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NFLのプレーオフは2021年1月に始まるが、その組み合わせは2020年シーズンの結果によって決定される。そのレギュラーシーズンもあと1週を残すのみとなった。史上かつてない、異例尽くしだった今シーズンの最終章を飾るプレーオフに既に進出を決めたチームもあれば、残りの枠を激しく争うチームもある。現時点ではシード順を確定でしているのは1チームのみで、残りはシーズン最終となる17週目にすべてが決まる。
シーズン16週目となり、2020年のNFLレギュラーシーズンの終了がもうそこまで来ている。これからの1勝はシード順、地区優勝、あるいはワイルドカード枠を確保してプレーオフに進出するための重要な意味をもつことになるが、その反面、たったの1敗だけで壊滅的な打撃を受けることにもなる。
ポストシーズン出場枠はAFC, NFCそれぞれのカンファレンスに1チームが増やされ、合計で14チームとなった。このことはシーズン終盤の試合結果をさらに興味深いものとしている。現在の順位から予想されるそれぞれのカンファレンスのトーナメントに進出するチームは以下の通りだ。
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NFL シーズン16週目終了時点の順位
AFC プレーオフ展望
プレーオフ進出チームは?
(確定済み)1. カンザスシティ・チーフス (14勝1敗)、AFC西地区チャンピオン
チーフスはスーパーボウル54で獲得したチャンピオンの座を揺るぎなく防衛するために着々と歩みを続けている。パトリック・マホームズも2年連続の最優秀選手賞(MVP)を受賞する可能性が高い。アトランタ・ファルコンズに辛くも逆転勝ちを収めたことで、チーフスのAFCワイルドカード・シリーズ不戦勝シード権と本拠地アドバンテージが確定した。残りの対戦相手: ロサンゼルス・チャージャーズ(本拠地)
2. ピッツバーグ・スティーラーズ(12勝3敗)、 AFC 北地区チャンピオン
3連敗中だったスティーラーズはインディアナポリス・コルツを相手に24-7の劣勢から挽回して貴重な逆転勝利を収めた。スティーラーズはそれにより連敗から脱出しただけではなく、クリーブランド・ブラウンズとボルティモア・レイブンズを抑え、ついに地区優勝のタイトルも決定した。チーフスには遠く及ばなかったが、No. 4シード順のテネシー・タイタンズに勝っていることもあり、少なくともバッファロー・ビルズに続くNo. 3シードの位置はほぼ手中にしている。残りの対戦相手: クリーブランド・ブラウンズ(本拠地)
3. バッファロー・ビルズ(11勝3敗)、AFC 東地区チャンピオン
ビルズはシーズン15週目に地区優勝を決めている。チーフスがトップシードの座を確定したことで、ビルズはスティーラーズとのNo. 2 シード争いに集中することになった。シーズン14週目にはそのスティーラーズに勝っている。だがテネシー・タイタンズには敗れており、そのタイタンズに次ぐNo. 4シードに落ちないためには、残りの試合にも勝ち続ける必要がある。残りの対戦相手: ニューイングランド・ペイトリオッツ(アウェー)、マイアミ・ドルフィンズ(本拠地)
4. テネシー・タイタンズ (10勝5敗)、AFC 南地区1位
タイタンズはグリーンベイ・パッカーズに、そしてインディアナポリス・コルツはピッツバーグ・スティーラーズに、それぞれシーズン16週目に敵地での試合に敗れた。タイタンズとコルツは勝敗数では並んでいるが、タイタンズが依然として南地区勝敗タイブレークでコルツをリードしている。タイタンズは17週目の試合でヒューストン・テキサンズに勝たないと、南地区優勝のタイトルを獲得することはできない。もしタイタンズはこの試合に敗れると、コルツに地区優勝の可能性が生じ、タイタンズはプレーオフ進出を逃すことになる可能性もある。直接対決タイブレークではボルティモア・レイブンズに勝っているが、クリーブランド・ブラウンズには負けている。残りの対戦相手: ヒューストン・テキサンズ(アウェー)
5. マイアミ・ドルフィンズ(10勝5敗)、AFC 東地区2位
ドルフィンズは12月26日(日本時間27日)のにラスベガス・レイダースとの敵地での試合で、ライアン・フィッツパトリックの試合終盤の活躍により、劇的な勝利を収めた。コルツとブラウンズがともに12月27日(同28日)に敗れたことで、ドルフィンズのシード順はNo. 7 から No. 5に上昇した。シーズン17週目にバッファロー・ビルズに勝てば、ワイルドカード枠が確定する。もしその試合に敗れると、現在勝敗数で並んでいる3チームのどれかにその位置を奪われることになるだろう。残りの対戦相手: バッファロー・ビルズ(アウェー)
6. ボルティモア・レイブンズ(10勝5敗)、AFC 北地区2位
レイブンズはNo. 8シードからここまで順位を上げた。レイブンズがニューヨーク・ジャイアンツに大勝し、シーズンの前半に破っているコルツとブラウンズがともに敗れたためだ。シーズン17週目にシンシナティ・ベンガルズに勝てば、レイブンズのプレーオフ進出は決まるだろう。もしその試合に勝てなければ、その保証はどこにもない。残りの対戦相手: シンシナティ・ベンガルズ(アウェー)
7. クリーブランド・ブラウンズ(10勝5敗)、AFC 北地区3位
スティーラーズがコルツに勝ったことで、ブラウンズの地区優勝の可能性はなくなった。コルツが敗れたことによって、ブラウンズにはプレーオフ進出決定のチャンスがあったが、不振にあえぐニューヨーク・ジェッツに追いつくことなく敗れたことで、それもものにすることはできなかった。ブラウンズがワイルドカード枠に残るには、シーズン17週目に本拠地でスティーラーズに勝つか、もし負けた場合は他チームからの助けを仰ぐしかない。残りの対戦相手: ピッツバーグ・スティーラーズ(本拠地)
プレーオフ進出の可能性があるチームは?
