NFLパワーランキング 9/20版:ドルフィンズがトップ10に急浮上、49ersとラムズが復調、コルツとブラウンズが第3週目を前に評価急落

Vinnie Iyer

NFLパワーランキング 9/20版:ドルフィンズがトップ10に急浮上、49ersとラムズが復調、コルツとブラウンズが第3週目を前に評価急落 image

今季NFLは第2週目を終え、初週以上に予想外の展開を迎えたカードもあって、順位変動に影響を与えた。ビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が9月20日付けのパワーランキングを伝える。

NFL2022-23年レギュラーシーズン第2週目が終了した。いくつかの信じがたい逆転劇があり、早くも崩壊してしまったチームもある。それでもトップクラスのチームは順調に勝利を積み上げた。2勝0敗としたチームもあり、1勝1敗に戻したチームもある。

トップクラスのチームは歴然としているが、リーグ中団あたりをみると試合内容からしても混戦模様だ。1勝1敗のチームがひしめいている。シーズン第3週目を前にした、全32チームの状況は以下の通りである。

NFL パワーランキング2022年第3週目

ポジション略称:クォーターバック=QB、ランニングバック=RB、ワイドレシーバー=WR、タイトエンド=TE、ガード=G、オフェンシブタックル=OT、ディフェンシブタックル=DT、ディフェンシブエンド=DE、ラインバッカー=LB、コーナーバック=CB、セーフティ=S、オフェンシブガード=OG、プレースキッカー=PK

1. バッファロー・ビルズ、 2勝0敗、(前回の順位:1)

ビルズは第1週目のシーズン開幕戦で前年度スーパーボウル覇者であるロサンゼルス・ラムズを圧倒し、そのあとで長い休みに恵まれた。月曜夜のテネシー・タイタンズ戦では攻守ともに相手を寄せ付けない強さを見せた。

2. カンザスシティ・チーフス、 2勝0敗、(2)

チーフスはロサンゼルス・チャージャーズの強力な守備陣に手を焼いた。それでもパトリック・マホームズ(QB)とチーフス守備陣はビッグプレイを連発し、ジャスティン・ハーバート(チャージャーズQB)を抑え込むことに成功した。チーフスの上を行くビルズはけっして安泰ではない。昨年度プレーオフの再戦は第6週目に予定されている。

3. タンパベイ・バッカニアーズ、 2勝0敗、 (3)

バッカニアーズは新ヘッドコーチのトッド・ボウルズ指揮下で、これまで目立った攻撃力を見せていない。とくにレシーバー陣と攻撃ライン陣に故障者が相次いだことで、今シーズンが最後だと思われているトム・ブレイディ(QB)はイラ立ちが隠せない。それでもシーズン序盤を敵地で2連勝を飾ったのは流石だ。守備陣はすべてのレベルで充実している。

4. フィラデルフィア・イーグルス、2勝0敗、 (6)

イーグルスはジェイレン・ハーツ(QB)とA.J. ブラウン(WR)が引っ張る攻撃陣が好調だ。NFC東地区での優位は揺るがないようにみえる。守備陣に残されたいくつかの課題を克服さえすれば、カンファレンス制覇の可能性も見えてくるだろう。

5. ロサンゼルス・ラムズ、1勝1敗、 (8)

ラムズはアトランタ・ファルコンズに快勝した。パスを使った攻撃、パスに対する守備、そしてスペシャルチームに若干の不安が残るものの、チームの全体的な状態は良い。次戦の相手であるアリゾナ・カーディナルスは守備力が弱い。第4週目のサンフランシスコ・49ers戦の前に、この勢いを止めないことが重要だ。

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6. サンフランシスコ・49ers 、1勝1敗、 (9)

49ersはトレイ・ランス(QB)をけがで失った。今シーズンのブレイクが期待されていただけに、大きな痛手だ。しかし、ジミー・ガロポロという贅沢な控えQBを擁する49ersには死角はない。カイル・シャナハン(ヘッドコーチ)は恵まれた戦力を活用できる。ニック・ボーサ(DE)ら守備陣は安定しており、このチームが大きく失速することはないだろう。

7. ロサンゼルス・チャージャーズ、1勝1敗、 (4)

