優位にあるため、十分に射程距離だ。
4．タンパベイ・バッカニアーズ（7勝8敗）、NFC南地区1位。バッカニアーズを地区内で追いかけるカロライナ・パンサーズとニューオーリンズ・セインツとのゲーム差は1である。両チームはともに土曜日の試合で勝利し、戦績を6勝9敗としている。バッカニアーズはセインツにはシーズン2連勝しているので、タイブレイクでは優位に立っている。しかし、パンサーズには第7週目に敵地で敗れているため、逆にタイブレイクで下位にある。第16週目にアリゾナ・カーディナルスに勝利し、第17週目は本拠地でパンサーズと対戦する。この試合に勝利すると地区優勝が決定する。
5．ダラス・カウボーイズ（11勝４敗）、NFC東地区2位。カウボーイズは土曜日の試合でイーグルスに勝利し、地区内でのゲーム差を2に縮めた。しかし、カウボーイズが地区優勝するためには、残り2試合ともに勝ち、そしてイーグルスが2敗することが条件になる。ワイルドカード枠によるプレーオフ進出は第15週目の時点で確定している。
6．ニューヨーク・ジャイアンツ（8勝6敗1分け）、NFC東地区3位。ジャイアンツは土曜日に敵地ミネソタでバイキングスに僅差で敗れ、ワイルドカード枠を確定できなかった。しかし、第15週目に敵地で破ったワシントン・コマンダース、シアトル・シーホークス、そしてデトロイト・ライオンズがいずれも土曜日に敗れたため、ジャイアンツのシード順は変わらなかった。
7．ワシントン・コマンダース（7勝7敗1分け）、NFC東地区最下位。コマンダースはジャイアンツに敗れて、この順位まで落ちた。ジャイアンツとのゲーム差は依然として1のままで、直接対決タイブレイクでも不利になる。49ersには大敗してしまった。シーホークスとライオンズには0.5ゲーム差を守り、上位にある。
後（あと）を追うチーム
8．シアトル・シーホークス（7勝8敗）、NFC西地区2位
9．デトロイト・ライオンズ（7勝8敗）、NFC北地区2位
10．グリーンベイ・パッカーズ（7勝8敗）、NFC北地区3位
11．カロライナ・パンサーズ（6勝9敗）、NFC南地区2位
12．ニューオーリンズ・セインツ（6勝9敗）、NFC南地区3位
シーホークスは直近6試合で5敗と極度の不振に陥り、6勝3敗からついにプレーオフ圏外へ陥落してしまった。躍進中だったライオンズは敵地カロライナでパンサーズに敗れ、ワイルドカード枠争いから1歩後退した。
パッカーズがシーホークスとライオンズに同勝敗数で並んだ。残り2試合をともに勝利し、コマンダースが1敗すすれば、プレーオフ進出を決めることができる。パンサーズとセインツはともに第16週目で勝利し、バッカニアーズのあとを追っている。
脱落が決定したチーム
13．ロサンゼルス・ラムズ（5勝10敗）、NFC西地区3位14．アトランタ・ファルコンズ（5勝10敗）、NFC南地区最下位15．アリゾナ・カーディナルス（4勝11敗）、NFC西地区最下位16．シカゴ・ベアーズ（3勝12敗）、NFC北地区最下位
ラムズはブロンコス戦で大差の勝利を収め、スーパーボウル前年度王者の意地を見せた。ファルコンズは土曜日に敵地ボルティモアでレイブンズに敗れ、残り2試合でのNFC地区タイトルとワイルドカード枠の可能性が消滅した。カーディナルスとラムズは第15週目の時点ですでにプレーオフ争いからの敗退が決まっている。ベアーズは第18週目にカンファレンス最下位からの脱出を狙う。
原文： NFL standings: Updated AFC, NFC playoff picture after Week 16 of 2022 season
翻訳：角谷剛
編集：スポーティングニュース日本版編集部
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