8. インディアナポリス・コルツ(10勝5敗)、AFC 南地区2位
コルツがシード順を保つにはスティーラーズに勝つ必要があった。ワイルドカード枠争いのタイブレークではドルフィンズ(カンファレンス内勝敗)、レイブンズ(直接対決で敗れている)、そしてブラウンズ(やはり直接対決で敗れている)に負けているからだ。コルツが勝ち、そしてタイタンズが敗れると、コルツにはまだ地区優勝の可能性がある。もしタイタンズが勝てば、コルツがプレーオフに進出するには、自分たちの勝利とドルフィンズ、レイブンズ、あるいはブラウンズの敗戦が必要になる。
既に敗退が決まっているチームは?
9. ラスベガス・レイダース(7勝8敗)
10.ニューイングランド・ペイトリオッツ(6勝8敗)
11. ロサンゼルス・チャージャーズ(6勝9敗)
12. デンバー・ブロンコス(5勝10敗)
13. シンシナティ・ベンガルズ (4勝10敗1分け)
14. ヒューストン・テキサンズ(4勝11敗)
15. ニューヨーク・ジェッツ(2勝13敗)
16. ジャクソンビル・ジャガーズ(1勝14敗)
ペイトリオッツはあまりにも不安定で、ついにワイルドカード枠争いに戻ってくることはできなかった。シーズン15週目にドルフィンズに敵地で敗れたことで、ペイトリオッツのプロ―オフ進出の望みは公式に断たれた。ブロンコスとテキサンズはここまでに予想された以上の戦績を挙げてはいるが、両チームとも来年以降に期待するべきだろう。チャージャーズは直近の2試合には勝利したが、負けた試合がすべて僅差によるものであることの原因を究明するべきだろう。ベンガルズはシーズン11週目にジョー・バロウを故障で失ったことで今シーズンは終わってしまった。ジャガーズとジェッツは来年度のドラフトにおけるトップ指名権を争っていたが、その争いにも決着がついた。ジャガーズがシーズン16週目にシカゴ・ベアーズに敗れ、ジェッツがブラウンズに勝ったことで、ジャガーズの最下位が確定したからだ。
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NFC プレーオフ展望
プレーオフ進出チームは?
1. グリーンベイ・パッカーズ(12勝3敗), NFC 北地区チャンピオン
パッカーズはNFCワイルドカード・シリーズ不戦勝シード権と本拠地アドバンテージを狙うには極めて良好な状態にある。シーズン16週目のタイタンズ戦に勝利し、ニューオーリンズ・セインツとシアトル・シーホークスに1ゲーム差をつけ、セインツには直接対決タイブレークでも優位に立っている。同カード勝敗タイブレークで並ぶシーホークスも勝ったことで、パッカーズはNo. 1シードを確定できなかった。残りの対戦相手: シカゴ・ベアーズ(アウェー)
2. ニューオーリンズ・セインツ(11勝4敗)、 NFC 南地区チャンピオン
セインツはフィラデルフィア・イーグルスとチーフスに連敗し、No.1シード争いから大きく後退した。カンファレンス内勝敗タイブレークではセインツが9勝2敗、シアトル・シーホークスが8勝3敗で、セインツがNo.2シードの位置を維持している。クリスマスに行われたミネソタ・バイキングス戦に勝利し、ついに地区優勝を決めた。 残りの対戦相手: カロライナ・パンサーズ(アウェー)
3. シアトル・シーホークス(11勝4敗)、 NFC 西地区チャンピオン
シーホークスはシーズン16週目に本拠地でロサンゼルス・ラムズに勝利し、地区優勝を決めた。またシーホークスはNo.1シードのパッカーズにプレッシャーをかけ続けている。なぜなら同カード勝敗タイブレークではシーホークスは4勝0敗の完璧なレコードで同じ対戦相手(フィラデルフィア・イーグルス、サンフランシスコ・49ers、ミネソタ・バイキングス、アトランタ・ファルコンズ)に勝ってきているからだ。現在のところ、シーホークスにはカンファレンス内勝敗タイブレークにおける僅差でリードされている。残りの対戦相手: サンフランシスコ・49ers(アウェー)
4.ワシントン・フットボール・チーム(6勝9敗)、NFC 東地区1位