チャージャーズは木曜夜の試合でチーフスに敗れたものの、チーム全体の状態は悪くない。ただ、重要な場面でジャスティン・ハーバート(QB)がおかしたひとつの失敗がたたり、インターセプトからタッチダウンを喫してしまった。守備陣は好調である。後は攻撃陣の爆発力を高めることが、これからの大きな試合では求められるだろう。

8. マイアミ・ドルフィンズ、2勝0敗、 (13)

新ヘッドコーチのマイク・マクダニエルはたった2試合で、その天才的な攻撃面での采配能力を証明してみせた。トゥア・タゴバイロア(QB)、ジェイレン・ワドル(WR)、そしてタイリーク・ヒル(WR)が活躍している。そして、チェイス・エドモンズ(RB)とマイク・ゲシキ(TE)も重要なプレイに絡んでいる。ドルフィンズはプレーオフ候補に名乗りをあげつつある。後は守備陣をもう少し安定させることが必要になるだろう。

9. ミネソタ・バイキングス、1勝1敗、 (7)

バイキングスの状況はドルフィンズと似ていた。マクダニエルと同じように、ケビン・オコンネルが新ヘッドコーチに就任し、ジャスティン・ジェファーソン(WR)とダルビン・クック(RB)を中心とした攻撃陣の強化に成功したからだ。しかし、それよりも新しくなった守備陣が充実していることが大きい。すでにグリーンベイ・パッカーズに勝利し、NFC北地区で優位に立っている。

10. グリーンベイ・パッカーズ、1勝1敗、 (10)

パッカーズはまたしてもシーズン第1週目の敗戦から立ち直った。マット・ラフルアー(ヘッドコーチ)の指揮下で、アーロン・ロジャース(QB)と守備陣が期待以上の働きを見せ、本拠地でシカゴ・ベアーズに快勝した。第3週目にはブレイディ擁するバッカニアーズとの対戦が控えている。

11. ボルティモア・レイブンズ、1勝1敗、 (5)

レイブンズの敗戦は予想外だった。ドルフィンズ戦の第4クォーターで自慢のパス守備と第2列が突如として崩壊してしまったのだ。ラマー・ジャクソン(QB)はパスもラン攻撃も目覚ましいパフォーマンスを見せたが、それらは水の泡となり、逆転を許してしまった。次戦の相手であるニューイングランド・ペイトリオッツは攻撃力がはるかに弱い。この試合を起爆剤にしたいところだ。

12. デンバー・ブロンコス、1勝1敗、 (17)

ブロンコスの攻撃陣は未だに新たな戦略を確立できないでいる。ラッセル・ウィルソン(QB)とナサニエル・ハケット(ヘッドコーチ)はパス攻撃とラン攻撃をいかに組み立てるかに迷っているようだ。しかし、3-4フォーメーションを採用した守備陣は的確に機能している。ランディ・グレゴリー(LB)とブラッドリー・チャブ(LB)がその中心だ。

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13. ニューヨーク・ジャイアンツ、2勝0敗、 (20)

ジャイアンツはドルフィンズやバイキングスと同じように、攻撃を重視するブライアン・デイボールを新ヘッドコーチに迎えた。ビル・ベリチックとニック・セイバンの下で働いた経験もある優秀なコーチだ。故障が癒えたセイクワン・バークリー(RB)と強力なラッシュ攻撃に加えて、安定した守備力が躍進の原動力になっている。ケイボン・ティボドー(LB)とアジーズ・オジュラリ(LB)を欠いた影響はさほどではないようだ。

14. ピッツバーグ・スティーラーズ、1勝1敗、 (11)

スティーラーズは新人のケニー・ピケット(QB)ではなく、ミッチェル・トゥルビスキー(QB)を先発QBに選んだ。その選択が正しかったどうかが問われている。トゥルビスキーはこの2試合で不安定だったからだ。チームはそれでもAFC北地区でほかのチームと並んでいるが、木曜夜には敵地クリーブランドでブラウンズとの大一番を控えている。スティーラーズはあまりにも守備に偏った戦い方をしているようにも見える。もう少し攻撃陣の爆発力が求められているのではないだろうか。

15. ダラス・カウボーイズ、1勝1敗、 (18)

