今季NFLは第14週を終えて、各地区の優勝チームがほぼ確定状況に入り、プレーオフシード順位争いへと焦点が移りつつある。
迫りくるプレーオフへの展望を本誌ビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が伝える。
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2022年のNFLシーズンは最後の4週間に突入した。
AFCとNFCのプレーオフ全体図は第18週目が完了するまでは正式には決定しないが、もし第14週目でレギュラーシーズンが終わったと仮定してみたときの順位を見てみよう。どのチームがプレーオフの切符を手に入れ、またシード順はどうなるのか。
最新の成績に基づくNFLプレーオフ候補チームと現在のシード順は以下の通りだ。まだポストシーズンへの望みが消えていない後続のチームも含めている。
第14週目終了時点でのNFL順位
AFCプレーオフ展望
1.バッファロー・ビルズ(10勝3敗)、AFC東地区1位。ビルズは日曜日の試合でニューヨーク・ジェッツを破り、同地区2位のマイアミ・ドルフィンズとのゲーム差を2に広げた。第17週目にはシンシナティ・ベンガルズとの大一番が控えているが、プレーオフでの本拠地アドバンテージと第1ラウンド不戦勝をもたらすシード順1位の座を現時点でさらに確かなものにした。第15週目には本拠地でドルフィンズを迎え、地区タイトルにも王手をかけることができる。
2. カンザスシティ・チーフス(10勝3敗)、AFC西地区1位。チーフスは第13週目でベンガルズに敗れたことで、この順位に陥落した。ビルズに負け、テネシー・タイタンズに勝っている。もしこのままベンガルズが好調を維持してAFC北地区1位の座をボルティモア・レイブンズから奪うようなことがあれば、シード順3位まで落ちる危険がある。ビルズとベンガルズの対戦チームに期待したいところだろう。第14週目には本拠地でデンバー・ブロンコスに辛勝したが、日曜夜の試合で同地区2位のロサンゼルス・チャージャーズが勝利したため、チーフスの地区タイトル連覇はお預けとなった。
3.ボルティモア・レイブンズ(9勝4敗)、AFC北地区1位。レイブンズはデンバー・ブロンコスとピッツバーグ・スティーラーズから大事な勝利を挙げた。地区内ではベンガルズが急追してきているが、依然として地区1位の座を維持している。シード順であとを追うテネシー・タイタンズにも2ゲーム差をつけている。ビルズには敗れているため、シード順1位を狙う位置にはいない。控えQBでの戦いを余儀なくされるなか、それでも圧倒的な守備力をもってすればチーフスを追い抜くことは可能だ。チーフスは辛うじてベンガルズの追い上げを抑えているところだ。
4.テネシー・タイタンズ(7勝6敗)、AFC南地区1位。タイタンズは依然として弱いAFC南地区首位の座は揺るがないが、地区タイトル決定はまた遠のいてしまった。第13週目のフィラデルフィア・イーグルス戦での敗戦に続き、日曜の試合でも本拠地でジャクソンビル・ジャガーズに敗れてしまったためだ。どうやらタイタンズはこのシード順に落ち着きそうだ。AFC北地区をレイブンズとベンガルズのどちらが制するにせよ、両チームからは2ゲーム差をつけられているからである。
5. シンシナティ・ベンガルズ(9勝4敗)、AFC北地区2位。ベンガルズはチーフス、タイタンズ、そしてクリーブランド・ブラウンズから挙げた貴重な勝利のおかげで、まだシード順1位を狙うことができる位置にある。第17週目には本拠地でビルズを迎える。その前に地区タイトルを連覇しなくてはならないが、それには第18週目に本拠地でレイブンズを破ることが必須条件だ。ベンガルズにはさらにタンパベイ・バッカニアーズとニューイングランド・ペイトリオッツというやっかいな相手との敵地での試合が待ち構えている。