ワシントンはカロライナ・パンサーズに敗れたが、それでも地区1位の位置を維持している。同地区のダラス・カウボーイと勝敗数で並んでいるが、直接対決では2連勝し、タイブレークではワシントンが優位に立っているためだ。シリーズ17週目の敵地におけるフィラデルフィア・イーグルス戦に勝利すると、ワシントンの地区優勝が決まる。もしこの試合にワシントンが敗れると、同地区タイトルはニューヨーク・ジャイアンツ対カウボーイズ戦の勝者のものになる。残りの対戦相手: フィラデルフィア・イーグルス(アウェー)
5. タンパベイ・バッカニアーズ(10勝5敗)、 NFC 南地区2位
セインツが16週目に勝利したことで、バッカニアーズが地区優勝を勝ち取る可能性は消滅した。だが自力でデトロイト・ライオンズに大勝し、ワイルドカード枠を確定した。もしバッカニアーズがシーズン17週目に敗れて、ロサンゼルス・ラムズが勝ったとしても、No.6シードより順位が下がることはない。残りの対戦相手: アトランタ・ファルコンズ(本拠地)
6. ロサンゼルス・ラムズ(9勝6敗)、 NFC 西地区2位
ラムズはシーズン16週目にシーホークスとの直接対決に敗れ、地区タイトルを譲ることになってしまった。アリゾナ・カージナルズが敗れ、シカゴ・ベアーズが勝ったことで、ラムズはプレーオフ進出も確定できなかった。ラムズがワイルドカード枠を確定するためには、シリーズ17週目にカージナルズに勝つか、あるいはベアーズがパッカーズに負けることが必要になる。ラムズは直接対決タイブレークではベアーズより優位に立っている。残りの対戦相手: アリゾナ・カージナルズ(本拠地)
7. シカゴ・ベアーズ(8勝7敗)、NFC 北地区2位
ベアーズはシーズン16週目にまたも攻撃陣が大爆発してジャクソンビル・ジャガーズを大差で破り、シーズン終盤になって劣勢から立ち直りつつある。シーズン開幕直後は5勝1敗の好スタートを切ったものの、その後は低迷していたのだ。シーズン17週目にパッカーズに勝つか、あるいはカージナルズがラムズに負けると、ベアーズのプレーオフ進出が決まる。残りの対戦相手: グリーンベイ・パッカーズ(本拠地)
プレーオフ進出の可能性があるチームは?
8. アリゾナ・カージナルズ(8勝7敗)、NFC 西地区3位
カージナルズはシーズン16週目にサンフランシスコ・49ersに負け、NFLワイルドカード争いから後退した。だがラムズも負けたため、シーズン17週目に勝利すれば、カージナルズにはまだNo. 6 か No. 7 シードの可能性が残っている。ベアーズの勝敗がどうなるにせよ、もしカージナルズが勝てなければ、その時点でカージナルズのプレーオフ進出の可能性は消滅する。ラムズと9勝7敗で並んだ場合はカージナルズが同地区内勝敗タイブレークで上回ることになる。 残りの対戦相手: ロサンゼルス・ラムズ(アウェー)
9. ダラス・カウボーイズ(6勝9敗)、NFC 東地区2位
12. ニューヨーク・ジャイアンツ(5勝10敗)、NFC 東地区3位
このNFC 東地区の両チームのどちらかがプレーオフに進出するためにはワシントンが負ける必要がある。そうなった場合、シーズン17週目のカウボーイズ対ジャイアンツ戦の勝者がプレーオフに進出する。カウボーイズは延長戦引き分けの場合でもワシントンが負けるとプレーオフに進出できる。
既に敗退が決まっているチームは?
10. ミネソタ・バイキングス(6勝9敗)
11. サンフランシスコ・49ers (6勝9敗)
13. カロライナ・パンサーズ (5勝10敗)
14. デトロイト・ライオンズ(5勝10敗)
15. フィラデルフィア・イーグルス (4勝10敗1分け)
16. アトランタ・ファルコンズ (4勝11敗)
イーグルスとバイキングスはシーズン16週目にこのグループに入ってきた。ライオンズとファルコンズはヘッドコーチをシーズン中に解雇した後に、この位置まで順位を落とした。49ersは本拠地でビルズとワシントンに連敗して、同じ位置にまで落ちてきた。再建中のパンサーズはシーズン15週目にパッカーズに敗れ、これが今シーズン8度目の8点差以内での敗戦となった。だがパンサーズはシーズン16週目にはワシントンを相手に1TD差で貴重な勝利を挙げた。
(翻訳:角谷剛)