今季2022-23年のNFLも最終盤に入った。残り1週、上位勢は最終的なシード順、中堅チームはプレーオフ進出をかけてシーズン最終戦に挑む。
18週目を目前にしたNFLの現在を本誌ビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が解説する。
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2022-23年のNFLシーズンは残り1週間となった。各チームが戦うのはあと1試合のみだ。
AFCとNFCのプレーオフ全体図は第18週目が完了するまでは正式には決定しないが、もし第17週目でレギュラーシーズンが終わったと仮定してみたときの順位を見てみよう。どのチームがプレーオフの切符を手に入れ、またシード順はどうなるのか。
最新の成績に基づくNFLプレーオフ候補チームと現在のシード順は以下の通りだ。まだポストシーズンへの望みが消えていない後続のチームも含めている。
第17週目終了時点でのNFL順位
AFCプレーオフ展望
1. カンザスシティ・チーフス(13勝3敗)、AFC西地区優勝。チーフスは日曜日に本拠地でデンバー・ブロンコスを破り、ビルズにプレッシャーをかけた。しかし、第6週の本拠地における直接対決で敗れているため、タイブレイクでは下位に甘んじている。シード順1位を奪うには、第18週目でビルズが負け、そしてチーフスが勝つことが条件となる。
2.バッファロー・ビルズ(12勝3敗)、AFC東地区優勝。ビルズは第16週目にシカゴ・ベアーズから大勝を挙げ、3年連続の地区優勝を決定した。シーズン残りの課題はシード順1位の座をカンザスシティ・チーフスに譲ることなく本拠地アドバンテージとプレーオフ第1ラウンドの不戦勝を確定させることだ。第17週目の木曜夜に敵地シンシナティでのベンガルズ戦がそのカギとなるはずであった(訳者注:この試合はベンガルズWRのティー・ヒギンスに対し、ビルズのダマー・ハムリンがタックルを行なった直後に心肺停止となったことを受けて途中中止となった。現地点でNFLは試合再開を今週中には行わないこと、そして第18週目の日程は変更しないことを発表している)。
3. シンシナティ・ベンガルズ(11勝4敗)、AFC北地区1位。ベンガルズは第16週目にニューイングランド・ペイトリオッツから勝利を挙げ、連勝を7に伸ばした。カンファレンス内ではビルズとチーフスのすぐ後ろにつき、地区内ではやはり連勝中だったボルティモア・レイブンズからリードを保っている。第17週目にはレイブンズが敗れたため、月曜夜の試合でビルズに勝てば地区優勝が決まるはずだった(訳者注:上記の理由でビルズ対ベンガルズ戦は途中中止となった)。
4.ジャクソンビル・ジャガーズ(8勝8敗)、AFC南地区1位。ジャガーズは第17週目にヒューストン・テキサンズから勝利を挙げ、このシード順に留まった。テネシー・タイタンズには1ゲーム差をつけ、さらに第14週目に敵地での直接対決にも勝利しているためタイブレイクでも優位に立っている。タイタンズは第17週目にダラス・カウボーイズに敗れたが、この地区タイトルの行方はまだ確定していない。第18週目はジャガーズが本拠地でタイタンズを迎え、その試合結果によって地区優勝チームが決定する。
5.ロサンゼルス・チャージャーズ(10勝6敗)、AFC西地区2位。チャージャーズはここのところ絶好調だ。第16週目には敵地インディアナポリスで行われたコルツ戦で危なげなく勝利し、ワイルドカード枠によるプレーオフ進出を確定した。そして同じロサンゼルスを本拠地とするラムズ戦にも勝利した。ボルティモア・レイブンズが敗れたため、シード順を上げた。ジャスティン・ハーバート(QB)、オースティン・エケラー(RB)、そして防御陣の状態は良く、チームの勢いはますます増している。
6.ボルティモア・レイブンズ(10勝6敗)、AFC北地区2位。レイブンズは日曜夜に本拠地で行われたピッツバーグ・スティーラーズ戦にラマー・ジャクソン(QB)を欠き、やはり敗れてしまった。それでもワイルドカード枠によるプレーオフ進出はすでに決定している。第18週目には敵地シンシナティでベンガルズとの試合が予定されている。
7.ニューイングランド・ペイトリオッツ(8勝8敗)、AFC東地区2位。ペイトリオッツは日曜日にドルフィンズから勝利を挙げ、シーズン勝敗数で並んだだけではなく、勝率を5割とした。地区内勝敗数で優っているため(ペイトリオッツ3勝2敗、ドルフィンズ2勝3敗)、タイブレイクで上位にも立っている。
あとを追うチーム
8.マイアミ・ドルフィンズ(8勝8敗)、AFC東地区3位
9.ピッツバーグ・スティーラーズ(8勝8敗)、AFC北地区3位
11.テネシー・タイタンズ(7勝9敗)、AFC南地区2位
ペイトリオッツがドルフィンズを追い抜き、スティーラーズが日曜日に勝利したことで、3チームがシーズン同勝敗数で並んだ状況で第18週目を迎えることになった。スティーラーズはクリーブランド・ブラウンズに勝つことが条件となるが、ペイトリオッツとドルフィンズには直接対決で敗れているため、この両チームが負けることも願うことになる。タイタンズは敵地ジャクソンビルでジャガーズに勝ちさえすれば、AFC南地区優勝が決定する。
脱落が決定したチーム
10.ニューヨーク・ジェッツ(7勝9敗)、AFC東地区最下位
12.クリーブランド・ブラウンズ(7勝9敗)、AFC北地区3位