6.マイアミ・ドルフィンズ(8勝5敗)、AFC東地区2位。ドルフィンズは第13週目でサンフランシスコ・49ersに喫した敗戦に続き、日曜夜の試合ではロサンゼルス・チャージャーズにも敗れてしまった。上を行くベンガルズが勝利し、後ろを追っていたジェッツが敗れたため、依然として同じシード順位に留まっている。月曜夜の試合でペイトリオッツが勝ち、戦績を7勝6敗としたことで、プレーオフ枠争いは混沌としてきた。
7.ニューイングランド・ペイトリオッツ(7勝6敗)、AFC東地区3位。ペイトリオッツはふたたび最後のワイルドカード枠によるプレーオフ進出を狙える位置に返り咲いた。チャージャーズとニューヨーク・ジェッツにカンファレンス内戦績タイブレイクで優位に立っているためだ。シーズン序盤でジェッツに連勝していることも大きい。第14週目にアリゾナ・カーディナルスに勝利し、地区最下位から脱出することができた。
後(あと)を追うチーム
8.ロサンゼルス・チャージャーズ(7勝6敗)、AFC西地区2位
9.ニューヨーク・ジェッツ(7勝6敗)、AFC東地区最下位
チャージャーズは月曜夜の結果でペイトリオッツに抜かれてしまったが、それでもジェッツにはカンファレンス内戦績タイブレイクで優位に立っている。残りの4週間でこれらのチームとドルフィンズの間で順位はどのようにも変わる可能性がある。
望みが消えたかもしれないチーム
10.ジャクソンビル・ジャガーズ(5勝8敗)、AFC南地区2位
11.ラスベガス・レイダース(5勝8敗)、AFC西地区3位
12.クリーブランド・ブラウンズ(5勝8敗)、AFC北地区3位
13.ピッツバーグ・スティーラーズ(5勝8敗)、AFC北地区最下位
14.インディアナポリス・コルツ(4勝8敗1分け)、AFC南地区3位
15.デンバー・ブロンコス(3勝10敗)、AFC西地区最下位
16.ヒューストン・テキサンズ(1勝11敗1分け)、AFC南地区最下位
ジャガーズはタイタンズを破り、AFC南地区でゲーム差2の2位に上った。しかし、残り4試合ではこれ以上の挽回は難しいだろう。レイダースは木曜夜のラムズ戦で大きなチャンスを逃した。ブラウンズとスティーラーズは地区内での順位争いが厳しい位置に落ちた。
NFCプレーオフ展望
1.フィラデルフィア・イーグルス(12勝1敗)、NFC東地区1位。イーグルスは同地区2位のダラス・カウボーイズとのゲーム差を2に広げた。カウボーイズには直接対決の1戦目は本拠地で勝利しているが、第16週目には敵地での再戦が控えている。日曜日には敵地でニューヨーク・ジャイアンツを破り、地区タイトル優勝が近づいてきた。その第14週目の勝利でプレーオフ進出は決定した。シード順2位のバイキングスとは2ゲーム差を保っている。プレーオフでの本拠地アドバンテージと第1ラウンド不戦勝をもたらすシード順1位へむけて万全の態勢だ。
2.ミネソタ・バイキングス(10勝3敗)、NFC北地区1位。バイキングスは日曜日に同地区2位のデトロイト・ライオンズに敵地で敗れ、地区タイトル制覇を決定づけることに失敗した。イーグルスとカウボーイズには敗れており、サンフランシスコ・49ersには1.5 ゲーム差で上位に立っている。どうやら、このシード順に落ち着きそうだ。自力でシード順1位に上がるのは困難だ。一方でシーズン残りの対戦相手には恵まれているため、これより順位を落とすことも想像しにくい。
3.サンフランシスコ・49ers(9勝4敗)、NFC西地区1位。49ersは同地区2位のシアトル・シーホークスとのゲーム差を2に広げた。直接対決タイブレイクでも優位に立っている。シーズン残りの試合ではブロック・パーディが先発QBをつとめるだろう。日曜日の試合ではタンパベイ・バッカニアーズに大勝し、これで6連勝と絶好調だ。第15週目には木曜夜にシーホークスと敵地で再戦する。この試合にも勝てば、地区優勝が決定する。
