NFLパワーランキング 10/5版:無敗のイーグルスがトップに浮上、第5週目を前にチーフスとブロンコスも順位を上げ、スティーラーズが急落

Vinnie Iyer

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NFL 2022-23シーズンは第4週目を終えて、各チームの序盤戦の方向性が上手くいっているか、不発となっているかが見えだしてきた。ビニー・アイヤー(Vinnie Iyer)記者が10月5日付けのパワーランキングを伝える。

今シーズンが開幕してから1か月が経ち、シーズンの約4分の1が過ぎた。そして早くも無敗のチームがたったひとつだけとなっている。フィラデルフィア・イーグルスが戦績を4勝0敗とし、スポーティングニュースの直近パワーランキングでトップに浮上した。

イーグルスはNFCを制しスーパーボウル57へと駒を進める有力候補のひとつとして名乗りを上げた。2021年にもプレーオフへ進出しているが、このカンファレンスにはグリーンベイ・パッカーズ、タンパベイ・バッカニアーズ、ロサンゼルス・ラムズ、そしてサンフランシスコ・49ersと強豪チームがひしめいている。そしてNFC東地区では昨年の覇者ダラス・カウボーイズにわずか1試合差をつけているに過ぎない。

シーズン第5週目を前にした、全32チームの状況は以下の通りである。

NFL パワーランキング2022年第5週目

ポジション略称:クォーターバック=QB、ランニングバック=RB、ワイドレシーバー=WR、タイトエンド=TE、ガード=G、オフェンシブタックル=OT、ディフェンシブタックル=DT、ディフェンシブエンド=DE、ラインバッカー=LB、コーナーバック=CB、セーフティ=S、オフェンシブガード=OG、プレースキッカー=PK

1. フィラデルフィア・イーグルス、4勝0敗、 (前回の順位:3)

イーグルスは本拠地にジャクソンビル・ジャガーズを迎えた試合で前半に14-0のリードを許した。しかし、悪天候下での徹底したラン攻撃とジェイレン・ハーツ(QB)の活躍によって逆転に成功した。守備陣も勢いに乗る若いQBをよく抑え込んだ。

2. バッファロー・ビルズ、 3勝1敗、(2)

ビルズは敵地で行われたボルティモア・レイブンズ戦で雨中のなか苦しい戦いを強いられた。前半はジョシュ・アレン(QB)のパスがなかなか決まらなかったが、後半になってからはMVP最有力候補の実力を発揮した。2列目に故障者が重なった守備陣もふたたび期待以上の働きをした。

3. カンザスシティ・チーフス、 3勝1敗、(6)

チーフスの攻撃陣は前週のインディアナポリス・コルツ戦ではほとんど機能しなかったが、今週は強力な守備力を誇るタンパベイ・バッカニアーズを相手に見事な復調を遂げた。広範囲へのパス攻撃とラッシングが光った。パトリック・マホームズ(QB)は多彩な攻撃オプションをバランス良く活用し始め、アンディ・リード(ヘッドコーチ)の新たな戦略にマッチしている。

4. グリーンベイ・パッカーズ、3勝1敗、 (4)

パッカーズはアーロン・ロジャース(QB)のパスを受けるレシーバー陣の戦力が既に充実しているうえ、ラン攻撃は常に安定した力を発揮している。ニューイングランド・ペイトリオッツ戦ではラン攻撃に対する守備力に不安が残っていることを露呈してしまったが、それでも完全に優勝候補チームであることを証明した。

5. マイアミ・ドルフィンズ、3勝1敗、 (1)

ドルフィンズの守備陣はシンシナティ・ベンガルズのパス攻撃に抗しきれなかったうえ、攻撃陣はトゥア・タゴヴァイロア(QB)が倒れるという大きな痛手を負った。次戦の相手となるニューヨーク・ジェッツは調子を上げているので、チームの立て直しは急務である。

6. タンパベイ・バッカニアーズ、 2勝2敗、 (5)

バッカニアーズはシーズン前半で非常に厳しい日程を強いられてきた。強敵との対戦が続くなか、攻撃陣と守備陣の両方に問題が頻発している。トム・ブレイディ(QB)はロジャース(パッカーズQB)とマホームズ(チーフスQB)が勝利を喜ぶ姿を見なくてはならなかった。しかし、これからしばらくはNFC南地区内の弱い相手との対戦が続く。

7. サンフランシスコ・49ers 、2勝2敗、 (12)

49ersはバランスの良い守備陣と伝統的なラン攻撃が力を発揮している。そしてジミー・ガロポロ(QB)はロサンゼルス・ラムズ戦でレシーバー陣から期待通りのサポートを得た。

8. ミネソタ・バイキングス、3勝1敗、 (10)