カウボーイズの勝利は予想外だった。スーパーサブのクーパー・ラッシュ(QB)は粘り強いパフォーマンスを見せ、ケレン・ムーア(攻撃コーディネーター)の作戦を的確に実行した。守備陣はマイカ・パーソンズ(LB)を中心に、シンシナティ・ベンガルズを抑え込んでみせた。ダック・プレスコット(QB)が故障から復帰するまで、NFC東地区の上をいくイーグルスとジャイアンツに食らいついていけるだろうか。

16. シンシナティ・ベンガルズ、0勝2敗、 (12)

ベンガルズが予想外に苦しんでいる。ジョー・バロウ(QB)もやはり人間だったのだろうか。高いレベルのプレッシャーとサックに抵抗できていないでいる。長い距離のパス攻撃に活路を見出そうとしているが、それでも守備陣の働きには見合っていない。第3週目の相手はニューヨーク・ジェッツだ。QBが良くなっているチームなので、厳しい戦いになる。

Kyler Murray
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17. アリゾナ・カーディナルス、1勝1敗、 (21)

カーディナルスは相変わらず守備陣が良くない。ラスベガス・レイダース戦でも試合の大部分で機能していなかった。しかし、カイラー・マレー(QB)が攻撃の主導権を握ったことが試合後半の劇的な逆転劇につながった。

18. ニューイングランド・ペイトリオッツ、1勝1敗、 (23)

ペイトリオッツはスティーラーズに辛勝した。派手なプレイはなく、ラン攻撃と守備陣前列の働きが大きかった。ビル・ベリチック(ヘッドコーチ)とコーチングスタッフが調整能力に長けていることをあらためて証明した形となった。

19. クリーブランド・ブラウンズ、1勝1敗、 (14)

ブラウンズの攻撃陣は本拠地での初戦となったジェッツ戦で予想外の好調ぶりを見せた。ニック・チャブ(RB)がジャコビー・ブリセット(QB)からのパス攻撃を上手く引き出していた。しかし、守備陣は試合後半でジョー・フラッコ(ジェッツQB)にまったく対抗できず、大崩れとなってしまった。ケビン・ステファンスキーの采配にも混乱が見られた。デショーン・ワトソン(QB)を欠いたブラウンズはこれからも厳しい戦いを強いられるだろう。

20. ニューオーリンズ・セインツ、1勝1敗、 (15)

セインツはアルビン・カマラ(RB)を欠き、ラッシュ攻撃を活用できなかった。ジェイミス・ウィンストン(QB)は古巣バッカニアーズの守備陣にパス攻撃を封じられた。デニス・アレン(ヘッドコーチ)は守備力に重きを置くタイプだが、そこでもやや安定性に欠けている。

Jameis Winston
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21. デトロイト・ライオンズ、1勝1敗、 (27)

ライオンズはHBO Maxのテレビシリーズ『Hard Knocks』で取り上げられた効果を見せている。ワシントン・コマンダース戦でも攻守ともに積極的なプレイが光った。アモン・ラ・セント・ブラウン(WR)、ダンドル・スウィフト(RB)、そしてエイダン・ハッチンソン(DE)といった若手選手が躍動している。ダン・キャンベル(ヘッドコーチ)率いるライオンズの勢いは止みそうもない。

22. テネシー・タイタンズ 、0勝2敗、 (22)

タイタンズは第1週目のジャイアンツ戦で後半に逆転負けを喫した痛手から立ち直れなかった。ビルズ戦では完膚ないほどの大敗を喫し、いまだに勝ち星がない。

23. シカゴ・ベアーズ、1勝1敗、 (19)

ベアーズは第1週目に雨中の戦いで49ersから貴重な勝利をあげた。しかし、まだ凍り付いていない敵地ランボー・フィールドではパッカーズのラン攻撃を防ぐことはできなかった。ジャスティン・フィールズ(QB)のパス攻撃は未だに良い効果をまったく生み出せていない。

24. ワシントン・コマンダース、1勝1敗、 (25)

コマンダースは守備陣が作戦面でも人員面でも大崩れしている。チェイス・ヤング(DE)を欠いた穴は大きい。カーソン・ウェンツ(QB)ら攻撃陣は健闘している。

Carson Wentz
(Getty Images)

