NFLプレーオフ展望 11/29版:2022年シーズン第12週目終了時点でのAFC/NFC各カンファレンス地区順位

Vinnie Iyer

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感謝祭ウィークを終えた今季NFLは第12週を過ぎ、AFC西地区1位のカンザスシティ・チーフス、NFC東地区1位のフィラデルフィア・イーグルスが地区優勝に加え、それぞれのカンファレンスを制する勢いを維持している。一方でプレーオフ進出望み薄のチームも続々を増えている。各チームの情勢をビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が伝える。

2022年のNFLシーズンは最後の6週間に突入した。AFCとNFCのプレーオフ全体図は第18週目が完了するまでは正式には決定しないが、もし第12週目でレギュラーシーズンが終わったと仮定してみたときの順位を見てみよう。どのチームがプレーオフの切符を手に入れ、またシード順はどうなるのか。

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最新の成績に基づくNFLプレーオフ候補チームと現在のシード順は以下の通りだ。まだポストシーズンへの望みが消えていない後続のチームも含めている。

第12週目終了時点でのNFL順位

AFCプレーオフ展望

1. カンザスシティ・チーフス(9勝2敗)、AFC西地区1位。チーフスは地区タイトルをほぼ手中にしている。2位のロサンゼルス・チャージャーズに3ゲーム差をつけ、直接対決で勝利しているためタイブレイクでも優位なのだ。残りの課題はカンファレンス首位の座を守り、プレーオフ第1ラウンドでの不戦勝と本拠地アドバンテージを確保することだ。今週も不調のロサンゼルス・ラムズを問題なく下した。

2.マイアミ・ドルフィンズ(8勝3敗)、AFC東地区1位。ドルフィンズは日曜日の試合で下馬評通りにヒューストン・テキサンズを下した。地区2位のバッファロー・ビルズとは第3週目に行われた本拠地での直接対決に勝利しているため、タイブレイクで優位に立っている。ビルズとの再戦が第15週目に敵地で予定されているが、その前にカリフォルニア州へ2週間連続で遠征し、サンフランシスコ・49ersとロサンゼルス・チャージャーズとの連戦が控えている。どちらも侮れない対戦相手だ。

3.テネシー・タイタンズ(7勝4敗)、AFC南地区1位。タイタンズは日曜日に本拠地で行われた試合でシンシナティ・ベンガルズに僅差で敗れたため、順位を上げることができなかった。弱いAFC南地区では首位に立っているが、シード順第3位より上を狙うのはやや難しくなってきた。やはり今週敗れたボルティモア・レイブンズとは同じ勝敗だが、カンファレンス内勝率で上回り、辛うじてこの位置にある。

4.ボルティモア・レイブンズ(7勝4敗)、AFC北地区1位。レイブンズは敵地で行われたジャクソンビル・ジャガーズ戦ではいつにも増してラマー・ジャクソン(QB)の立ち上がりが良くなかった。しかし試合終盤で逆転を許してしまったことはむしろ守備陣に問題がある。タイタンズのすぐ後ろの位置につけているが、地区内での1位は第5週目に勝利したベンガルズにタイブレイクで優位に立っているだけのことである。

5.バッファロー・ビルズ(8勝3敗)、AFC東地区2位。ビルズは木曜夜の米国感謝祭に行われた試合でデトロイト・ライオンズを破り、3日間だけ地区首位の座にあった。次戦は再び木曜夜の試合でニューイングランド・ペイトリオッツと敵地で対戦する。ドルフィンズとの地区タイトルレースのためには落とすことができない試合になる。

6. シンシナティ・ベンガルズ(7勝4敗)、AFC北地区2位。ベンガルズは地区首位のレイブンズに同勝敗でプレッシャーをかけ続けている。第5週目に敵地で行われた直接対決で敗れているため、タイブレイクでは下の位置にある。敵地でタイタンズから貴重な勝利を挙げ、ワイルドカード枠争いでビルズのすぐ後ろについた。ビルズとは第17週目に本拠地で対戦する。やはり同勝敗でシード順の背後にいるニューヨーク・ジェッツには第3週目に敵地で勝利している。

7.ニューヨーク・ジェッツ(7勝4敗)、AFC東地区3位。ジェッツはマイク・ホワイト(QB)とゾノバン・ナイト(RB)のそれぞれの活躍によってパスとランの攻撃力がようやく強化され、弱体化したシカゴ・ベアーズの守備陣を圧倒した。ザック・ウィルソンを先発QBに起用していたニューイングランド・ペイトリオッツ戦に連敗した後でようやくプレーオフ圏内に戻ってきた。

後(あと)を追うチーム

8.ニューイングランド・ペイトリオッツ(6勝5敗)、AFC東地区最下位。

9.ロサンゼルス・チャージャーズ(6勝5敗)、AFC西地区2位

ペイトリオッツは木曜夜の試合でバイキングスに敗れ、プレーオフ圏内から脱落した。それによってチャージャーズがすぐ後ろに並び、ジェッツがワイルドカード枠に入ることとなった。