バイキングスはジャスティン・ジェファーソン(WR)が第1週目に発揮した爆発力を活かす方法を見出し、守備陣は故障者が多いニューオーリンズ・セインツの攻撃陣を相手に有利な戦いを進めた。このチームはまだ再建途上にあるので、シーズン序盤の快進撃は嬉しい誤算と呼ぶべきだろう。

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(Getty Images)

9. ダラス・カウボーイズ、3勝1敗、 (11)

カウボーイズは予想外の快進撃を続けている。クーパー・ラッシュ(QB)のパス攻撃は効果的であるし、守備陣は相手のパス攻撃をよく凌いでいる。ダック・プレスコット(QB)を故障で欠いた影響を感じさせない勢いだ。

10. ボルティモア・レイブンズ、2勝2敗、 (8)

レイブンズの守備陣はビルズ戦でジョシュ・アレン(QB)によく対抗したが、またしても数少ないミスによって逆転負けを喫してしまった。第2週目のドルフィンズ戦と似た展開だった。ラマー・ジャクソン(QB)は依然としてチームを引っ張っているが、故障から復帰したJ.K. ドビンズ(RB)をもっと活用するべきだった。

11. シンシナティ・ベンガルズ、2勝2敗、 (13)

ベンガルズはジョー・バロウ(QB)をサックから守り、パスをサポートする方法を見出した。AFC北地区で首位を狙う位置に戻ってきた。

12. ロサンゼルス・ラムズ、2勝2敗、 (7)

ラムズはまだ本来の力を発揮できていない。攻撃陣はクーパー・カップ(WR)を、守備陣はジャレン・ラムジー(CB)を、それぞれ上手く活用できないでいる。49ers戦では良いところがなく敗れてしまった。

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13. ニューヨーク・ジャイアンツ、3勝1敗、 (16)

ジャイアンツは弱い相手に勝利を重ねてきたが、その攻撃力は未だに高い評価を受けてはいない。それでもセイクワン・バークリー(RB)とダニエル・ジョーンズ(QB)が時折大きなラッシュを見せている。守備陣は安定している。

14. デンバー・ブロンコス、2勝2敗、 (9)

ブロンコスの攻撃陣はラッセル・ウィルソン(QB)を活かし始めた。しかしラン攻撃に対する守備力が弱く、さらにジャボンテ・ウィリアムズ(RB)とランディ・グレゴリー(LB)を膝の故障で失ってしまった。ナサニエル・ハケット(ヘッドコーチ)は安定した補完戦力を必要としている。

15. ジャクソンビル・ジャガーズ、2勝2敗、 (14)

ジャガーズは攻撃陣も守備陣も健闘した。トレバー・ローレンス(QB)も、ほかの若い才能ある選手たちもダグ・ペダーソン(ヘッドコーチ)の指揮に応えている。しかし雨中でのイーグルスとの戦いではランがあと一歩及ばすに、金星を逃した。それでも地区優勝を狙える位置に留まっている。

16. ロサンゼルス・チャージャーズ、2勝2敗、 (17)

チャージャーズは対戦相手に恵まれ、前週の敗戦を挽回した。オースティン・エケラー(RB)はジャスティン・ハーバート(QB)と故障者の多い守備陣へのプレッシャーを軽減した。次週のクリーブランド・ブラウンズ戦で勝ち越しを狙うためには有効な戦略だ。

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17. クリーブランド・ブラウンズ、2勝2敗、 (15)

ブラウンズは敵地アトランタでのファルコンズ戦でニック・チャブ(RB)が大活躍した。しかしジャコビー・ブリセット(QB)が不調で、マイルズ・ギャレット(DE)を欠いた守備陣はラン攻撃に無力だった。後者は今後も問題になりそうだ。

18. テネシー・タイタンズ 、2勝2敗、 (20)

タイタンズはデリック・ヘンリー(RB)の攪乱戦法と守備陣が機能し始めた。0勝2敗の後で持ち直し、AFC南地区の首位争いに戻ってきた。

19. アリゾナ・カーディナルス、2勝2敗、 (22)

カーディナルスは敵地カロライナで守備力に優れたパンサーズを撃破した。カイラー・マレー(QB)の調子は上向いてきたうえ、守備陣はJ・J・ワット(DE)によって奮起した。NFCのプレーオフ争いに戻ってきた。

20. ラスベガス・レイダース、1勝3敗、 (27)

レイダースはブロンコス戦でデレック・カー(QB)に頼り切る作戦からラッシュ攻撃を多用する方向へと舵を切り、その試みは成功した。守備陣はまだビッグプレイを狙いすぎている。

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21. ニューイングランド・ペイトリオッツ、1勝3敗、 (23)

