2020-21 NFLプレーオフ出場QB格付け:マホームズの牙城を崩せるのはアーロン・ロジャースか、それとも?

Billy Heyen

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2020-21 NFLプレーオフでは初のポストシーズン先発出場となるクォーターバック(以下QB)は1人か2人しかいない。クリーブランド・ブラウンズを2002年以来のプレーオフ進出へ導いたベイカー・メイフィールドはそのうちの1人だ。ロサンゼルス・ラムズのジョン・ウルフォードがもう1人になるだろう。もしジャレッド・ゴフ(訳者注:ラムズの正QB)の親指の怪我が癒えなければ、ではあるが。

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その他はまさに多士済々だ。トム・ブレイディ、ベン・ロスリスバーガー、アーロン・ロジャース、ドリュー・ブリーズ、ラッセル・ウィルソン、そしてパトリック・マホームズの6人はスーパーボウルでの優勝経験を持つ。ブレイディ、ロジャース、マホームズ、そしてラマー・ジャクソンはNFL最優秀選手賞(MVP)の受賞歴がある。若手と経験豊かなベテランが程よく混じりあい、NFLのもっとも重要なポジションを担っている。

年齢順で並べたQB:

クォーターバック 年齢 MVP受賞回数 プレーオフ勝敗 スーパーボウル勝敗
ラマー・ジャクソン 23 1 0-2 0-0
ジョシュ・アレン     24 0 0-1 0-0
パトリック・マホームズ          25 1 4-1 1-0
ベイカー・メイフィールド 25 0 0-0 0-0
ジャレッド・ゴフ 26 0 2-2 0-1
ミッチェル・トゥルビスキー 26 0 0-1 0-0
ライアン・タネヒル 32 0 2-1 0-0
ラッセル・ウィルソン 32 0 9-6 1-1
アレックス・スミス 36 0 2-5 0-0
アーロン・ロジャース             37 2 10-8 1-0
ベン・ロスリスバーガー          38 0 13-8 2-1
フィリップ・リバース 39 0 5-6 0-0
ドリュー・ブリーズ 41 0 8-8 1-0
トム・ブレイディ  43 3 30-11 6-3

スポーティング・ニュースでは次の観点から彼らQBを格付けした:「今、誰をもっともチームに欲しいと思うか?」

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2020-21 NFLプレーオフ出場QB格付け順位

1. パトリック・マホームズ、カンザスシティ・チーフス

マホームズは今シーズンも4,740 ヤード、38タッチダウン、そして僅か6インターセプトの驚異的な成績で終えた。もはやビデオゲームのキャラクターの域である。チーフスは14勝2敗でシーズンを終え、今年もAFCで本拠地アドバンテージを得た。マホームズはあるいはMVPを受賞しないかもしれないが、それでもチーフスがスーパーボウルへ駒を進めるには、このリストのどのQBより有利な位置にある。マホームズは2004-05年のブレイディ以来のスーパーボウル連覇を果たせるだろうか?

2. アーロン・ロジャース、グリーンベイ・パッカーズ

成績からするとロジャースを1番に評価したいと思うかもしれない。それは間違ってはいない。4,299ヤード、48タッチダウン、そしてたった5インターセプトと言う数字はMVPにもっとも近いと思われるし、パッカーズは2011年以来となる本拠地アドバンテージも手に入れた。ロジャースは2年目となる指揮官マット・ラフルールのシステムでよく機能している。そして長く待ち焦がれた2度目のスーパーボウル出場を実現するチャンスはかつてないほど大きい。ブレイディ、ブリーズ、そしてウイルソンらトップ選手がひしめくNFCでの戦いはけっして容易なものではないが。