13.ラスベガス・レイダース(6勝10敗)、AFC西地区3位
14.インディアナポリス・コルツ(4勝11敗1分け)、AFC南地区3位
15.デンバー・ブロンコス(4勝12敗)、AFC西地区最下位
16.ヒューストン・テキサンズ(2勝13敗1分け)、AFC南地区最下位
ジェッツとレイダースは日曜日の試合に敗れたことでプレーオフ進出の可能性が消滅した。このグループで第17週目に勝利を挙げたのはブラウンズだけである。テキサンズはジャガーズに敗れ、依然としてドラフト全体1位指名権獲得の実現性が高い。
NFCプレーオフ展望
1.フィラデルフィア・イーグルス(13勝3敗)、NFC東地区1位。イーグルスはすでにプレーオフ進出は確定している。あと自力で1勝するか、カウボーイズが1敗すると、地区優勝も決定する。しかしジェイレン・ハーツ(QB)を欠いた日曜日の試合でセインツに敗れたことで、第18週目まで決着が伸びてしまった。本拠地アドバンテージとプレーオフ第1ラウンドの不戦勝をもたらすシード順1位はなんとしても死守したいところだ。
2.サンフランシスコ・49ers(12勝4敗)、NFC西地区優勝。49ersは敵地ラスベガスでレイダースを延長戦の末に下し、これで9連勝となった。ミネソタ・バイキングスを抜かし、第1シード順を狙う位置にまで上ってきた。もし49ersが第18週目のアリゾナ・カーディナルス戦に勝利し、そしてイーグルスがワシントン・コマンダースに敗れると、カンファレンス内勝敗10勝2敗の49ersがタイブレイクで上位に立つことになる。
3.ミネソタ・バイキングス(12勝4敗)、NFC北地区優勝。バイキングスは日曜日の試合でグリーンベイ・パッカーズに敗れたことで、49ersに抜かれ、シード順1位を獲得する可能性が消滅した。イーグルスとダラス・カウボーイズに直接対決で敗れていることと、カンファレンス内勝敗で49ersに劣るためだ。タンパベイ・バッカニアーズの上となる、この順位に留まる可能性が高い。
4.タンパベイ・バッカニアーズ(8勝8敗)、NFC南地区優勝。バッカニアーズは日曜日の試合でカロライナ・パンサーズから逆転勝利を収め、2年連続となる地区優勝を決定した。プレーオフのシード順はここで確定している。第1ラウンドではイーグルスかカウボーイズのどちらかを本拠地に迎えることになる。
5.ダラス・カウボーイズ(12勝4敗)、NFC東地区2位。カウボーイズは第17週目の幕開けとなった木曜夜の試合でタイタンズに勝利し、イーグルスにプレッシャーを与え続けた。ゲーム差は1に縮まっている。地区優勝を果たすためには、第18週目にワシントン・コマンダースに勝ち、そしてイーグルスがニューヨーク・ジャイアンツに敗れることが条件になる。勝敗数で並んだとしても、地区内勝敗数タイブレイクで優位に立っている(カウボーイズ4勝1敗、イーグルス3勝2敗)。もし49ersが敗れると、シード順1位の道も開ける。
6.ニューヨーク・ジャイアンツ(9勝6敗1分け)、NFC東地区3位。ジャイアンツは日曜日の試合でインディアナポリス・コルツに大勝し、イーグルスとカウボーイズの下でワイルドカード枠によるプレーオフ進出を決定した。ワシントン・コマンダースが敗れてプレーオフ進出の可能性が消滅し、さらにデトロイト・ライオンズ、シアトル・シーホークス、そしてグリーンベイ・パッカーズには追いつかれない位置にあるため、ジャイアンツのシード順はここに確定している。
7.シアトル・シーホークス(8勝8敗)、NFC西地区2位。シーホークスは勝率5割でNFC内のライオンズとパッカーズに並んでいるが、3つ巴のタイブレイクで最上位に立っている。第18週目にロサンゼルス・ラムズに勝ち、そしてパッカーズがライオンズに敗れると、シーホークスのプレーオフ進出が決定する。第4週目に敵地デトロイトでの直接対決でライオンズに勝利しているためだ。
あとを追うチーム
8.デトロイト・ライオンズ(8勝8敗)、NFC北地区2位
8.グリーンベイ・パッカーズ(8勝8敗)、NFC北地区3位
パッカーズはライオンズ戦に勝利すればシード順7位でのプレーオフ進出が決定する。ライオンズはその試合に勝利した場合でも、シーホークスがラムズに敗れないとプレーオフ進出は果たせない。
脱落が決定したチーム
10.ワシントン・コマンダース(7勝8敗1分け)、NFC東地区最下位
11.ニューオーリンズ・セインツ(7勝9敗)、NFC南地区2位
12.カロライナ・パンサーズ(6勝10敗)、NFC南地区3位
13.アトランタ・ファルコンズ(6勝10敗)、NFC南地区最下位
14.ロサンゼルス・ラムズ(5勝11敗)、NFC西地区3位
15.アリゾナ・カーディナルス(4勝12敗)、NFC西地区最下位
16.シカゴ・ベアーズ(3勝13敗)、NFC北地区最下位
パンサーズはバッカニアーズに敗れ、地区タイトルとワイルドカード枠の可能性が消滅した。ファルコンズとラムズは苦しい戦いが続く。カーディナルズとベアーズは故障者の多さに苦しみ、どちらにもカンファレンス最下位の可能性がある。
原文: NFL standings: Updated AFC, NFC playoff picture after Week 17 of 2022 season
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部
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