ペイトリオッツは敵地に乗り込んだパッカーズ戦でランを多用した攻撃で健闘した。マック・ジョーンズ(QB)の代わりに、ベイリー・ザッピーとブライアン・ホイヤーを起用した。残念なことに、守備陣は要所で良いプレイを見せたものの、ビル・ベリチック(ヘッドコーチ)が望むレベルではなかった。

22. ニューヨーク・ジェッツ、2勝2敗、 (28)

ザック・ウィルソン(QB)、ブリース・ホール(RB)、そして他の若い選手たちと攻撃陣の新戦力は力を発揮している。ロバート・サレー(ヘッドコーチ)は守備陣、とくに2列目の強化にも成功している。

23. アトランタ・ファルコンズ 、2勝2敗、 (29)

ファルコンズは粘り強い試合展開を見せた。力強いラン攻撃と的確なパス攻撃をうまく組み合わせていた。守備力にはまだ課題が残っているが、それでも大崩れしないだけの地力があることを証明した。

24. シアトル・シーホークス、2勝2敗、 (31)

シーホークスはジーノ・スミス(QB)が予想以上の活躍を見せている。パスを的確に散らし、そして今ではラシャード・ペニー(RB)のラン攻撃もビッグプレイを演出し始めた。残る課題はあまりにも弱すぎる守備力である。

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25. シカゴ・ベアーズ、2勝2敗、 (19)

ベアーズは敵地ニューヨークでのジャイアンツ戦でジャスティン・フィールズ(QB)らの攻撃陣の調子は上向いてきたものの、多くの得点を挙げるまでには至らなかった。またしても大健闘した守備陣に報いることはできなかった。フィールズが若いスターQBとしてチームの顔としての信頼を勝ち取るには、さらに多くの結果を積み上げなくてはならない。

26. インディアナポリス・コルツ、1勝2敗1分け、 (18)

何が起きたのだろうか。コルツはマット・ライアン(QB)が調子を上げたが、ブロックが機能せず、そしてジョナサン・テイラー (RB)が故障してしまった。それ以上に深刻な問題はシャキール・レナード(LB)が力を発揮できていない守備陣である。

27. ピッツバーグ・スティーラーズ、1勝3敗、 (21)

スティーラーズは攻撃面ではミッチェル・トゥルビスキー(QB)に見切りをつけ、新人のケニー・ピケット(QB)を起用する羽目になった。守備陣は本来の力を発揮できていないことはさらに大きな問題だ。第5週目に敵地で行われるビルズ戦は負けられない戦いになる。

28. ニューオーリンズ・セインツ、1勝3敗、 (24)

セインツの攻撃陣はジェイミス・ウィンストン(QB)、マイケル・トーマス (WR)、そしてアルビン・カマラ(RB)を欠いたロンドンでの試合で健闘した。しかし守備陣は急に弱体化してしまった。デニス・アレン(ヘッドコーチ)は苦しい戦いに直面している。多分、2023年はドラフトで真にチームの顔となる大物QBの獲得へと動くだろう。

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29. デトロイト・ライオンズ、1勝3敗、 (25)

ライオンズはどのチームが相手でも得点を挙げる攻撃力があることを証明した。ジャレッド・ゴフ(QB)は何人かの戦力を失っていたにもかかわらず、である。強力な攻撃ラインはゴフとジャマール・ウィリアムズ(RB)らを守っている。残念ながら、エイダン・ハッチンソン(DE)ら守備陣はあまり貢献できていない。

30. ワシントン・コマンダース、1勝3敗、 (26)

コマンダースは攻撃陣が苦しんでいるし、守備陣はまったく機能していない。カーソン・ウェンツ(QB)には大きなプレッシャーがかかっているうえ、守備力の強いチームとの対戦が続いている。

31. カロライナ・パンサーズ、1勝3敗、 (30)

パンサーズはベイカー・メイフィールド(QB)を迎えた攻撃陣が混乱の極みにある。ビッグプレイと安定さを備え持つ守備陣の健闘が水の泡になってしまっている。マット・ルール(ヘッドコーチ)には時間があまり残っていない。

32. ヒューストン・テキサンズ 、0勝3敗1分け、 (32)

テキサンズはデービス・ミルズ(QB)のパス攻撃は上向いていたし、ダメオン・ピアース(RB)の活躍は新人王候補になり得るものだ。ラビー・スミス(ヘッドコーチ)の守備陣は毎週のように格上との戦いを強いられている。とくにラン攻撃に対して無力だ。

原文: NFL power rankings: Undefeated Eagles soar to No. 1; Chiefs, Cowboys also rise as Broncos, Steelers fade for Week 5
翻訳:角谷剛
編集:スポーティングニュース日本版編集部

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Vinnie Iyer

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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.