3. トム・ブレイディ、タンパベイ・バッカニアーズ

ブレイディがスーパーボウルに9回出場し、そのうち6回優勝し、プレーオフでキャリア通算30勝を挙げていることは誰もが知るところだ。だが、これらすべてはニューイングランド・ペイトリオッツ時代に達成したものである。バッカニアーズのシード順は5番目であるが、シーズン終盤を4連勝で締めくくっており、ワイルドカード枠ではもっとも危険なチームであることは間違いない。バッカニアーズはポストシーズンに進出したチームとの対戦では1勝5敗で、しかも今回はそれをアウェーで行わないといけない。ブレイディはビル・ベリチック(訳者注:ペイトリオッツのヘッドコーチ)なしにそれを成し遂げることができるか? 我々はそれをまもなく知ることになる。

4. ラッセル・ウィルソン、シアトル・シーホークス

ウィルソンの卓越した試合運びの能力はシーホークスを12勝4敗の好成績に導いたが、その一方でこのチームの攻撃陣は28点以上を得点した試合がシーズン後半に1つしかない。ウィルソンはそれでも40タッチダウンを挙げており、常に改善するプレースタイルはポストシーズン向きでもある。シーホークスはどこかの段階で敵地に遠征しなくてはならないが、ウィルソンはここまでアウェーでのプレーオフ戦では3勝5敗である。

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5. ジョシュ・アレン、バッファロー・ビルズ

アレンは今シーズン押しも押されもせぬMVP候補に名乗りを上げた。QBレイティングが80を越えた、たった3人のQBの1人でもある。ステフォン・ディグスとのコンビネーションは攻撃陣全体を押し上げ、ビルスはシーズン終盤を6連勝で飾った。その間アレンは16タッチダウンとたった3インターセプトの好成績でシーズンを終えた。もちろん、ポストシーズンではすべてはゼロからの再スタートとなる。それでもビルズはAFCでチーフスの最大の難敵であるように思われる。

6. ラマー・ジャクソン、ボルティモア・レイブンズ

ジャクソンはどのQBよりも強いプレッシャーを感じているかもしれない。ここまでポストシーズンでは0勝2敗のキャリア成績なのだから。新型コロナウイルスから復帰して以来、ジャクソンは1試合平均で161.8パッシング・ヤードと86ラッシング・ヤードをマークし、合計で15タッチダウンを挙げる間、わずかに3インターセプトを喫したのみである。シーズン14週目のクリーブランド・ブラウンズ戦で見せた劇的な勝利でシーズンを持ち直し、攻撃陣を目覚めさせ、その結果レイブンズは辛うじてプレーオフ進出を果たした。

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7. ドリュー・ブリーズ、ニューオーリンズ・セインツ

この順位は低すぎるだろうか? ブリーズは脇腹の故障により、今シーズンのうち5試合を欠場した。それでもセインツはNFC制覇を狙う好位置につけている。ブリーズと同じくらい、アルヴィン・カマラの貢献度によるものだが。故障から復帰後のブリーズは1試合平均で248.7パッシング・ヤードをマークし、6タッチダウンを挙げ、3インターセプトを喫した。そしてセインツはチーフスをぎりぎりまで追い上げた。ブリーズはポストシーズンではここまで8勝8敗であり、昨年のワイルドカード戦でミネソタ・バイキングスに喫した敗戦の雪辱を晴らすチャンスを目の前にしている。

8. ライアン・タネヒル、テネシー・タイタンズ

タネヒルの今シーズンの活躍は昨シーズンのAFCチャンピオンシップ進出が紛れ当たりではなかったことを証明した。そして2,000ヤード越えを果たしたラッシャーのデリック・ヘンリーが後ろに控えていたことも大きかった。タネヒルは今シーズン本拠地の試合では22タッチダウンを挙げ、たった2インターセプトしか喫していないが、その間タイタンズの戦績は5勝3敗に留まった。タイタンズは他のAFCプレーオフ進出チームとの対戦では3勝3敗であり、厳しい戦いが予想される。

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9. ベン・ロスリスバーガー、ピッツバーグ・スティーラーズ