望みが消えたかもしれないチーム

10.インディアナポリス・コルツ(4勝7敗1分け)、AFC南地区2位
11.ジャクソンビル・ジャガーズ(4勝7敗)、AFC南地区3位
12.ラスベガス・レイダース(4勝7敗)、AFC西地区3位
13.クリーブランド・ブラウンズ(4勝7敗)、AFC北地区3位
14.ピッツバーグ・スティーラーズ(4勝7敗)、AFC北地区最下位
15.デンバー・ブロンコス(3勝8敗)、AFC西地区最下位
16.ヒューストン・テキサンズ(1勝9敗1分け)、AFC南地区最下位

テキサンズはまもなく2023年ドラフト全体1位の指名権を確定することになりそうだ。4勝7敗のチームが多くあるが、プレーオフに進出するにはシーズンの残りを最低でも5勝1敗以上で乗り切る必要がある。どう見ても実現しそうにないシナリオだ。

NFCプレーオフ展望

(SN/Getty)

1.フィラデルフィア・イーグルス(10勝1敗)、NFC東地区1位。イーグルスは第10週目のワシントン・コマンダース戦で不覚をとった後、第11週目ではインディアナポリス・コルツ戦を、そして第12週目ではグリーンベイ・パッカーズを連破した。シード順第1位の座を守るうえで、第2週目にミネソタ・バイキングスに勝っていることは大きい。しかし、同地区内2位のダラス・カウボーイズとは2ゲーム差のみであり、けっして油断はできない。

2.ミネソタ・バイキングス(9勝2敗)、NFC北地区1位。バイキングスは第11週目に本拠地でダラス・カウボーイズに敗れたが、第12週目にはやはり本拠地でペイトリオッツから貴重な勝利を挙げた。地区2位のデトロイト・ライオンズには5ゲーム差をつけている。ライオンズは第12週目にビルズに敗れた。

3.サンフランシスコ・49ers(7勝4敗)、NFC西地区1位。49ersが地区首位の座を固めた。2位のシアトル・シーホークスとは1ゲーム差しかないが、第2週目に本拠地での直接対決で勝利しているためだ。クリスチャン・マカフリー(RB)がチームに加わったことで攻撃力が格段に向上した。本拠地でのニューオーリンズ・セインツ戦では守備力も光った。

4.タンパベイ・バッカニアーズ(5勝6敗)、NFC南地区1位。バッカニアーズは第11週目には試合がなく、十分な休息をとれたはずだったが、第12週目のクリーブランド・ブラウンズ戦では攻撃陣も守備陣も低調のままだった。トム・ブレイディ(QB)のパスは不安定で、代わりにラン攻撃に頼るしかなかった。地区2位のアトランタ・ファルコンズとは0.5ゲーム差しかないが、直接対決で勝利しているためタイブレイクでやや優位に立っている。

5.ダラス・カウボーイズ(8勝3敗)、NFC東地区2位。カウボーイズは第12週目に本拠地で同地区内ライバルのニューヨーク・ジャイアンツを下し、今シーズンの同カードを2勝0敗とした。第10週目にグリーンベイ・パッカーズから不覚をとった後遺症を見せずに、第11週目ではバイキングスにも勝っている。イーグルスに脅威を与えているのはこのチームだ。

6.ニューヨーク・ジャイアンツ(7勝4敗)、NFC東地区3位。ジャイアンツはまだイーグルスとコマンダースとの2試合を残している。地区内順位とワイルドカード枠争いに留まるためには厳しい戦いが続く。カウボーイズに2敗したことは大きな痛手だ。それでもカンファレンス内の位置からするとプレーオフ進出の望みはかなり大きい。

7.ワシントン・コマンダース(7勝5敗)、NFC東地区最下位。コマンダースはアトランタ・ファルコンズを破り、そしてシアトル・シーホークスが本拠地でラスベガス・レイダースに番狂わせで敗れたため、この位置にまで順位を上げた。これでNFC東地区の4チームすべてがプレーオフ圏内ということになった。

後(あと)を追うチーム

8.シアトル・シーホークス(6勝5敗)、NFC西地区2位
9.アトランタ・ファルコンズ(5勝7敗)、NFC南地区2位
10.デトロイト・ライオンズ(4勝7敗)、NFC北地区2位

シーホークスがレイダースに敗れ、ワイルドカード枠から脱落した。ファルコンズは弱いNFC南地区にいるため、まだ望みがある。ライオンズはビルズに敗れ、4勝7敗となったが、それでも驚くべきことにまだプレーオフ進出を狙える位置にある。

望みが消えたかもしれないチーム

11.グリーンベイ・パッカーズ(4勝8敗)、NFC北地区3位
12.アリゾナ・カーディナルス(4勝8敗)、NFC西地区3位
13.カロライナ・パンサーズ(4勝8敗)、NFC南地区3位
14.ニューオーリンズ・セインツ(4勝8敗)、NFC南地区最下位
15.ロサンゼルス・ラムズ(3勝8敗)、NFC西地区最下位
16.シカゴ・ベアーズ(3勝9敗)、NFC北地区最下位

パッカーズ、カーディナルス、ラムズは2021年にプレーオフ進出組だが、今シーズンの望みはほぼなくなった。ベアーズは守備陣が崩壊し、NFC最下位から抜け出すことはできそうもない。

原文: NFL standings: Updated AFC, NFC playoff picture for Week 12 of 2022 season
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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Vinnie Iyer

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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.