NFLドラフト1巡目予想【前編】:ジャガーズなど、QB獲得か

Vinnie Iyer

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NFLのドラフトをシミュレーションしても、特にフリーエージェント選手の獲得が決まる前には、十分に現実的なものにはならないだろう。NFLスカウティングコンバインの結果や噂から、2018年のドラフト内容が、わずかながらも明らかになったものの、3月には各チームが必要応じた大幅な方針変更を決めている、これにより、4月後半に向けて各チームの方針をわずかに知ることができる。

フリーエージェント同様、NFLドラフトの状況というものは、何チームがクォーターバックを指名するかによって変わってくる。最初のモックドラフト以降、すでに2度トレードが行われた。ビルズとベンガルズ、そしてジェッツとコルツだ。このトレードは上位指名に影響を与えることになりそうだ。

今後行われるトレードを検討には入れていないものの、現時点での各チームの1巡指名の予想を見ていきたい。

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2018年NFLモックドラフト

1.クリーブランド・ブラウンズ:サム・ダーノルド、QB、南カリフォルニア大学

ブラウンズはタイロッド・テイラーのトレードで彼をQBとして起用してきた。しかし、テイラーがフリーエージェントとなる2019年に先立って、長期に渡るチームを支えるQBを求めることになるだろう。高いレベルで見ると、才能あるすべてのQBと同様に欠点はあるが、このポジションに必要な腕、正確さ、集中力を備えた最もバランスの良い選手であると言える。

2.ニューヨーク・ジャイアンツ:ブラッドレイ・チャブ、DE、ノースカロライナ州立大学

ジャイアンツは他のチームからのQBトレードのオファーを聞き入れるべきだろう。しかし、ジェイソン・ピア・ポールのトレードに続いて、焦ってトレードするとチーム弱体化につながる。チャブは、その芸術的なサックでニューヨークの新たなディフェンスとして、うまくやっていくはずだ。コーディネーターであるジェームス・ベッチャーにとっての、次のチャンドラー・ジョーンズになるかもしれない。

3.ニューヨーク・ジェッツ(コルツとトレード):ジョッシュ・ローゼン、QB、カリフォルニア大学ロサンゼルス校

3位の指名権を得たジェッツが支払った犠牲は大きかった。だが、そのおかげで希望のクォーターバックを獲得できると期待したい。ローゼンはコンバインで、ビッグシティを本拠地とするチームの象徴となる可能性を証明した

4.クリーブランド・ブラウンズ(テキサスとトレード):ミンカー・フィッツパトリック、DB、アラバマ大学

サクオン・バークリーの獲得は魅力的だろう。しかし、カルロス・ハイドとデューク・ジョンソン・Jr.を擁したブラウンズは引き続き、バックスの見直しを図るべきだろう。ジャマー・テイラーは若手コーナーバックとして成長しているものの、フリーエージェントのT. J・キャリーの方がこのポジションにしっくりくる。ダマリアス・ランドールをセイフティとして、ターランス・ミッチェルは深い位置でプレーできる。フィッツパトリックはセカンダリーのどのポジションにも対応でき、シーズン初戦から活躍するだろう。

5.デンバー・ブロンコス:サクオン・バークリー、RB、ペンシルバニア州立大学

ブロンコスは確実にクォーターバックについて検討しているはずだ。バークリーなら、チームが熱望するオフェンススキルを満たす、最高の選手となりうる。ビルズやカーディナルスが、ブロンコスよりも先に指名をジョシュ・アレンとする場合は、ブロンコスはベイカー・メイフィールド指名という決定を強いることにはならないはずだ。アレンの獲得は魅力的ではあるが、バークリー獲得はより論理的な選択だ。ケース・キーナムがこの先QBとして活躍するために、ジョン・エルウェイが率いるこのチームをバークリーは助けることになるだろう。

6.インディアナポリス・コルツ(ジェッツとトレード):クエントン・ネルソン、G/OT、ノートルダム大学

コルツは、3位の指名権を手放すリスクとして、チャッブとバークリーともに獲得できなくなることを把握していた。しかし、彼らがニーズに見合うポジションに同じ州のサウスベンドから選手を獲得できるのは素晴らしいことだ。ネルソンがインサイドとアウトサイドのどちらでプレーするかは重要ではない。コルツは彼が持つアスリートとしての存在感で、ランの多いゲームとアンドリュー・ラック主導のパスゲームの両方に刺激を与えることができるだろう。

7.タンパベイ・バッカニアーズ:デンゼル・ワード、CB、オハイオ州立大学

バッカニアーズはフリーエージェントとトレードでディフェンスラインの強化に取り組んだ(JPP、ヴィニー・カレー、ボウ・アレン、ミッチ・アンレインを獲得)。そしてオフェンスラインの中盤の強化も行った(ライアン・ジェンセン獲得)。しかしタンパベイのセカンダリーは、ブレント・グライムスと1年の再契約を行った今も補強が必要だ。ワードは最高のカバーができる可能性を秘めており、獲得可能な最高のでもあるのだ。

8.シカゴ・ベアーズ:トレメイン・エドモンズ、LB、バージニア工科大学

ベアーズはディフェンスのコーディネーターとしてヴィック・ファンジオ、そして、コーナーバックのプリンス・アムカマラとカイル・フラーを残留させるという賢い選択をした。しかし、3-4ディフェンスのセカンドレベルには、インサイドもアウトサイドもできるダイナミックかつ万能で、攻撃を先導する選手が必要になるかもしれない。元サンフランシスコのファンジオは、パトリック・ウィリスやナボロ・ボウマンのようなタイプの選手をこのチームにも獲得することになるだろう。