ロスリスバーガーはスーパーボウルを2回制したことがあり、プレーオフで先発した試合でキャリア通算13勝を挙げている。だが、最後にポストシーズンで勝利したのは2016年のことだ。シーズン終盤の4試合でロスリスバーガーは8タッチダウンを挙げ、4インターセプトを喫した。インディアナポリス・コルツとの試合では攻撃陣が試合後半ハーフになるまで目覚めなかった。”Big Ben”の愛称を持つロスリスバーガーはプレーオフでAFC北地区チーム相手にはここまで4勝1敗であるが、クリーブランド・ブラウンズと対戦するのは今ポストシーズンが初めてである。

10. ベイカー・メイフィールド、クリーブランド・ブラウンズ

それに価値があるかどうかはともかく、メイフィールドはかつてドラフト全体1位で指名された選手のうち今年のプレーオフではもっとも高く格付けされている。メイフィールドはブラウンズ1年目の指揮官ケビン・ステファンスキーと上手く機能し、特にシーズン後半戦ではそうであった。シーズン終盤の9試合でメイフィールドは1インターセプトしか喫していない。メイフィールドはハインツ・フィールド(訳者注:スティーラーズの本拠地)ではキャリア通算で0勝3敗ではあるが、ニック・チャブとカリーム・ハントらが率いるランニングバックとの連携は上手くいっている。それを続けることができれば、ブラウンズにはチャンスがある。

11. フィリップ・リバース、インディアナポリス・コルツ

コルツはぎりぎりでプレーオフに滑り込んだ。ポストシーズンのキャリア通算成績が5勝6敗のリバースはチームのQBというポジションを安定させた。まだリバースには力が残っているとは言え、今シーズンのQBレイティングではNFL中19位に甘んじている。今シーズンのコルツはアウェーでの戦績が5勝3敗に過ぎず、プレーオフ初戦は現在もっとも好調なチームの1つと見られるビルズと敵地で対戦する。

12. ジャレッド・ゴフ、ロサンゼルス・ラムズ

ゴフは2年前のスーパーボウルで先発出場している。今回のワイルドカード・ラウンドにおけるシーホークス戦にゴフが出場できればいいのだが、そうでない場合はプレーオフの経験がないジョン・ウルフォードが代役を務めることになる。ゴフは今シーズン、ターンオーバーに悩まされた。ラムズは他のNFCプレーオフ出場チームとの対戦戦績が4勝1敗であり、それにはシーホークスとバッカニアーズを相手の勝利も含まれる。

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13. アレックス・スミス、ワシントン・フットボール・チーム

スミスが脚の大怪我からカムバックしたストーリーはこのリストに挙げられたQBたちの中でも最高のものであることには疑いの余地はない。スミスの今シーズンの成績は6タッチダウンと8インターセプトであるが、それでもワシントンは少なくとも本拠地でバッカニアーズを迎え撃つ位置にはつけている。スミスはこれまでのキャリアでプレーオフに7回先発出場している。そしてスミスはNFC東地区優勝を決めたイーグルス戦で安定したプレイを見せたばかりだ。バッカニアーズ戦ではそれ以上の番狂わせ的な活躍が期待されるだろう。

14. ミッチェル・トゥルビスキー、シカゴ・ベアーズ

トゥルビスキーの契約問題は常にシカゴで話題になっている。自身2回目のプレーオフ出場となる今回は、長期契約に相応しいかどうかの疑問がついてまわるだろう。トゥルビスキーは直近5回の先発出場で10タッチダウンを挙げ、5インターセプトを喫した。NFCワイルドカード・ラウンドのセインツ戦ではより多くのショットを投げざるを得ないだろう。ベアーズの守備陣は直近の3試合でよく踏ん張ったが、トゥルビスキーにチャンスを与えるためには、さらに良いパフォーマンスが必要になる。

(翻訳:角谷剛)

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