25. ジャクソンビル・ジャガーズ、1勝1敗、 (31)

ジャガーズの攻撃陣は急激に機能するようになった。ダグ・ペダーソン(ヘッドコーチ)とプレス・テイラー(攻撃コーディネーター)はトレバー・ローレンス(QB)を上手く使い、クリスチャン・カーク(WR)、ジェームズ・ロビンソン(RB)、トラヴィス・エティエンヌ(RB)らも活躍している。ジョナサン・テイラー(インディアナポリス・コルツRB)とコルツの攻撃陣を完璧に封じ込めた若い守備陣はさらに称賛に値する。

26. ラスベガス・レイダース、0勝2敗、 (24)

レイダースは守備陣と攻撃ライン陣に大きな問題を抱えている。しかし、本来なら攻撃陣はもっと爆発力があるはずだ。デレック・カー(QB)とダバンテ・アダムス(WR)がコンビを組み、そしてジョシュ・マクダニエルズ(ヘッドコーチ)が指揮を執っているのだから。しかし、今のところ、このチームは機能不全に陥っており、早くも激戦区のAFC西地区において後退しつつある。

27. インディアナポリス・コルツ、0勝1敗1分け、 (16)

コルツは敵地ジャクソンビルのジャガーズ戦で1点もあげられなかった。シーズン序盤2試合をAFC南地区内の敵地で戦い、1勝もできていないままだ。マット・ライアン(QB)のパス攻撃は不調で、ジョナサン・テイラー (RB)とシャキール・レナード(LB)を欠いた守備陣の足を引っ張っている。コルツはこの地区の優勝候補であったはずだが、今では最下位候補に見えてしまっている。

28. ニューヨーク・ジェッツ、1勝1敗、 (32)

ジョー・フラッコ(QB)はザック・ウィルソン(QB)が欠けた穴を埋め、見事なパス攻撃力を発揮している。パスを受けるレシーバー陣も好調であるうえ、新人のブリース・ホール(RB)もマイク・ラフラー(攻撃ヘッドコーチ)の作戦に機能している。敵地クリーブランドでのブラウンズ戦では守備陣は良くなかったが、それでもロバート・サレー(ヘッドコーチ)はチームを勝利へ導いた。

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(Getty Images)

29. シアトル・シーホークス、1勝1敗、 (26)

シーホークスは敵地サンフランシスコで49ersに歯が立たなかった。QBと守備陣の戦力不足があたらめて浮き彫りになった。開幕週ではかつての司令塔ラッセル・ウィルソン(QB)のブロンコスにおけるデビュー戦勝利を許さなかったものの、第2週目にはそのウィルソンを失ったシーズンというこれから続く厳しい現実にとって代わられた様相だ。

30. ヒューストン・テキサンズ 、0勝1敗1分け、 (28)

テキサンズは敵地デンバーでブロンコスから勝利をあげることができなかった。守備陣はラビー・スミス(ヘッドコーチ)の意図通りに働いているものの、デービス・ミルズ(QB)と攻撃陣の力不足がはっきりと露呈し始めている。

31. アトランタ・ファルコンズ 、0勝2敗、 (30)

ファルコンズは限られた戦力で全力を尽くしているが、早くも今シーズンを諦めて、再建に舵を切り換えるべきかもしれない。マーカス・マリオタ(QB)率いる攻撃陣と守備陣は、コーダレル・パターソン(RB)、カイル・ピッツ(TE)、ドレイク・ロンドン(WR)、そしてA.J. テレル(CB)を除いて、単純に実力不足である。ラムズに対抗できるわけはなかった。

32. カロライナ・パンサーズ、0勝2敗、 (29)

パンサーズは2試合続けて接戦で敗れたが、その相手は強敵とは呼べないブラウンズとジャイアンツだった。ベイカー・メイフィールド(QB)に率いられた攻撃陣は時折見せ場を作ったが、目立った成果を挙げるところまでは来ていない。守備陣は健闘しているが、ヘッドコーチのマット・ルールはどうやら短命政権で終わりそうな気配である。

原文: NFL power rankings: Dolphins rocket into top 10; 49ers, Rams recover; Colts, Browns plummet for Week 3
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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Vinnie Iyer

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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.