4.タンパベイ・バッカニアーズ(6勝7敗)、NFC南地区1位。バッカニアーズはトム・ブレイディに復調の兆しがあったが、日曜日に敵地サンフランシスコで49ersに敗れ、再び勝率5割を下回ってしまった。同地区2位のカロライナ・パンサーズとのゲーム差も1に縮まった。敵地カロライナでの直接対決では敗れている。同地区3位のアトランタ・ファルコンズとのゲーム差は同じく1だが、こちらには本拠地で勝利している。パンサーズとは第17週目に、ファルコンズとは第18週目に再戦する。どちらも地区優勝のためには落とせない試合となるが、その前にはベンガルズとカーディナルスというやっかいな相手との戦いが待ち構えている。
5.ダラス・カウボーイズ(10勝3敗)、NFC東地区2位。カウボーイズはまだイーグルスに追いつくことができる位置にある。第6週目に敵地フィラデルフィアでイーグルスに敗れた試合が地区内試合では唯一の敗戦なのだ。日曜日の試合でヒューストン・テキサンズに辛勝した。第16週目にあるイーグルスとの再戦とその前後の結果によっては地区優勝を勝ち取ることができる。もしイーグルスと同勝敗数で並べば、地区内戦績タイブレイクで優位に立てるためだ。
6.ワシントン・コマンダース(7勝5敗1分け)、NFC東地区3位。コマンダースは試合がなかったが、ふたたびプレーオフ圏内に戻ってきた。ジャイアンツがイーグルスに敗れたことで、地区内戦績タイブレイクで優位に立つからだ。敵地でイーグルスから番狂わせの勝利を挙げたことが大きい。第15週目には本拠地でジャイアンツと対戦する。この順位を守るためには勝たなくてはならない一戦だ。
7.ニューヨーク・ジャイアンツ(7勝5敗1分け)、NFC東地区最下位。ジャイアンツはこの順位に留まった。直接対決で敗れているシアトル・シーホークスがパンサーズに敗れたからだ。パンサーズには勝っている。さらにその後で迫るデトロイト・ライオンズには敵地で敗れている。同勝敗数で並ぶコマンダースとは第13週目に引き分けているが、カンファレンス内戦績タイブレイクで下位となっている。第15週目にある敵地ワシントンでの再戦でコマンダースに勝つことが必要である。
後(あと)を追うチーム
8.シアトル・シーホークス(7勝6敗)、NFC西地区2位
9.デトロイト・ライオンズ(6勝7敗)、NFC北地区2位
11.カロライナ・パンサーズ(5勝8敗)、NFC南地区2位
12.アトランタ・ファルコンズ(5勝8敗)、NFC南地区3位
シーホークスはシード順6位でNFC東地区2チームの上位にいたが、調子を上げてきたパンサーズに敗れてしまった。ライオンズはシーズン終盤に入ってから盛り返してきており、第13週目に本拠地で勝利した同地区1位のバイキングスを追い上げている。パンサーズは直接対決タイブレークでファルコンズの上位に立ち、ともに同地区1位のバッカニアーズを1ゲーム差で追いかけている。
望みが消えたかもしれないチーム
10.グリーンベイ・パッカーズ(5勝8敗)、NFC北地区3位
13.アリゾナ・カーディナルス(4勝9敗)、NFC西地区3位
14.ニューオーリンズ・セインツ(4勝9敗)、NFC南地区最下位
15.ロサンゼルス・ラムズ(4勝9敗)、NFC西地区最下位
16.シカゴ・ベアーズ(3勝10敗)、NFC北地区最下位
パッカーズも第14週目に試合がなかった。残り試合を全勝して、戦績を9勝8敗にすることが最後の望みであるが、NFCプレーオフのワイルドカード枠には10勝が必要となる模様である。セインツはバッカニアーズに追いつくためには、もう1敗もできない状況だ。ラムズはレイダースに勝利し、ベアーズとカンファレンス最下位で並ぶことを逃れた。
原文: NFL standings: Updated AFC, NFC playoff picture after Week 14 of 2022 season
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部
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