9.サンフランシスコ・49ers:ダーウィン・ジェームス、S、フロリダ州立大学

前シアトル在籍で、現在サンフランシスコのディフェンスコーディネーターを務めるロバート・サレーは、アール・トーマスのような選手をセカンダリーに獲得できることになる。リチャード・シャーマンとアーケロ・ウィザースプーンをコーナーバックとして確保することで、ジャキスキ・タートはセイフティとしての輝かしい今後が約束される。ジェームスの獲得によりシャーマンは、リージョン・オブ・ブームと呼ばれるシーホークスのライバルチームへと育てることができるだろう。

10.オークランド・レイダース:ロクアン・スミス、OLB、ジョージア大学

レイダースは、ラインバッカ―のタヒル・ホワイトヘッドとコーナーバックのラッシャン・メルビンをフリーエージェントで立て続けに獲得し、ディフェンシブバックを補強してきた。以前シンシナティに所属していた、ディフェンスコーディネーターのポール・グウェンザーはホワイトヘッドとブルース・アービンの弱点を支える選手を求めている。スミスは、ベンガルズのボンテーズ・バーフィクトのように、激しく容赦ないほどに選手たちを追うプレースタイルを持つ。

11.マイアミ・ドルフィンズ:ヴィタ・ヴィー、DT、ワシントン大学

ドルフィンズはディフェンスにおいて、多角的な方向に進むかもしれない。しかし、エンダムカン・スーの放出によって、ヴィーが持つ、モンスター的なタックルと完璧なラインを必要としている。彼は今後数年、マイアミのラインローテ―ションを確実にする爆発力を持った選手だ。

12.バッファロー・ビルズ(ベンガルズとトレード):ベイカー・メイフィールド、QB、オクラホマ大学

バックアップであるAJマカロンを高額トレードで獲得したビルズは、指名権は全体で22位だった。しかし、クォーターバックを早期に獲得するため、更なるトレードを行うなどして、突き進むことを示している。GMブランドン・ビーンとHCシーン・マクダーモットはカロライナでの経験から、ディフェンス、ランニングゲーム、2つの脅威を持つクォーターバックがどの程度チームに影響を与えうるか、十分に認識すべきだ。メイフィールドは最終的にバッファローに長期的解決をもたらす要因となるものを持っている

13.ワシントン・レッドスキンズ:ジェームス・ダニエルズ、C/G、アイオワ大学

レッドスキンズのインテリアラインはフリーエージェントとなったスペンサーロングの離脱(ジェッツへ移籍)でダメージを受けた。そしてガードのショーン・ローバオは再契約に至らなかった。この指名順位でのディフェンスについては、右の選手(スミスまたはヴィー)を検討すべきだろう。しかし、ダニエルズならアレックス・スミスのフロントに入るには最適の選手であり、さらにブロックの向上にもなるはずだ。

14.グリーンベイ・パッカーズ:ハロルド・ランドリー、OLB、ボストンカレッジ

パッカーズは、3-4ディフェンスを切り返した際、エッジでのパスラッシュを改善しなければならない。彼らのスキームに効果があるのは、バックフィールドで大混乱を生み出すことのできる気まぐれな選手となる、ランドリーまたはマルクス・ダベンポートだろう。

15.アリゾナ・カーディナルス:ジョシュ・アレン、QB、ワイオミング大学

カーディナルスはトップ5のクォーターバックのために行動を起こしたチームだ。しかし、今回のモックドラフトでは、15位でアレンを指名すると思われる。サム・ブラッドフォードとマイク・グレノンはフリーエージェントとして契約していた。しかし、どちらも2018年を終えた後の残留は見込めないだろう。アレンの正確さと力量が、彼の腕と情熱に見合うにはもう少し磨きをかける必要がある。アリゾナの現状ではその時間を与えることができるだろう。

16.ボルチモア・レイブンズ:マルクス・ダベンポート、OLB、テキサス大学サンアントニオ校

レイブンズは今回のドラフトで、ワイドレシーバーとオフェンスラインについて検討することになるだろう。しかし、パッカーズのように、ドン・ウィンク・マーティンデールが指揮を執り、10月で36歳を迎えるテレル・サグスが支える3-4ディフェンスの再構築を行うかもしれない。ダベンポートは、まずはベテランから役割を学びつつ、サグスのようなダイナミックな選手となりうるはずだ。

17.ロサンゼルス・チャージャーズ:ダーロン・ペイン、DT、アラバマ

チャージャーズはジョーイ・ボサとメルビン・イングラムが両サイドで素晴らしい活躍を見せている。しかし彼らは2018年の優秀なディフェンスを完成させるために、さらに強烈にインサイドを使うことになるだろう。ペインはボサのようなショートエリアでのスピードを持ち、敵のバックフィールドを混乱させることができるはずだ。

原文:NFL Mock Draft 2018: Patriots, Bills, Jaguars land right QBs
翻訳:Ayako Hayashi

Vinnie Iyer

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Vinnie Iyer, has been with TSN since 1999, not long after graduating from Northwestern University’s Medill School of Journalism. He has produced NFL content for more than 20 years, turning his attention to full-time writing in 2007. A native of St. Louis, Mo. but now a long-time resident of Charlotte, N.C. Vinnie’s top two professional sports teams are Cardinals and Blues, but he also carries purple pride for all things Northwestern Wildcats. He covers every aspect of the NFL for TSN including player evaluations, gambling and fantasy football, where he is a key contributor. Vinnie represents TSN as host of the “Locked On Fantasy Football” podcast on the Locked On network. Over his many years at TSN, he’s also written about MLB, NBA, NASCAR, college football, tennis, horse racing, film and television. His can’t-miss program remains “Jeopardy!”, where he was once a three-day champion and he is still avid about crossword puzzles and trivia games. When not watching sports or his favorite game show, Vinnie is probably watching a DC, Marvel or Star Wars-related TV or movie.